【2024年全日本モトクロス選手権 Rd.2 HSR九州大会 IA2クラス】ヒート1では柳瀬大河、ヒート2では阿久根芳仁が、表彰台争いに競り勝って3位！

今季の全日本モトクロス選手権シリーズは、5コースで全8戦を開催。ほぼ全員が4スト250ccマシンで参戦するIA2クラスは、年間18ヒートの決勝が実施される。第2戦は、熊本県のHSR九州で土曜日のワンデースケジュールにより開催。これは、第3戦中国大会の中止に伴う措置で、本来はこの週末に予定されていた第2戦を土曜日のみとし、ダブルヘッダー方式により日曜日には第3戦が設定された。レースフォーマットは第2戦、第3戦とも共通。IA2は公式練習を兼ねた15分のタイムアタック予選、30分＋1周の決勝ヒート1、15分＋1周の決勝ヒート2が実施された。ホンダの熊本製作所に隣接した複合モータースポーツ＆研修施設の一角にあるHSR九州のモトクロスコースは、阿蘇の外輪山を望むフラットな土地に設けられていて、広いコース幅と超ハイスピードレイアウトを特徴としてきたが、2022年の改修によりテクニカル区間が増加。今大会も基本レイアウトは踏襲されたが、各部に仕様変更が加えられ、全体としてはコース幅が狭くなり、コーナーはフラットにセッティングされていた。本来の土質は阿蘇の噴火に由来する黒土だが、近年は山砂を搬入しながらメンテナンス。ただし今大会は、サンド質が目立つ区間はほぼなかった。土曜日の天候は曇り時々雨。昼頃に雨が降り始め、一時的に強めに降る時間帯もあったが、路面に与える影響はそれほど大きくなく、固い路面が濡れて滑りやすいセクションがあったものの、マディにはならなかった。

■決勝ヒート1
ブリヂストン勢は、#5 池田凌（Kawasaki,BS）が4番手、#2 横澤拓夢（Honda,BS）が6番手、#6 柳瀬大河（Honda,BS）が7番手からのレースに。1周目には横澤、翌周には柳瀬が西條悠人（Kawasaki,DL）を抜き、4周目には柳瀬と横澤が順位を入れ替えた。この段階で上位勢は後続を離して7番手までが縦に長く続き、この中で池田と柳瀬と横澤が4～6番手。8周目には柳瀬が池田の攻略に成功し、翌周には横澤も池田に接近した。10周目、柳瀬は3番手を走る田中淳也（Yamaha,DL）との距離を詰めて接近戦に。また、この柳瀬からやや遅れ始めた池田を、横澤がパスした。11周目、柳瀬は田中の攻略にも成功して3番手にポジションアップ。今度は3～4秒先行する鴨田翔（Kawasaki,DL）を追った。レース終盤、柳瀬と前を走る鴨田の距離は大きく変わることなく、レースは17周でチェッカー。柳瀬は3位で表彰台に登壇した。横澤も、最後まで田中に近づけず5位。約4秒遅れて池田が6位でフィニッシュした。

■決勝ヒート2
#13 阿久根芳仁（Kawasaki,BS）がスタート直後に#5 池田凌（Kawasaki,BS）らを抜き、1周目を2番手でクリア。池田が5番手、#2 横澤拓夢（Honda,BS）が6番手、出遅れた#6 柳瀬大河（Honda,BS）は11番手で1周目をクリアした。2周目、池田は7番手まで順位を落とし、横澤は5番手に浮上。翌周、阿久根は中島漱也（Yamaha,DL）の先行を許して3番手に後退し、その2秒後方には鴨田翔（Kawasaki,DL）のパッシングに成功した横澤が迫った。4周目に入ったところで池田は転倒を喫して、上位勢から完全に脱落。この周に真野凌輔（Gasgas.BS）を抜いた柳瀬が7番手となった。レース後半、上位勢は6番手の森優介（Honda,BS）までが10秒以内に収まる混戦。終盤にかけて7番手の柳瀬が田中淳也（Yamaha,DL）を引き連れて森に近づき、9周目のラストラップは8台による接近戦となった。しかし最後まで順位に変動はなく、阿久根が3位、横澤が4位、森が6位、柳瀬がトップと約8秒差の7位となった。

●柳瀬大河（決勝ヒート1／3位、ヒート2／7位）
「ヒート1は、それほど出遅れたわけではないとはいえ完璧なスタートではなく、7～8番手からのレース。とはいえ、ここは好きなコースで、朝のタイムアタック予選ではトップとなるなど調子も良く、しかもレース時間は30分あったので、しっかり追い上げることができました。昨年ならそのまま沈んでしまいそうなところを、しっかり追い上げることができ、シーズンオフにやってきたことが間違っていなかったとあらためて実感しました。ヒート2は、さらに出遅れてしまい、その後は雨の影響によりスリッピーでラインが限られている中でうまく追い上げられず、周囲のペースに飲まれてしまいました。レース時間も15分と短く、前に詰まって追い上げ切れずに終わってしまいましたが、土日ダブルヘッダーの重要な週末の初日を、大きく落とさず追われたことは悪くなかったと思います。イヤは、迷うことなく前後とも軟質路面用のBATTLECROSS X20。スタート直後のストレートも含め、全体的に固い路面だったので、決勝は雨の影響で路面が濡れていたとはいえX20以外の選択肢はあり得ませんでした」