ワンデーレースとなった第7戦は、10番手スタートから追い上げ、セーフティカーのタイミングでトップに立った関口雄飛/中山雄一(DENSO KOBELCO SARD GT Supra/BS)が4年ぶりの勝利
- 開催場所:オートポリス
- 開催日:2024年10月20日(日) 〜 2024年10月20日(日)
九州の熊本県と大分県の県境にある阿蘇外輪山に位置するオートポリスで開催されたオートバックスSUPER GT第7戦は、土曜日のスケジュールが断続的な豪雨と雷、そして雨が止むと濃霧の影響で全く走行できず、予選と決勝が日曜日のワンデースケジュールに変更された。午前に予選、午後に3時間レースの決勝を行い、3度目のセーフティカー(SC)導入のタイミングでうまくトップに立った関口雄飛/中山雄一(DENSO KOBELCO SARD GT Supra/BS)がそのまま首位を守って優勝した。
<予選>日曜日の早朝、8時からの予選は、クラス別に各々30分間のタイムアタックを行ない午後の決勝スターティンググリッドを決定した。土曜日に全く走行できなかったためにぶっつけ本番の予選タイムアタックとなった。天候は曇り、低い気温、路面温度。開始時点では路面状況はハーフウエットという難しいコンディション。山本尚貴/牧野任祐(STANLEY CIVIC TYPE R-GT/BS)のみセッションの開始時点からスリックタイヤでコースイン、他車はレインタイヤを装着していた。コースコンディションが徐々に良くなるにつれ各車はスリックタイヤに交換。路面の変化によってタイムも更新されるアタック合戦の中でポールポジションを獲得したのは松田次生/名取鉄平(リアライズコーポレーションADVAN Z/YH)。2番手に千代勝正/ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH Z/BS)、3番手に大嶋和也/福住仁嶺(ENEOS X PRIME GR Supra/BS)がつけた。
<決勝>午後に行われた決勝は、曇り、コースはドライ。しかし、気温は14度と低く、スタート直後のタイヤウォームアップに気遣うチームが多かった。レースの最序盤はポールスタートの松田/名取組がリードしたが、千代/クインタレッリ組が13周目にトップに立つとその後はブリヂストン装着車が続々と順位アップして上位陣を占めていった。レースが半ばに至る前にGT500クラスのマシンのアクシデントによって2度のSCが導入される荒れた展開となっていた。レース時間の半分、1時間30分を経過した時点では千代/クインタレッリ組がトップ、2位に高星明誠/三宅淳詞(Nittera MOTUL Z/BS)、3位に平峰一貴/ベルトラン・バゲット(MARELLI IMPUL Z/BS)の日産3台がトップ3を形成していた。しかし、再びGT500クラスのマシンのクラッシュよって3度目のSCが導入される直前にピットインして4位まで追い上げていた関口/中山組と高星/三宅組がピットインして義務ピット作業を行い、SC明けで関口/中山組が1位へ躍り出てその後2位にリードを保って優勝。高星/三宅組は2位へ順位アップしたものの千代/クインタレッリ組に抜き返されて3位へ後退した。
<優勝ドライバーのコメント>
関口雄飛選手「予選でもうちょっと前にいる予定だったんですけど、沈んでしまって。脇阪監督が決勝に向けて『方向性を変えよう。こういう方向で行こう』っていうことを言ってくれましたのが良かったです。優勝できたのはクルマが本当に良かったから。そのクルマを作ってくれたチームには感謝しています。開幕岡山戦で2位を獲れたんですが、そこから本当に苦しい時間が長くてチームスタッフもドライバー含めてみんなすごく苦しかったので、今日の結果を得られて非常にうれしいです。同じSupra勢の36号車の決勝の強さを目標にがんばっていて。脇阪監督がアドバイスをくれたものと関係がありそうな感じがするので、それをしっかり次のレースまでに精査すれば、なんか掴み掛けている感じがするので次のレースに繋げられるようにがんばります。」
中山雄一選手「開幕戦で2位を獲ってから、結構辛いレースが続いていました。だんだん周りが(サクセス)ウェイトを積んでいって、僕たちが軽い部類に入ってきたなかでも、ここ数戦前は結果が残っていなくてなかなか厳しい思いをしていました。今日の予選は10番手で全然いい結果じゃなくて、チームとして“またか”っていうような感じでいい雰囲気ではなかったんです。そのなかで今日の決勝はすごく良く走れたんです。スタートスティントの関口選手の走りを見たら、『これは今日、行けるぞ!』というふうに思えました。
2回目の寿一監督のピット戦略の采配がもう完璧で…。采配が完璧なときクルマが遅いことが多かったんですけど(笑)、今日は“采配完璧、クルマも完璧”っていうところでした。昨年オートポリスで抱えていた問題が今日もまた同じように出たのですが、それをしっかり解決して決勝で走れました。昨年もオートポリス、もてぎと同じような悩みがあって結果が残らなかったのですが、今回それをクリアできたというところで、もてぎも同様にクリアできると思います。チャンピオンシップを考えて、強いレースがしたいと思います」
<ブリヂストン MSタイヤ開発マネージャー:山本貴彦のコメント>
「予選、決勝もとても気温と路面温度が低い状況でした。決勝の序盤は、ポールスタートのクルマにリードを許しましたが、それはある面予想していました。タイヤのウォームアップができたら安定したパフォーマンンスを各チーム、各メーカーさんに供給できたと思います。今回も合計4回のSCが入って荒れた展開でしたが、優勝した関口/中山組は、SCの際の采配も絶妙でトップに立って、久々の優勝。おめでとうございました。今回の結果でランキングもかなり接戦となってきているので、残り2戦も全チーム、全メーカーさんに強力なサポートをしてまいります」
決勝
- 開催日:2024/10/20
- 天候:Cloudy-Fine
- 路面:Dry
- 路面温度:21°C〜22°C
- 決勝出走:15
- 完走:12
- (4.674km x 92laps = 430.008km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 39 | 関口 雄飛 /中山 雄一 | BS | DENSO KOBELCO SARD GR Supra | 92 | 3:01'11.604 | ||||||
2 | 23 | 千代 勝正 /R.クインタレッリ | BS | MOTUL AUTECH Z | 92 | 3:01'12.489 | ||||||
3 | 3 | 高星 明誠 /三宅 淳詞 | BS | Niterra MOTUL Z | 92 | 3:01'14.570 | ||||||
4 | 100 | 山本 尚貴 /牧野 任祐 | BS | STANLEY CIVIC TYPE R-GT | 92 | 3:01'15.352 | ||||||
5 | 12 | 平峰 一貴 /B.バゲット | BS | MARELLI IMPUL Z | 92 | 3:01'16.957 | ||||||
6 | 16 | 大津 弘樹 /佐藤 蓮 | BS | ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16 | 92 | 3:01'19.251 | ||||||
7 | 36 | 坪井 翔 /山下 健太 | BS | au TOM'S GR Supra | 92 | 3:01'20.505 | ||||||
8 | 37 | 笹原 右京 /G.アレジ | BS | Deloitte TOM'S GR Supra | 92 | 3:01'21.846 | ||||||
9 | 14 | 大嶋 和也 /福住 仁嶺 | BS | ENEOS X PRIME GR Supra | 92 | 3:01'23.585 | ||||||
10 | 38 | 石浦 宏明 /大湯 都史樹 | BS | KeePer CERUMO GR Supra | 92 | 3:01'23.756 | ||||||
11 | 8 | 野尻 智紀 /松下 信治 | BS | ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8 | 92 | 3:01'26.769 | ||||||
12 | 24 | 松田 次生 /名取 鉄平 | YH | リアライズコーポレーションADVAN Z | 89 | 2:52'21.526 | ||||||
- | 64 | 伊沢 拓也 /大草 りき | DL | Modulo CIVIC TYPE R-GT | 60 | DNF | ||||||
- | 17 | 塚越 広大 /太田 格之進 | BS | Astemo CIVIC TYPE R-GT | 37 | DNF | ||||||
- | 19 | 国本 雄資 /阪口 晴南 | YH | WedsSport ADVAN GR Supra | 22 | DNF |