1997年3月、オーストラリア・メルボルン。
そこから始まったのは、興奮と感動に満ちた長い旅だった。
グッドイヤーとのコンペティション、
F1を支えるというプライドとともにあったワンメイク、
そして永遠のライバル、ミシュランとの丁々発止の戦い。
そうして歩んできた旅は、2010年11月のアブダビで幕を閉じた。
14年の間に起こった、数々の出来事。そこに込められた想い。
「多くの方と代えがたい信頼関係を築くことができた」と、
モータースポーツ推進室長の安川ひろし。
「ベストレースは、2000年ベルギーGPのミハエルとミカのバトル」と
レーシングスピリットあふれる思い出を語るのは、浜島裕英。
2人はもちろん、携わった多くのエンジニアやスタッフの中に、
それぞれのF1があり、ブリヂストンのスピリットがあった。
ここではそんな彼らの想いに耳を傾けながら、14年間の戦いを紐解いていきたい。