ドライバーズとコンストラクターズ両タイトルを獲得したマクラーレンチーム。 1998年シーズンを席巻した最強のコンビネーションだ。

 

がスタート直前にエンジンストップ、スタートがやり直され、2回目のスタートを固唾を飲んで待っていたその瞬間に何と今度はポールポジションのシューマッハ選手がエンジンを止めてしまったのだ。再びスタートやり直しとなり、レギュレーションによって彼は最後尾から決勝レースをスタートすることとなった。そして3度目のスタートが切られ、ハッキネン選手はトップに立つや、2位以下を引き離す快走を見せた。シューマッハ選手の猛追も素晴らしく、1周目に早くも中段の12位まで順位を上げ、その後もグングン順位を上げてトップ10内へ進んだ。そして3位まで順位を上げてなおも追撃を続けていたそのとき、32周目に入ろうとしていたストレートで突然のタイヤトラブルが発生、そのまま彼は力無く2コーナーのインフィールドにマシンを止めた。劇的なチャンピオン争いの幕切れだった。

 ライバルの戦線離脱を確認したトップのハッキネン選手は、その後も手を緩めることなく力走を見せた。そしてトップでゴールするや、これまでに見せたこともないオーバーアクションで勝利をアピールし、18万人のファンの前でウィニング・ラン。ゆっくりとサーキットを1周した後、パルクフェルメ(車両保管場所)ヘ。そこにはこのレースの勝利と王座獲得の祝福のために、ライバルのシューマッハ選手がハッキネン選手を待っていた。固い握手を交わす二人、そしてハッキネン選手は一緒にシーズンを闘ってきたスタッフの輪に消え、やがて表彰台に姿を現し、暮れゆく日本の空に拳を突き上げた。
 惜しみないファンからの祝福の拍手、ちぎれんばかりに振られる多くのフィンランド国旗、歓喜に狂ったようなメカニックの声。その傍らでそれを支えてきたブリヂストンのスタッフが静かに表彰台を見上げていた。メルボルンの開幕

BRIDGESTONE MOTORSPORT