ウェット後ドライ。天候の変化がドラマを生み、終盤に待望の首位に立った立川祐路/石浦宏明(ZENT CERUMO LC500/BS)が優勝
- 開催場所:富士スピードウェイ
- 開催日:2019年05月03日(金) 〜 2019年05月04日(土)
元号が令和となって初めて行われる国内ビッグレース、SUPER GT第2戦。シリーズの中で最も観客を集める5月のゴールデンウィークに行われる500キロレースは、決勝のスタート直前に雨が降り始めてウェットコンディションでレースが始まった。7番手スタートの立川祐路/石浦宏明(ZENT CERUMO LC500/BS)は、序盤にウェットタイヤで一気に順位アップしてトップに立った。しかし雷雨によって一旦レースは中断。その後のレース再開で順位を落とすが、雨が止みコースコンディションがドライに変化しても上位のポジションをキープ。そして、110周レースの99周目にトップに立つと後続を突き放して優勝した。
<予選>
予選Q1は、新しいコンビネーションの平手晃平/フレデリック・マコヴィッキィ(CRAFTSPORTS MOTUL GT-R/MI)がトップタイムを叩き出し、それに2017年のチャンピオンコンビ、平川亮/ニック・キャシディ(KeePer TOM’S LC500/BS)と立川/石浦組が続いた。
Q2に進出した8台中5台がブリヂストン装着車で、決勝の上位グリッドを決するタイムアタックが演じられた。10分間のセッション後半に各車はコースイン。開幕戦でもポールポジションを獲得している松田次生/ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH GT-R/MI)が第2戦でもコースレコードタイムを更新して今季2度目のポールポジションを獲得。2番手には平川/キャシディ組、3番手に佐々木大樹/ジェームス・ロシター(カルソニック IMPUL GT-R/BS)がつけた。上位3台がコースレコードを更新している。
<決勝>
予選は晴天だったが、決勝を前にしてスターティンググリッドに車両が整列、フォーメーションラップを待っている間に雨が降り始めてコースはウェットに変化。各車スリックからウェットタイヤへ交換。セーフティカースタートで2周まで先導、3周目からレースが開始された。2番手スタートのキャシディが一気にダンロップコーナーでトップに立った。しかし、雨の量が増えると7周目にクインタレッリがトップを奪い返した。その背後で7番手スタートの立川/石浦組が毎周順位をアップ、13周目にトップに躍り出た。同じ周に雷を伴った強雨のためにセーフティカーがコースインして先導し2周した15周目で赤旗が提示されてレースは中断。約30分後、雨が止み再びセーフティカースタートで走行開始、19周目にレース再開。立川/石浦組、平川/キャシディ組、そして松田/クインタレッリ組の三つ巴のトップ争いが演じられた。しかし最初のピットインを行うタイミングでコースがドライへ変化して各車はスリックタイヤに交換。平川/キャシディ組が他車と接触して順位を下げ、トップ争いは2台に絞られた。終盤トップのクインタレッリに立川が迫り、99周目にトップに立つと一気に引き離して優勝。2位に松田/クインタレッリ組。3位に12番手から追い上げてきた昨年のチャンピオン、山本尚貴/ジェンソン・バトン(RAYBRIG NSX-GT/BS)が入った。
<優勝ドライバーのコメント>
立川祐路選手「今シーズンはチーム運営が変わって総監督に就任して僕のプレッシャーも大きくなりましたが、開幕戦が悔しい結果に終わったこともあって、今日は絶対に勝ちたいと思っていました。最初から最後まで、本当に気が抜けない展開でした。今日は『レースしたな』という感じです。特に終盤にマシンとタイヤのパフォーマンスによって素晴らしいレースができて、しかも最高の結果で終えることができました」
石浦宏明選手「僕たちは2017年5月の富士で勝ってから2年ぶりの優勝です。その時も立川さんと2人で優勝の喜びを分かち合ったのですが、立川さんも言ったように、今年は2人とも立場が変わってチームを運営する立場もあり、責任も重くなりました。だからこそ、ホームコースであるこの富士で勝ちたい気持ちが強かった。本当に勝てて良かったです」
<ブリヂストン MSタイヤ開発部マネージャー:松本真幸のコメント>
「今回も難しいレースとなりました。レース序盤はウェットで、路面の水の量で順位変動がありました。3スティントのレースで第2スティントから路面が乾いてきてスリックタイヤでの勝負となりましたが、気温、路面温度が低い中でタイヤのウォームアップ、そして、その後の安定性が重要でした。特に最後まで安定したパフォーマンスを発揮した点では優位性を示すことができたと思います。また、3位フィニッシュした山本/バトン組は、一度クラス最後尾に落ちてからの追い上げは素晴らしかったですね。次戦の鈴鹿は、タイヤに対する入力も大きいサーキットです。事前のテストは良い結果が出ていますし、勝利を目指します」
決勝
- 開催日:2019/05/04
- 天候:Rain-Cloudy
- 路面:Wet-Dry
- 路面温度:25℃〜17℃
- 決勝出走:15
- 完走:14
- (4.563km x 110laps = 501.93km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 38 | 立川 祐路/石浦 宏明 | BS | ZENT CERUMO LC500 | 110 | 3:40:46.358 | ||||||
2 | 23 | 松田 次生/R.クインタレッリ | MI | MOTUL AUTECH Z | 110 | 3:41:06.051 | ||||||
3 | 1 | I.O.フラガ/J.バトン | BS | RAYBRIG NSX-GT | 110 | 3:41:31.248 | ||||||
4 | 39 | H.コバライネン/中山 雄一 | BS | DENSO KOBELCO SARD LC500 | 110 | 3:41:32.167 | ||||||
5 | 17 | 岩澤 優吾/B.バゲット | BS | KEIHIN NSX-GT | 110 | 3:41:33.330 | ||||||
6 | 3 | 平手 晃平/F.マコヴィッキィ | MI | CRAFTSPORTS MOTUL Z | 110 | 3:42:02.763 | ||||||
7 | 37 | 平川 亮/N.キャシディ | BS | KeePer TOM'S LC500 | 110 | 3:42:14.377 | ||||||
8 | 6 | 大嶋 和也/山下 健太 | BS | WAKO'S 4CR LC500 | 109 | 3:40:56.919 | ||||||
9 | 8 | 野尻 智紀/伊沢 拓也 | BS | TGR中ジHSR旭ロードスター | 109 | 3:41:14.541 | ||||||
10 | 64 | N.カーティケヤン/牧野 任祐 | DL | Modulo Epson NSX-GT | 109 | 3:41:52.135 | ||||||
11 | 16 | 武藤 英紀/中嶋 大祐 | YH | MOTUL MUGEN NSX-GT | 109 | 3:42:06.632 | ||||||
12 | 12 | 佐々木 大樹/J.ロシター | BS | カルソニック IMPUL GT-R | 108 | 3:41:35.823 | ||||||
13 | 19 | 国本 雄資/坪井 翔 | YH | WedsSport ADVAN LC500 | 107 | 3:41:13.391 | ||||||
14 | 24 | 高星 明誠/J.マーデンボロー | YH | リアライズコーポレーションADVAN Z | 103 | 3:42:07.765 | ||||||
- | 36 | 関口 雄飛/宮田 莉朋 | BS | au TOM'S LC500 | 61 | DNF |