【SIDE STAND PROJECT】「障がいがあっても、オートバイに乗れる」「オートバイにチャレンジできる」

サイドスタンドプロジェクト(SSP)は、元ロードレースライダーで現在オートレーサーとして活躍する青木治親(あおき・はるちか)さんが代表理事を務め、事故などで車椅子、義手、義足になられたパラモトライダー、また障がいを持つ一般の方たちに「バイクに乗る楽しさを」と、バイクに乗れるようサポートし、支える人と支えられる人が共にバイクを楽しめる環境をつくる活動をしています。ブリヂストンも企業パートナーとしてバックアップしています。
6月13日に開催された今回は、理事の青木治親さんのホームコースである川口オートレース場で開催されました。初参加のパラモトライダーが3名、ボランティアも10名を含めてたくさんのスタッフが活動を支えてくれました。また川口オートレース所属の小原望選手もボランティアとして参加しました。


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パラモトライダーの体験走行の参加費は無料、専属理学療法士による参加者カウンセリングを行い、その日の体調をチェックします。その後、バイクに乗るための安全装備を装着します。バイクは、ギアチェンジやブレーキを「ハンドシステム」で操作、片手操作のクラッチ・ブレーキ対応、ビンディングシステムで足を固定などの工夫がされています。装備の装着に始まり、バイクに跨ってベルトで固定したり、ビンディングで足を固定するなど、またその間身体を支えたりをボランティアの方々が行います。ボランティアは初めての方でも戸惑うことがないように当日パラモトライダーを迎える前に講習をし、ベテランスタッフとチームを組んで活動することで安全に取り組むことができます。


2.jpgライディング指導は青木治親さんの兄の宜篤さん。ヘルメットに装着したインカムから指示を聞きとりバイクを操作していきます。


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1番手で体験走行を行った岡さんは2年前にバイクの事故で脊椎損傷(両四肢麻痺/難聴)最初は補助輪に頼っていましたが、感覚を取り戻すと自然とまっすぐ安定して走行。握力がすくないので手を震わせながらも、補助輪の角度をもう一段階アップして走り切りました。
「退院して半年になります、バイクに乗りたくてしょうがなかった。乗っていたころを思い出しました。まだ自分の足りないところがいっぱいありますが、筋肉つけて練習して、バイクに跨って走りたい」


岡さんアップロード.jpg


視覚障害の渡辺さんは、これまでSSPを何度も見学に来ていて、初の走行体験になりました。視力に障害があっても、インカムによって相互コミュニケーションを取ることができます。青木宜篤さんのコーチングで、オートバイの動きを感じながらハンドルを操作し、ボランティアに支えられて何往復もしました。


渡辺さんアップロード.jpg


普段からハンドサイクルを愛用する清野さんは、10代からバイクに乗っていましたが、突然の病気で麻痺になってしまったそうです。パラ柔術にも取り組んでいる清野さんは体力とバランスもよく、補助輪の最終段階まで進みました。
「バイクは10代から乗っていまして、通勤でも使っていました。川口市民ですので、こういう機会でもなければ乗れないので、とても楽しかったです。また機会があればチャレンジしてみたいです。」


清野さんアップロードv2.jpg本日ラストを飾ったのは両下肢麻痺の千羽さん。午後の一番暑い時間帯での体験、最初はふらつく場面もありましたが、沢山のボランティアに支えられ、走行を繰り返すうちに緊張もほぐれて笑顔になっていきました。


千羽さんアップロード.jpg

SSPを支える要、ボランティアのみなさんの声です


今回ボランティアとして初参加の、川口オートレース場所属のオートレーサー小原望さん「障がい者の方に、乗っていただくということで、最初はイマイチ感覚が分からなかったのですけど、やってみたら乗るヒトも補助をする人も笑顔で、変な意味じゃなくお祭りのような感覚で楽しく、これが広く長く続けばいいと思いました。1回だけじゃなくまた次も、個人的にも参加していきたいと思います。」


小原さんssp1 (83).jpg


ご自身も600CCのバイクに乗り、ボランティアは4回目という、うみさん
「人がやりたいことをやって楽しそうにしているのを見るのが凄く好きなんです。この活動に参加するとそれを見られるのが良くて参加しています。自分自身は何もできないし、手伝っているというよりは教えてもらうことの方が多いですが、バイクに乗れる人も乗れない人も、乗っていたひとも乗りたい人も、みんな一緒に楽しめる空間だと思って、いつも楽しませてもらっています。」


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イベント終了後、ご厚意で川口オートレース場の中を見学する機会を設けていただきました!普段は外から眺めることしかできないオーバルコース上で現役選手の解説を聞きながら、仲良くなった参加者同士、思い思いにコースを堪能しました。


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代表理事・青木治親さん
「SSPの活動を続けて6年目になり、実績が評価され川口市に後援いただき、自分のホームコースである初の川口オートレース場での開催ができたことに大変嬉しく思います。都心に近い開催ということもあり、ボランティア参加者も多く来ていただきました。今回もみなさんの力のおかげで、事故もなく無事に活動を終えたことは我々にとっても大きな前進になっています。僕らが子供の頃から乗ってきたオートバイという乗り物が、危ないものじゃなく楽しいものだと体感して欲しいし、オートバイにも乗れるんだから何でもできるんだということを、障がいを抱えている人に届けたい。これをきっかけに川口市の方もまたここで開催するときはぜひ参加してもらいたいです。少しずつの広がりでしかできませんが、皆さんの協力があればきっとかなうことがたくさんあります。これからもSSPの活動を応援していただければと思います。」


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障がいのある人にも、オートバイに乗る喜びを感じてほしい。誰かの支えがあれば不可能ではないこと、やりたいことを諦めずに挑戦できる環境を、またチャレンジする人たちを傍で支えるボランティアの輪を広げて誰もが他人を思いやり助け合いの心を持つ、オートバイのサイドスタンドのような活動にこれからもご注目ください!


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そして今年も開催!
やるぜ!!箱根ターンパイク2025
開催日程:10月18日
開催場所:ターンパイク箱根
Side Stand Projectの一大イベントです!


また他にも様々な場所でSide Stand Projectを開催しています。
ぜひ皆様の応援、参加をお待ちしております!!
https://ssp.ne.jp/index.html




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