GT500クラス:平川亮/ニック・キャシディー(KeePer TOM’S LC500/BS)が今季2勝目をマーク、ランキングトップに。GT300クラス:中山雄一/坪井翔(JMS P.MU LMcorsa RC F/BS)が見事な作戦で2勝目。
- 開催場所:チャン・インターナショナルサーキット
- 開催日:2017年10月07日(土) 〜 2017年10月08日(日)
2017オートバックスSUPER GTシリーズ第7戦は、シリーズ唯一の海外戦、タイのブリーラムにあるチャン・インターナショナルサーキットで開催され、決勝日に26,376人の観衆を集めた。
今年のブリーラムは天候が不順で毎日スコールに見舞われ、当地4回目の開催にして初めて予選、決勝共にウェットタイヤが使用されるシーンがあった。GT500クラスのポールポジションを獲得した平川亮/ニック・キャシディー(KeePer TOM’S LC500/BS)は、スタートからゴールまで終始トップを快走して優勝。GT300クラスのセカンドポジションからスタートした中山雄一/坪井翔(JMS P.MU LMcorsa RC F/BS)はファーストスティントをミニマムにして、トップを奪う作戦が的中、優勝。
<予選>
予選セッションが始まる直前に雨が降り始め、路面コンディションはウェット。Q1が開始されたときには小降りとなったが、各車ウェットタイヤを装着してタイムアタック。Q1をトップタイムで通過したのは今回好調な安田裕信/ヤン・マーデンボロー(カルソニック IMPUL GT-R/BS)だった。Q2は、ハーフウェットコンディションとなって、各車スリックタイヤでコースイン。安田/マーデンボロー組と平川/キャシディー組によるポールポジション奪取合戦の末に平川が最終ラップにベストタイムを記録してポールポジションを獲得した。
<決勝>
決勝日の午前中は快晴に恵まれたが、決勝スタート15時の30分前にスコールが通り過ぎコースはウェットとなった。殆どのクルマがウェットタイヤを装着。そして、レースはセーフティーカースタートとなった。セーフティーカーが2周してコース外に退去、ポールからスタートしたキャシディーがマーデンボローを従えてトップを守りながら周回を重ね、コースが乾き始めて一旦ピットインしてスリックタイヤへ交換。再びトップを守りながら66周レースの32周を消化して平川に交替。後半では4番手スタートから追い上げてきた大嶋和也/アンドレア・カルダレッリ(WAKO’S 4CR LC500/BS)が2位に躍進。終盤、平川は、スパートして大量リードを築いてチェッカードフラッグを受けた。トップ7までをブリヂストン装着車が独占。圧倒的な優位性を示した。GT300クラスでは中山が18周してピットイン、その後スリックタイヤで坪井がロングスティントを着実に周回する作戦を成功させて勝利した。
<GT500クラス優勝ドライバーのコメント>
平川亮選手「ニックが最初のスティントにおいて素晴らしい走りで大きなリードを築いてくれたので、自分のスティントは、全く後ろを気にせずにラップすることができました。こんな展開のレースは初めてですね。コースインしてからゴールまでタイヤのパフォーマンスは最高の状態でとても気持ちよく走ることができました。最終戦も同じ展開でチャンピオンを獲りたいですね」
ニック・キャシディー選手「最高です。ウェットでスタートして乾いてきてタイヤを交換。チームの作戦とピット作業も完璧だった。常にタイヤが自分の走りを支えてくれた。そして亮の走りも完璧。このレースは自分にとって最高のレースだった。チャンピオン獲得へ向け、最終戦が楽しみだ」
<GT300クラス優勝ドライバーのコメント>
中山雄一選手「スタート直前に雨が降って来て、ウェットコンディションになったので予選で使ったウェットタイヤでスタートしました。思っていた以上に路面の乾きが早く、ミニマム周回でピットインしてドライバー交替し、あとは状況を見守っているだけでしたが、作戦と坪井選手の見事な走りで勝てました。そしてブリヂストンのウェット、スリックタイヤのパフォーマンスに大きく助けられたと思います。これでチャンピオン獲得への弾みがつきました。最終戦も頑張ります」
坪井翔選手「コースコンディションの変化と共に最高のタイミングでドライバー交替してスリックでコースイン。最初は見えない敵との闘いで、ロングスティントになるのでタイヤをマネージしながら走行し、トップに立った時にはピットから<25周>のサインが出されて、長いなと思いましたが頑張ってゴールを目指しました。自分にとって初めてのタイで優勝出来て嬉しいです」
<ブリヂストン MSタイヤ開発部マネージャー:松本真幸のコメント>
「GT500、GT300両クラスで優勝できて最高の結果を得られました。不順な天候、コースコンディションにおいてもウェットタイヤ、スリックタイヤ共に的確に対処でき、優勝チームを支えられました。特にGT500ではトップ7独占を達成できました。カルソニックIMPUL GT-R/BSが最後まで走行できていたら装着車全てが上位独占できたのですが、残念です。残す最終戦に向けて準備を整えて臨み、チャンピオン争いを支えてまいります」
決勝
- 開催日:2017/10/08
- 天候:Cloudy-Fine
- 路面:Wet-Dry
- 路面温度: 36℃ ~ 35℃
- 決勝出走:15
- 完走:14
- (4.554km x 66laps = 300.564km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 37 | 平川 亮/N.キャシディ | BS | KeePer TOM'S LC500 | 66 | 1:42:48.674 | ||||||
2 | 6 | 大嶋 和也/A.カルダレッリ | BS | WAKO'S 4CR LC500 | 66 | +12.121 | ||||||
3 | 17 | 岩澤 優吾/小暮 卓史 | BS | KEIHIN NSX-GT | 66 | +30.120 | ||||||
4 | 38 | 立川 祐路/L.ジャトン | BS | ZENT CERUMO LC500 | 66 | +41.028 | ||||||
5 | 36 | 中嶋 一貴/J.ロシター | BS | au TOM'S LC500 | 66 | +1:08.598 | ||||||
6 | 1 | H.コバライネン /平手 晃平 | BS | DENSO KOBELCO SARD LC500 | 66 | +1:13.029 | ||||||
7 | 100 | 山本 尚貴/伊沢 拓也 | BS | RAYBRIG NSX-GT | 66 | +1:14.712 | ||||||
8 | 64 | B.バゲット/松浦 孝亮 | DL | Modulo Epson NSX-GT | 66 | +1:27.292 | ||||||
9 | 23 | 松田 次生/R.クインタレッリ | MI | MOTUL AUTECH Z | 65 | |||||||
10 | 46 | 本山 哲/千代 勝正 | MI | S Road CRAFTSPORTS GT-R | 65 | |||||||
11 | 8 | 野尻 智紀/小林 崇志 | BS | TGR中ジHSR旭ロードスター | 65 | |||||||
12 | 19 | 関口 雄飛/国本 雄資 | YH | WedsSport ADVAN LC500 | 65 | |||||||
13 | 16 | 武藤 英紀/中嶋 大祐 | YH | MOTUL MUGEN NSX-GT | 65 | |||||||
14 | 12 | 安田 裕信/J.マーデンボロー | BS | カルソニック IMPUL GT-R | 63 | |||||||
- | 24 | 佐々木 大樹/J.P.デ・オリベイラ | YH | フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R | 34 | DNF |