
テスト風景
1996年6/5から6/6にかけて鈴鹿サーキットで行われたタイヤテストの様子。
ステアリングを握るのは、ヨス・フェルスタッペン氏である。
使われたマシンは、リジェのJS41/無限ホンダ。

6/5 鈴鹿テストレポート
鈴鹿テストに関するレポート。さまざまなスペックをテストし、ラップタイムと
ドライバーからのコメントを集めていることがわかる。

1
「フロントのグリップが非常に高く、アンダーステアが全く出ない。一方でリアのサイドウォールの弱さを感じ、ムービングするため(コーナー)出口でオーバーステアになる。ブレーキング時にリアロックし、ターン/オーバーしやすい」
「フロントの内圧を+0.1にすると、フロントグリップが若干落ちて、特に高速でリアの安定性が向上する。グリップ変化はほとんどない」
2
「フロント/リアのバランスを取るためにフロントの車高を5mm上げたところ、フロントの剛性感が落ちた感じ。フロント/リアのバランスはかえって良好でこのほうが運転しやすい→ドライバーズベスト」
3
前年にグッドイヤーのタイヤで記録したベストタイム。予選タイムはシューマッハ選手が1.38.023。パニス選手が1.40.838。ベストタイムが1.42.49のブリヂストンは、まだ3~4秒ほど遅れを取っている。
鈴鹿サーキットコーナー車速図
「ドライバーズベスト」の評価である「セット4」を使用し、フェルスタッペン氏が
1.42.97を記録したときのコーナー車速図。ちなみに、翌1997年の日本GPでのブリヂストン勢のトップタイムは、
パニス選手の1.37.037である。

ラップタイムの記録
「セット2」「セット3」「セット4」「セット6」のラップタイムと、
ドライバーからのインプレッションをまとめたもの。
条件の些細な違いによって、ドライバーの印象や、ラップタイムが異なることがわかる。

1.セット2
ベストラップは1.44.92。
「リアのブレーキはロックしやすい。中速コーナー出口のオーバーステアは(午前中のテストと比べて)あまり変わっていない。アンダーステアはなく、レスポンス良好。特にリアのサイドが柔らかく、常に横方向に動いているように感じられる。トラクションはよい。
2.セット4
ベストラップは1.43.00。
「リアの剛性の高さを感じて、スタビリティが高い。高速コーナーでより、安定感がある。若干レスポンスの遅れが大きくなるも、問題はない。
3.セット6
ベストラップは1.42.49。
「車高を4mm上げることにより、フロントの剛性感が落ちた。しかしフロントとリアのバランスはかえってこのほうが良好で運転しやすい。→フロント、リアのロールが一致するフィーリング。