2024年オートバックスSUPER GT第2戦富士スピードウェイ【GT300クラス】

第2戦は、SUPER GT初の時間レース。3時間の長丁場。今回使えるドライタイヤセット数は6セット。ウエットは7セット。そして、決勝レース中に2回の給油をともなうピットインが義務付けとなった。予選日から7月並みの気温上昇の中で、開幕戦で優勝した堤優威/平良響（muta Racing GR86 GT/BS）は、序盤でトップを争う展開を見せたが、中盤、終盤で順位を上げられずに6位フィニッシュ。初戦2位の蒲生尚弥/篠原拓朗/黒沢治樹（LEON PYRAMID AMG/BS）が今回も表彰台を目指したがブレーキトラブルで下位に。吉田/野中組と小高一斗/中村　仁/根本悠生（apr LC500h GT/BS）が2回のピットインの内、タイヤ交換1回作戦で順位をアップした。

＜予選＞今シーズンから新たなレギュレーションとなったQ1とQ2の合算タイムで決勝のグリッドが決する。GT300クラスは、A、Bの2グループに分かれて予選が行われ、今回はBグループからQ1が開始された。また、各グループのトップ8台がQ2のアッパー(Upper) グループ16台で上位グリッドを決め、各グループのQ1、9位以下がロウアー(Lower)グループとして17位以下のグリッドを決する。また、ロウアーグループのマシンがアッパーグループのタイムを上回った場合は、13位から20位の間で入れ替えが行われる。Bグループ出走の蒲生/篠原/黒沢組は、開幕戦で予選トップ（3ポイント）、決勝2位（15ポイント）によってサクセスウエイト（ポイントの倍数のウエイト）36Kgを積んでいながらグループ2番手、開幕4位の吉田/野中組は、7番手で上位8台のQ2アッパーグループに進出。Aグループでは、開幕戦で予選2番手（2ポイント）、優勝して20ポイントを獲得している堤/平良組は、44Kgを積み、Q1を3番手でQ2のアッパーグループへ。Q2アッパーグループでも蒲生/篠原/黒沢組は4番手、堤/平良組が5番手と好位置につけた。吉田/野中組は10番手。小高/中村/根本組は、ローアーグループでトップとなり、入れ替えシステムによって13番手に繰り上げられて7列目のグリッドから決勝をスタート。ポールポジションは、小暮卓史/元嶋祐弥(JLOC Lamborghini GT3/YH)が獲得した。

＜決勝＞1周目に好スタートを切ったのは堤/平良組。2ポジションアップし、蒲生/篠原/黒澤組も1ポジションアップを果たして3位、4位へ。その後序盤では各々もう1ポジションを上げていた。トップは快調に周回を重ねた小暮/元嶋組で序盤から中盤でトップの座は揺るぎないものとなっていた。ブリヂストン装着車の中では吉田/野中組と小高/中村/根本組がタイヤ交換1回作戦を選択してレースの半ばには一気に順位アップを成功させていた。一方で堤/平良組は、2回目のピットイン以降にペースが上がらず順位アップが難しくなり、小高/中村/根本組の背後を走行することとなった。また、蒲生/篠原/黒澤組は表彰台獲得の可能性が見え始めてきた中盤でブレーキトラブルによって緊急ピットイン。修理してレースに復帰するも大きく順位を下げ、トップから6ラップ遅れでフィニッシュ。吉田/野中組は、一旦2位まで上がったが、残り時間20分で3位にポジションダウンしてゴールとなった。

＜ブリヂストン　MSタイヤ開発マネージャー：山本貴彦のコメント＞
「3時間レースは、距離にして約500キロ。これまで経験している450キロのレースより距離が長くなるので、各スティントの走行距離を考えると、もし1セットのタイヤでダブルスティントを選択した場合には、リスクを背負うことないタイヤの最大距離をチームさんに伝えさせていただき、その中で各チームさんの判断で2台のマシンが一回のタイヤ交換を実施されました。その2台が順位アップ。蒲生/篠原/黒澤組は上位フィニッシュができると思っていただけにトラブルで下位に沈んでしまったのは残念です。供給4台のチームの2台ずつの異なった状況、作戦に対しても対応できるタイヤの供給ができたと判断しています」