1997年第11戦のハンガリーでデイモン・ヒルがトップを快走した。

 

の開発技術と生産技術がそれを現実のものとした。この2レースの結果以上にインパクトを与えたのが第5戦のモナコだった。
 ご存知の通り、モナコは伝統の公道を用いたレースだ。当然のように事前のテストを行うことなどできず、新参者にとっては不利な要素が多いサーキットだった。そして天候は雨。だが、このウェットコンディションを恵みの雨と信じていたのだった。ブリヂストンユーザーにとってドライコンディションよりもウェットコンディションの方がライバルとの差をつめる自信があったのだ。また、状況によってはそれを凌駕することも不可能ではなかった。ウェット路面用タイヤはグッドイヤーに対してグリップ性能が大きく優れていると確信していたからだった。
 悪コンディションは福と転じ、ブリヂストンユーザーであるスチュワートのルーベンス・バリ

チェロ選手がシューマッハ選手とアーバイン選手のフェラーリ2台に割って入り2位でゴールしたのだ。そして、ブリヂストン装着全ユーザー8台のうち、4台がトップ10内でフィニッシュするという大活躍を演じた。
 続く第6戦のスペインは、モナコと打って変わって灼熱のハードレースとなった。ここでもパニス選手が快走、優勝したジャック・ビルヌーブ選手を終盤追いつめてあわやブリヂストンに初優勝をもたらすかという素晴らしいレースを披露してくれた。気温30度近く、路面温度はそれから10度以上も高い状況下で抜群の耐久性能を発揮したのだ。「最後の最後までグリップ性能が落ちることはなかった。」とパニス選手はコメントしてタイヤを讃えてくれた。この時点でパニス選手は、ドライバーズランキング3位につけるというチームにとっても、そしてブリヂストン

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