一番速かった石谷豪志が3勝目も、奇跡を連発した関 豊が初の王座に!

  • 開催場所:スポーツランド菅生
  • 開催日:2024年09月01日(日) 〜 2024年09月01日(日)
2024年ロードスター・パーティレースⅢ 北日本シリーズRd.4 NDシリーズ

宮城県のスポーツランドSUGOで9月1日、ロードスター・パーティレースⅢの北日本シリーズ最終となる第4戦が行われました。エントリーは11台だったが、今シーズンのファイナルに相応しい熱いバトルが勃発。NDシリーズはポールの石谷豪志がスタートの失敗を挽回しての快走で3勝目を挙げた。ところが第3戦で予選7位から奇跡の逆転Vを果たした関 豊が、今度は8番グリッドからの準優勝。わずか1ポイント差ながら、王冠は関の頭上に輝いた。

●予選
エントリーはNDシリーズクラスに9台、NDクラブマンクラスに2台の合計11台と、今シーズンでは全シリーズを通じてミニマムの台数になった。ただし、北日本NDシリーズのポイントランキング6位タイまでの上位陣7名は揃って参戦。とくに上位3名によるチャンピオン争いは大接戦で、最後の最後まで目が離せない戦いが展開された。
ちなみに予選・決勝とも、コンディションなどについてはクラブマンのレポートを参照されたい。※クラブマンレポートはこちら
まずはランキング3位からの逆転を狙う117号車の石谷豪志が、1分47秒234という素晴らしいタイムを記録。ピットで待機に入った。ちなみに石谷は開幕2連勝のあと、第3戦は予選アタックの最後にクラッシュして決勝は欠場。それでも最終戦に勝てば、ポイントリーダーの関が2位となるケースを除いてチャンピオンが確定する。これに続いたのがランキング9位の200号車YOSHIKIで、タイムは1分48秒164。石谷の47秒台は少し飛び抜けた印象だが、実はこのYOSHIKIのタイムがライバルたちには高い壁となった。
アタック2周目で1分47秒931を叩き出して、その壁を唯一破ってきたのはランキング2位の16号車・上田純司。2年連続の東日本シリーズ王者だが、今シーズンは未勝利。もちろん表彰台にはほぼ毎回のように立っているのだが、そろそろ勝利が欲しいというのが本音だろう。しかも上田とて、この最終戦で勝てば前述の石谷同様、関が2位にならなければ自力で王座が確定できる状況だった。
結局、ポールポジションは石谷で、上田を従えて最前列から決勝をスタートする。そして3番グリッドはYOSHIKI選手が獲得。これに続いたのがランキング4位の91号車・沢崎祐一でベストは1分48秒244。さらにランキング6位タイの31号車・和光博紀で同じく1分48秒286、ランキング5位の71号車・登坂 紀が1分48秒616で続き、ここまでがグリッド3列目となった。
と、ここまでに名前が出てこない上位ランカーは2名。まずはポイントリーダーの127号車・関 豊にとっては苦しい予選になった。ようやく1分50秒を切ったアタック4周目からペースを上げて、残り3分余りとなった次の周で1分48秒858まで削って7番手まで浮上。ところが、残り1分15秒ほどで、ランキング6位タイのもうひとり、121号車の巳ノ瀬健太が1分48秒692を記録。つまり関は決勝を8番グリッドからスタートすることになった。

●決勝
このスタートではまず、最前列の2台にドラマが起きた。ポールポジションの石谷は激しいホイールスピンで加速が鈍り、1コーナーまで先頭の座を譲り渡す。
一方で上田も痛恨のミス。オールレッドの10灯が点灯してからマシンを動かしてしまい、反則スタートの対象になった。
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後方では8番グリッドの関が見事なダッシュで2台を抜き去り、さらに1台を抜いて5位で1周目を戻ってきた。関の勢いは衰えず、3周目の1コーナーで和光もパスして4位まで浮上する。
オープニングラップではさらに順位が変動した。上田の先行を許してしまった石谷だったが、早くもバックストレートでは背後に食らいついてロックオン。
SPを抜けて最終コーナーから直線に入る段階で自らの加速が勝っていると判断し、ストレートではイン側に進路を変更した。
すると1周目の通過時点で0.140秒も上田に対して先行し、スタートのミスを帳消しすることに成功したのだ。
今回の序盤では、石谷を先頭とする上位3台のペースの速さが目立っていた。つまり上田とYOSHIKIまでで、この3台がそれぞれ1秒以内の僅差で逃げていくのに対して、
3周目終了時点で3位のYOSHIKIと4位の関の差は2.929秒と、かなり大きく水を開けられていた。ところが決勝レースが4周目に入ったあたりで、
上田に対する「(レース結果に)5秒を加算」のタイムペナルティがアナウンスされた。この裁定がチャンピオン争いに大きな影響を与えたのだ。
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第3戦でノーポイントの石谷はこのまま最終戦で優勝すると60ポイントに達するが、ポイントリーダーの関には全4戦でポイントを獲得した場合に与えられるボーナスポイントの恩恵があるため、もしこの最終戦で2位に終わっても合計が61ポイントとなる。もちろん、この時点では関はまだ4位なので、少なくともYOSHIKIは抜かないとチャンスが生まれない。
前述のように3周目終了時点での差は2.929秒だった。次の4周目は2.543秒、さらに5周目は1.947秒となり、6周目に1.176秒となったことで、一気に緊張感が高まった。
このあたりからYOSHIKIのタイヤが厳しい状況に陥った様子で、7周目には0.147秒差と完全にロックオン。
すると関は、8周目のバックストレートで一度アウトから抜くと見せかけてから、馬の背コーナーでインサイドを急襲。ついに3位に浮上した。
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そうなると、あとは2位の上田と3位の関のタイムギャップが運命を決めることになった。
チェッカーの時点で5秒以上のリードがあれば、上田が2位を守るので関の逆転王座は叶わない。
8周目終了時点で、その差は4.434秒と微妙だったが、ファイナルラップを終えてモニターが表示したギャップは4.552秒。これに5秒のペナルティを反映させると、わずか0.448秒だが関が先着で2位となったのだ。
整理するとNDシリーズクラスは石谷が9.626秒という大差で今シーズンの3勝目を達成した。さらに関と上田が前述の順位で表彰台を獲得。今回は規定により4位のYOSHIKIまでが入賞となった。
一方で北日本シリーズのチャンピオンは関となり、以下は石谷が2位で上田が3位。さらに4位が沢崎、5位が登坂、6位が和光という順番でランキングが確定した。
やはり最終戦を戦った実力者たちが、シリーズ表彰の対象となっている。

優勝した石谷選手コメント
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「スタートは失敗したのですが、その周のうちに挽回できましたね。今日は無事に終えることができたのと、自分にできる最大限の結果が得られたので、切り替えてジャパンツアーでまた頑張りたいと思います」
タイヤについて
「今日のコンディションでもペースを維持できて、終盤まで1分48秒台で走れたのはよかったです」

シリーズチャンピオンとなった関選手コメント
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「4位になった時点では正直、ちょっと追いつくのは厳しいと思っていました。ただ200号車の挙動が少しフラフラし始めてから、チャンスかなと思って色々考えて、あの位置での勝負を選択しました。とにかくラッキーでしたね」
タイヤについては
「決勝での使い方も大事だということが改めてわかった一戦でした。ここから先は内緒ですけど……」

パーティレースの次の戦いは9月15日の日曜日に岡山国際サーキットで西日本シリーズの第3戦が、また9月21日の土曜日には茨城県の筑波サーキットで東日本シリーズの第3戦が予定。さらに9月28日の土曜日に、三重県の鈴鹿サーキットでジャパンツアーシリーズの第5戦が初めて開催される。

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レース結果

コース:スポーツランド菅生

[NDシリーズ]

決勝

  • 開催日:2024/09/01
  • 天候:Cloudy
  • 路面:Dry
  • 決勝出走:9
  • 完走:8
  • (3.586km x 9laps = 32.274km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 117 石谷 豪志 BS Bridgestone ダイバパワーラブカロードスター 9 16'28.335
2 127 関 豊 BS Bridgestone 334プロジェクトロードスター 9 16'37.961
3 16 上田 純司 BS Bridgestone 上伸物流 ロードスター 9 16'38.409
4 200 YOSHIKI BS Bridgestone ジャスミン ロードスター 9 16'39.711
5 91 沢崎 祐一 BS Bridgestone DELTAロードスター 9 16'39.768
6 31 和光 博紀 BS Bridgestone KENMoty'sロードスター 9 16'40.030
7 71 登坂 紀 BS Bridgestone Moty'sJFSロードスター 9 16'40.466
8 128 三差 康弘 BS Bridgestone 334プロジェクトロードスター 9 17'23.368
- 121 巳ノ瀬 健太 BS Bridgestone ミノセGCロードスター 5 DNF