全日本ロードレース開催時に私達が行っているタイヤサービス業務を紹介します。
全日本ロードレース選手権シリーズ 第４戦は茨城県 筑波サーキットで開催。
このレースでは全日本ロードレース トップカテゴリーであるJSB1000クラス開催されず、ST1000・ST600・J-GP3の３クラスと併催レースとなるJP250クラスが開催。
このレースでブリヂストンはワンメークレースとなっているST600クラスとコンペティションのJ-GP3クラスにタイヤを供給しています。
土曜日は朝の予選からあいにくの雨となってしまいましたが、午後の決勝レース１では雨にもかかわらず激しいレースが展開。
そのレースの足元を支えるタイヤのサービス業務を少しご紹介します！
午前中にST600クラスの予選が行われ、コンディションはWet。ライダー全員はWetタイヤで走行し、決勝レースのスタートグリッドが決定。このレースは2レース制となっているので、各ライダーのベストタイムがレース1、セカンドタイムでレース2のグリッドが決定します。
予選が終了し、決勝レース１スタートまでは約3時間。チームはタイヤウォーマーを使ってタイヤを温める時間が必要ですので、グリッドに向けてコースインする1時間前までにはタイヤを交換しなければいけません。
一部のチームはすでに決勝レース向けのタイヤは組込済みですが、一部チームは急いでタイヤを交換します。
サーキットによってはサービスガレージがあり、そこで作業を行いますが、筑波サーキットのガレージは広さが足りないのでテントを使用してサービス業務を行ないます。
チームがBSサービスに持ってくる方法は色々あり、タイヤスタンドや台車に積んだりして各チームが持ってきてもらい、ここからタイヤ交換が開始します。
まずはバルブの中に入っているコアを外して空気を抜きます。タイヤはチューブレスですので、タイヤのビード部はホイールのリム部分にガッチリはまっています。これをビードブレーカーと呼ばれるプレス機でビード部をリム部分から外す作業から始めます。
この後はホイールをタイヤチェンジャーのフランジに固定。マウントアームと呼ばれる支柱をホイールにセットし、タイヤレバーを使ってタイヤビード部をアームの先に載せます。この後はタイヤチェンジャーのフランジを回転させてタイヤをホイールから外していきます。タイヤチェンジャーにセットした際の上側を外した後、同じ作業で今度は下側を持ち上げて、回転させてホイールから完全にタイヤを外していきます。
この後はタイヤを組んでいく作業に入ります。タイヤが組んだ後、リム部にきれいにフィットさせる為にビード部に滑りやすくするクリームを塗布してタイヤを組んでいきます。
作業としてはタイヤを外す時とほぼ同じ作業ですが、マウントアームにタイヤビード部の載せ方が外す時と違ってて、チェンジャーのフランジを回転させるとタイヤがホイールリム部の内側に入っていきます。
この時、タイヤを組みやすくする為にタイヤビード部をホイール内側の凹部に行くようにタイヤサイド部を押しながらフランジを回転させていきます。
これを下側、上側の順で組んでいき、この作業でタイヤはホイールの中に入りました。
この後は空気を充填してタイヤをホイールリム部にフィットさせます。ブリヂストンでは安全に作業を行う為に、この空気充填作業は自動インフレーターを使い、ゲージの中で空気を入れていきます。タイヤビード部がリム部にフィットする時はタイヤの内圧を高圧にしてフィットさせて「パン！」と音がしてタイヤとリムがフィット。この後、内圧を調整してバルブの中にコアを入れます。
タイヤをホイールに組み込んだ後は、バランサーでタイヤを回転させて振れを確認。マシンのクラス別にフロント用・リア用、またメーカーによってアクスルシャフトの径が違うので、その径に合わせてバランサー用のシャフトを数種類用意しています。
バランサー上で最も軽い部分が上に来るので、そこに必要なウエイトを調整してホイールに貼付けます。バランスウエイトは両面テープで貼付けますが、飛散防止用に上からガムテープを貼ります。
以上でタイヤの組換え作業は完了。これらの作業時間は約10分程ですが、多い時にはかなりのタイヤ本数を組み替えますので、スタッフ達も数時間連続で作業を行う時もあります。
全日本ロードレース選手権 第4戦 筑波大会1日目の土曜日は雨のレースとなりました。その裏側でこれらの作業を行い、レースをしっかり支えているブリヂストンスタッフの作業を紹介させて頂きました。
サーキットへ観戦にお越しの際には、ブリヂストンサービスガレージの作業風景をのぞき込んでみて下さい。
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