レジェンド本多永一が鮮やかな再逆転で最多勝記録を更新

  • 開催場所:岡山国際サーキット
  • 開催日:2025年03月30日(日) 〜 2025年03月30日(日)
2025年ロードスター・パーティレースⅢ 西日本Rd.1 NDシリーズ

3月30日、ロードスター・パーティレースⅢの西日本シリーズが岡山国際サーキットで開幕。19台で争われたNDシリーズクラスはフロントローの2台が抜きつ抜かれつの名勝負を展開。最後に笑ったのは過去6回の王座獲得を誇る66歳のレジェンド、88号車の本多永一だった。しかしながら初ポールを獲得した29歳の新鋭、180号車の吉田郷史の熱い走りにも賞賛を送りたい。

エントリーは35台でNDシリーズが21台、NDクラブマンが14台という内訳だったが、シリーズの2台とクラブマンの1台が欠場となり、32台が予選に臨んだ。
今回は初参加のメンバーも9名と目白押し。シリーズクラスにも記念写真の左から順に151号車の曽川剛志、191号車の神谷 誠、250号車の丸山僚也の3名が新たなパーティの仲間に加わった。
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朝のブリーフィングではマツダのブランド体験推進本部の後藤憲吾主幹が挨拶。「先日の合同テストはあいにくの雨でしたが、今日はまずまずの天気に恵まれました。ぜひ皆さんでクリーンなレースを楽しんでください」と挨拶された。
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●予選
公式予選は9時15分からの15分間。雨の心配はなかったが太陽が顔を見せず、かなり冷え込んだコンディションだった。手元で計測したデータは気温8.8℃/湿度46%/路面温度14.5℃。
多くのマシンが一斉に入ったため、序盤のコース上は大渋滞の様相。ほとんどのドライバーが全開を控えたために、しばらくは誰も2分を切ることなく、先が読めない展開になった。
ようやく5分を回った頃、186号車の西山 楽が1分57秒582を記録してモニター画面の上段が動き出した。
その後、先日の合同テストでウエットの中、圧巻のトップタイムを記録した37号車の菅田政宏が1分57秒633を3周目に叩き出す。負けじと前年チャンピオンの56号車・小林太一が1分57秒382と57秒台の前半に入れて暫定トップに浮上。
さらに最多勝男の本多も1分57秒444を3周目にマーク。そのほかのシリーズ上位のドライバーたちも続々と1分57秒台を記録して、わずか1秒以内に11台がひしめく僅差のアタック合戦が繰り広げられた。
この戦いに決着をつけたのは吉田だった。昨年の開幕戦でデビューを果たし、第3戦では惜しくも本多に届かず予選2番手。さらに決勝でも表彰台に立っているキャリアの持ち主が、4周目に出したタイムは1分57秒047。
本多も最後まで諦めずにアタックを続けたが、1分57秒276でわずかに届かない。そしてディフェンディングチャンピオンの小林が前述のタイムで予選3位。
さらに99号車の藤井善豪が1分57秒563で4番グリッドを獲得。これに西山と菅田が続いて、決勝を入賞圏内のグリッドからスタートすることになった。

●決勝
決勝レースの直前のコンディションは気温9.9℃/湿度38%/路面温度22.1℃。風も強くなって体感的には寒く、少し内圧を上げようとする選手もいたほどだ。
また今回はグリッドについてから、ドライバー全員を集めての記念撮影を行った。
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その時には一瞬だが雪が舞って心配されたが、フォーメーションラップに入ってからはほぼ青空に回復した。
オールレッドの5連シグナルが消えてスタートしたのが14時12分。8ラップ先のチェッカーを目指す戦いが始まった。上位陣で抜群のダッシュを見せたのが2番グリッドだった本多。
出足の一歩はポールポジションの吉田も悪くはなかったが、そこからの加速で明らかに本多の勢いが勝り、1コーナー進入の時点では写真のような逆転劇がコンプリートしていた。
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そして1周目の後方集団でアクシデントが発生。クラブマンクラスの2台がヘアピンで接触。その1台がグラベルで動けなくなったため、2周目からセーフティカー(SC)が導入されることになった。
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オフィシャルの迅速な対応により、今回のSCランは2ラップのみ。4周目からはバトルが再開したが、ランプを消したSCがペースを上げて集団から離れた3周目の後半で、先頭にいた本多は右足を踏み込んで引き離しにかかった。
後続の選手たちも必死で付いていこうとするが、それまでのダンゴ状態から少し間隔が開いてのバトル再開。本多のベテランの技が光った瞬間で、ここから独走に持ち込むかと思われた。
ところが上位5台の集団は、本多の思惑とは違ってすぐにダンゴ状態に戻った。そしてバックストレートの加速で勝った吉田がヘアピンのブレーキングも見事に決め、アウト側から立ち上がりでサイドbyサイドに持ち込むことに成功。
となれば、次のリボルバーでイン側にいる吉田の先行を許さないわけにはいかない。まさに「天晴れ」だったのだが、次の5周目にレジェンドドライバーの底力を感じさせるドラマが待っていた。
まるで1周前を再現しているかのように、同じポイントで本多が抜き返したのだ。
次の6周目は本多が1.115秒と少しだけリードを広げる一方で、吉田の後方に小林が迫ってロックオン状態に。さらに藤井と西山も僅差で肉薄するなど、緊張感あるバトルが続いた。
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そして7周目からは吉田も最後のチャージで本多に接近し、再び5台が集団となってファイナルラップに突入。
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そのヘアピンで、西山が小林にヒットするアクシデントが発生した。
小林はそこでストップしてレースを終了。一方で西山はその混乱で暫定3位に浮上してチェッカーを受けた。しかしながら、前述のヒットが「危険なドライブ行為」という判定で30秒加算のペナルティとなり、14位に後退した。
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整理すると、NDシリーズは本多が昨年の第3戦以来の優勝で、通算勝利数(今回で24勝目)とNDシリーズでの最年長優勝記録という自己の持つレコードを更新することにも成功した。
2位には見事なパフォーマンスを見せた吉田、3位には藤井が繰り上がっての初ポディウム獲得だ。
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以下、4位には菅田、5位に2020年の西日本王者の110号車・末金孝夫、6位にはスタートでジャンプアップした288号車の山根 涼が食い込んだ。
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優勝した本多選手コメント
「今日は楽しくバトルして、しかも勝てたのが嬉しいです。吉田選手には見事に抜かれましたが、同じことが自分にもできるはずと思ったら、上手くいきましたね。予選で頑張って2番手を取れたことも大きかったです」
タイヤについて
「今日は1年ほど前からの古いタイヤだったのですが、朝からカチカチで、仲良くなれませんでした、やっとこ7周目に予選ベストというのはその証拠です。でも、路面温度が上がったこともあり、決勝ではいい感じになってグリップしてくれました」

西日本シリーズの第2戦はここ岡山で、5月25日の日曜日にスケジューリング。
またパーティレースの次の戦いは、4月5日と6日の週末に宮城県のスポーツランドSUGOで開催される「MAZDA FAN FESTA 2025 IN TOHOKU」の中で予定されている。
ここでは北日本シリーズの開幕戦が4月5日に開催され、同シリーズ第2戦とジャパンツアーシリーズの第2戦が4月6日にダブルタイトルで行われる。

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MAZDA MOTOR SPORTS
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BRIDGESTONE POTENZA Adrenalin RE004
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レース結果

コース:岡山国際サーキット

[NDシリーズ]

決勝

  • 開催日:2025/03/30
  • 天候:Fine
  • 路面:Dry
  • 決勝出走:19
  • 完走:19
  • (3.703km x 8laps = 29.624km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 88 本多 永一 BS Bridgestone LEG Eds ロードスター 8 17'51.228
2 180 吉田 郷史 BS Bridgestone VERSUSロードスター 8 17'51.424
3 99 藤井 義豪 BS Bridgestone ZENSHINロードスター 8 17'55.296
4 37 菅田 政宏 BS Bridgestone SimGoyaROADSYER 8 17'56.002
5 110 末金 孝夫 BS Bridgestone KMAXやじま電機ロードスター 8 17'59.901
6 288 山根 涼 BS Bridgestone ガレージ山根ロードスター 8 18'00.070
7 58 村上 元気 BS Bridgestone 小谷建設 & GYロードスター 8 18'01.525
8 146 岸 智裕 BS Bridgestone KRTKロードスター 8 18'03.344
9 24 菊川 和真 BS Bridgestone Iceman NDロードスター 8 18'04.291
10 124 松田 友明 BS Bridgestone ロードスター 8 18'04.646
11 250 丸山 僚也 BS Bridgestone MmロードスターND 8 18'06.081
12 96 伊辺 剛 BS Bridgestone ロードスター 8 18'13.580
13 4 TOSHIYASU BS Bridgestone WATANABEロードスター 8 18'19.471
14 186 西山 楽 BS Bridgestone RSイシイSKTロードスター 8 18'24.849
15 108 TAROU KAJITANI BS Bridgestone Mm58ドライブロードスター 8 18'25.913
16 60 黒田 行治 BS Bridgestone kuro稲R_GYロードスター 8 18'29.042
17 191 神谷 誠 BS Bridgestone samsロードスター 8 18'47.485
18 56 小林 太一 BS Bridgestone youサービスロードスター 7 15'54.145
19 151 曽川 剛志 BS Bridgestone 西尼防災教育の会ロードスター 7 18'21.181