ジムカーナとは、舗装路面にパイロンなどで設定されたコースを1台ずつ2回に分けて走行し、ベストタイムを競うモータースポーツのことで、ターンやスラロームを速く走る為の運転技術、タイムをロスしない走行ラインの取り方といった戦略が必要である。日本では1960年代から盛んに行われるようになった。当初は広場や駐車場などにコースを作って競技が行われていたが、1980年代以降になると専用コースが全国各地にできるようになっていった。
参加型スポーツの入門カテゴリーとしてジムカーナが選ばれるのは、1回の走行が60秒前後、1台づつ走るので接触などのリスクが低い、一般に販売されている車両で競技を行う事ができる、また地区戦、県戦、など参加ドライバーのレベルに合わせて競技会が開催されているというのも理由にあげられる。
しかしジムカーナ選手権最上位クラスの全日本戦ともなると、60秒前後の複雑なコースで1/1000秒を争う世界で行われており、熱い戦いが繰り広げられている。

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モータースポーツは、野球やサッカーといった他のスポーツとは異なり、どうしても道具(つまり、クルマやタイヤなど)にお金がかかる。レースに参戦するだけでもそうだが、そこで勝とうと思えばなおさらだ。その点ジムカーナは、ライセンスさえ取得すれば、自分のクルマで誰でも参加でき、多くの場合は改造範囲が限られているので、テクニックを磨くことで勝つことも可能である。また2021年から2ペダルクラスが新設され2ペダル車(AT車、CVT車など)も本気で競技ができる環境となった。2ペダルクラスが新設された事で車種も軽自動車から輸入車まで幅広くなり、更にジムカーナは非常に身近なモータースポーツになったと言える。

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そのような気軽さもあって、現在日本国内では数多くのジムカーナ競技会が開催されている。そして、その頂点に位置するのが、全日本ジムカーナ選手権である。

ブリヂストンと全日本ジムカーナ選手権

ブリヂストンが全日本ジムカーナ選手権にかかわり始めたのは、1992年のこと。タイヤ開発や有力選手へのサポート、現場でのタイヤ組み換えサービスなどを行うようになった。そうしたブリヂストンの地道な取り組みが、多くのドライバーやショップの方に受け入れられ、チャンピオン獲得に貢献してきた。
ブリヂストンのタイヤが受け入れられる理由はどこにあるのか?
整備されたサーキットで行われるレースと違い、ジムカーナは駐車場からレーシングカートコースまで、さまざまな路面条件下で開催される。さらに真冬のウェット路面や真夏の高温状況など、コンディションも多種多様だ。そのような状況下で、ブリヂストンのタイヤはできるだけ特定の使用条件に「特化」させず、オールラウンドで高いパフォーマンスを発揮することを目指しているのだ。
また、10人のドライバーがいれば10通りのドライビングスタイルが存在する。ある限られたスタイルのドライビングでしかパフォーマンスを発揮できないタイヤでは、ブリヂストンが送り出す市販のモータースポーツタイヤとは言えない。路面温度、路面状況を問わず性能を発揮することができ、しかも誰もが「乗りやすい」タイヤであること。これこそが、ブリヂストンの目指すものである。

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2023年シーズンの見どころ

今シーズンは全7回の大会が予定されている全日本ジムカーナ選手権。車両のクラス分けが大幅に変更となる。
2023年シーズンのクラス分けは以下の通り

P・AE1クラス(PE1) 電気式駐車ブレーキが装着されたP・AE車両
P・AE2クラス(PE2) 自動変速機付の車両で2輪駆動のP・AE車両
PN1クラス(PN1) 1500cc未満で前輪駆動のPN車両
(FIA/JAF公認発行年またはJAF登録年が2018年1月1日以降の車両)
PN2クラス(PN2) 1500cc未満で後輪駆動のPN車両(FIA/JAF公認発行年またはJAF登録年が2007年1月1日以降の車両)
PN3クラス(PN3) 1500cc以上で2輪駆動のPN車両(FIA/JAF公認発行年またはJAF登録年が2007年1月1日以降の車両)
PN4クラス(PN4) 4輪駆動のPN車両
(FIA/JAF公認発行年またはJAF登録年が2007年1月1日以降の車両)
B・SC1クラス(BC1) 前輪駆動のB・SC車両
B・SC2クラス(BC2) 後輪駆動のB・SC車両
B・SC3クラス(BC3) 4輪駆動のB・SC車両

今年もこれまで同様のサポートをブリヂストンは行っていく。
ドライバーの布陣はシリーズチャンピオンを22回獲得し通算129勝している山野哲也選手が昨年同様アルピーヌ・A110SでPE1クラス(電気式駐車ブレーキ装着は)に参戦。
昨年8戦8勝と圧倒的な速さを見せたユウ選手も車両は変わらずマツダ・ロードスターRFでPN3クラスとなりトヨタGR86やアバルト124スパイダーなどと同じクラスで戦う事になる。
悲願のシリーズチャンピオンを獲得した小林規敏選手も車両は変わらずマツダ・ロードスターでPN2クラス。
そしてSCクラスで昨年シリーズチャンピオンを獲得し、通算100勝を達成した菱井将文選手は車両をトヨタGRヤリスに変更しBC3クラスで参加する。

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2023年のカレンダーは以下の通りで7大会(8戦)となる。※第7大会九州ラウンドは中止が決定しています

開催日 大会名称 開催場所
1 3月26日 2023年JAF全日本ジムカーナ選手権第1戦 モビリティリゾートもてぎ南コース
2 4月15~16日 2023年JAF全日本ジムカーナ選手権第2戦 スポーツランドTAMADA
3 6月3~4日 2023年JAF全日本ジムカーナ選手権第3戦 名阪スポーツランドCコース
4 6月23~25日 2023年JAF全日本ジムカーナ選手権第4戦 オートスポーツランドスナガワ ジムカーナコース
6月23~25日 2023年JAF全日本ジムカーナ選手権第5戦 オートスポーツランドスナガワ ジムカーナコース
5 8月5~6日 2023年JAF全日本ジムカーナ選手権第6戦 ハイランドパークみかわ ジムカーナコース
6 8月26~27日 2023年JAF全日本ジムカーナ選手権第7戦 スポーツランドSUGO 国際西コース
8 9月30~10月1日 2023年JAF全日本ジムカーナ選手権第9戦 鈴鹿サーキット 南コース

タイヤについて

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全日本ジムカーナ選手権で使用しているタイヤは誰でも購入することができる市販タイヤであり、一般道を走ることも可能となっている。
2023年からPEクラスとPNクラスのタイヤ規則が変更となり「POTENZA RE-71RS」に、BCクラスは昨年から変わらず「POTENZA RE-12D TYPE A」と「POTENZA RE-11S」のどちからかを使用している。

※掲載銘柄以外のタイヤも使用可能です。詳細は規則をご確認ください。

全日本ジムカーナではタイヤウォーマーなどを使用してタイヤを温めることが禁じられているため、気温が低い状態でもスタート後すぐにグリップを発揮できるタイヤになっている。また1本目と2本目でタイヤ交換をするとペナルティが課せられるため、DRYでのグリップはもちろん、急な雨にも対応して高いパフォーマンスを発揮することが求められる。

製品紹介ページ
POTENZA RE-71RS
https://tire.bridgestone.co.jp/potenza/re71rs/
POTENZA RE-12D TYPE A
https://tire.bridgestone.co.jp/potenza/re12d/index.html
POTENZA RE-11S
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