• 開催場所:オシャースレーベン
  • 開催日:2018年06月09日(土) 〜 2018年06月09日(土)
JGO_3723.jpg

 FIM世界耐久選手権(EWC)の第5戦、オシャスレーベン8時間耐久レースがドイツ北部のモータースポーツアリーナ・オシャスレーベンで開催された。年間チャンピオン争いでチームランキング首位に立っている日本のF.C.C. TSR Honda France、そして前戦スロバキアリンク8時間耐久レースで優勝したオーストリアのYART-YAMAHAの2チームが、ブリヂストンからのフルサポートを受けての参戦。両チームとブリヂストンにとって、7月の鈴鹿8時間耐久ロードレース(8耐)の前哨戦であるとともに、F.C.C. TSR Honda Franceにとっては年間チャンピオン獲得に向けた重要な一戦。またこの2チームに加えて、MERCURY RACING他計3チームがブリヂストンの市販レーシングBATTLAXを装着して今大会に参加した。

JGO_0806.jpg

 木曜日に行われた予選1回目。F.C.C. TSR Honda FranceEは、ジョシュ・フック、フレディ・フォレイ、アラン・ティシェの3選手が、ともに1’27.2を切る好走で見事暫定ポールポジションを獲得。YART-YAMAHAも予選暫定5番手を獲得して、ブリヂストン勢にとって素晴らしい初日となった。
 しかし翌金曜日の予選2回目、両チームは決勝レースに向けてタイヤを温存するため、敢えて予選タイムの更新を狙わない作戦に出た。YART-YAMAHAは予選2回目に3選手(ブロック・パークス、マービン・フリッツ、マックス・ノイキルヒナー)ともコースインしないことを、セッション開始前に決定。F.C.C. TSR Honda Franceは、F.フォレイが車両セットアップ用データ採取のために1周のみ走行、A.ティシェは中古タイヤでの練習走行に徹し、J.フックは一度もコースインせずにセッションを終えた。この結果、予選2回目でタイム更新したGMT94 YAMAHA(DL装着)にポールポジションを譲ることとなったが、F.C.C. TSR Honda Franceは2番手・YART-YAMAHAは7番手から、それぞれ決勝レースに臨むこととなった。

JGO_3233.jpg

 迎えた決勝日はレースウィーク中では比較的涼しいコンディションとなり、気温/路面温度=28/46℃の晴天の元、予定通り13:00に決勝レースがスタートした。第1スティントは、中段以降の車両の転倒クラッシュで2回もセーフティーカー(以下SC)が導入される荒れた展開。F.C.C. TSR Honda FranceのF.フォレイとYART-YAMAHAのB.パークスは序盤でそれぞれ3位・6位に着け、トップを走るSuzuki Endurance Racing Team(DL装着,以下SERT)から離されないように周回を重ねる。43周目、GMT94 YAMAHAとYART-YAMAHAが同時に1回目のピットストップ。F.C.C. TSR Honda Franceは1回目のピットストップを46周目まで引っ張り、これがF.C.C. TSR Honda Franceのレース戦略の伏線となった。
 第2スティント序盤、SERTがコースオフ・転倒し、何とかピットに戻って修理後にコース復帰するも優勝争いからは脱落。ピット作業が速いGMT94 YAMAHAが代わってトップに立ち、順位を上げてきたF.C.C. TSR Honda FranceとYART-YAMAHAがこれを追う展開。GMT94 YAMAHAとYART-YAMAHAは、第2スティントも同時にピットイン(83周目)。F.C.C. TSR Honda FranceのJ.フックは粘りに粘って91周目にピットインして、再びF.フォレイがコースイン。F.C.C. TSR Honda France の作戦が、”ライダー2人(F.フォレイとJ.フック)交代でセオリーより1回少ない6回ピットイン”であることが見えてきた。さらに第4スティント序盤の133周目、トップの座を固めつつあったGMT94 YAMAHAが、ライトを適切に点灯させていなかったためにSTOP&GOペナルティー。これで俄然、F.C.C. TSR Honda FranceとYART-YAMAHAにとって有利なレース展開となり、149周目からはトップF.C.C. TSR Honda France・2位YART-YAMAHAのブリヂストン勢1-2体制となった。
 165周目にYART-YAMAHAの第5スティントを引き継いだM.フリッツだったが、順調に2位走行中の181周目に冷却系トラブルからコーナリング中に転倒。出火したマシンの火を消し何とかピットまで戻ったが、チームは修理を断念しリタイア。これにより、トップF.C.C. TSR Honda France・2位GMT94 YAMAHAのトップ2のオーダーが確立し、F.C.C. TSR Honda Franceはシーズン2勝目に向けて順調に周回を重ねた。

0009595_8_H_Oschersleben_2018.jpg

 レース残り1時間5分となった271周目、F.C.C. TSR Honda Franceは6回目の、そして今日最後のピットストップを終えF.フォレイがコースイン。GTM94 YAMAHAの最後のピットストップは282周目で、コース復帰時点で2位ながらトップF.C.C. TSR Honda Franceからは1周遅れ。レース残り19分、事故車両処理で今日3回目のSCが導入され、SCの真後ろにトップF.C.C. TSR Honda France、さらにそのすぐ後ろに1周遅れの2位GMT94ヤマハ・3位TEAM SRC KASAWAKI(PI装着)という隊列。残り11分でSC解除となると、トップF.C.C. TSR Honda Franceは、1周遅れのGMT94 YAMAHAとTEAM SRC KAWASAKIに道を譲って同一周回に復帰させ、激しい2位バトルに巻き込まれるリスクを避ける。最後はクルージングとなったF.フォレイの駆るF.C.C. TSR Honda Franceが、312周目のコントロールラインでチェッカーフラッグを受けて見事今期2勝目。さらに最終周2位争いでTEAM SRC KAWASAKIに抜かれたGMT94 YAMAHAが3位フィニッシュとなったため、F.C.C. TSR Honda Franceはチャンピオン争いのライバルGTM94 YAMAHAに10点差で、最終戦鈴鹿8耐に臨むこととなった。 
 ブリヂストン市販レーシングBATTLAXを装着したMERCURY RACINGは、レース序盤からシングル順位を堅実に走行。70周目の転倒後に修理のために長いピット作業を強いられたが、コース復帰後も粘り強い走りを披露。結果14位フィニッシュでポイントを獲得し、チームランキング5位を守った。


【FIM-EWCチームランキング(第4戦オシャスレーベン8時間耐久レース終了時点)】
 1位 F.C.C. TSR Honda France 146点
 2位 GMT94 YAMAHA 136点
 3位 Honda Endurance Racing 109点
 4位 WEPOL RACING by penz13.com 81点
 5位 MERCURY RACING 70点

0009367_8_H_Oschersleben_2018.jpg

●藤井正和 – F.C.C. TSR Honda France 総監督
『EWC最終戦の鈴鹿8耐、F.C.C. TSR Honda Franceは世界チャンピオンを目指して参戦します。そのためには我慢する部分や抑える部分もあるでしょう。我慢したり抑えたりの姿勢でレースに臨むのは自分の性格に合わないかもしれませんが、綺麗事でチャンピオンにはなれません。チャンピオンになるためには何だってするつもりでいます。これからも、鈴鹿8耐で感じる圧倒的なブリヂストンの強さ・速さを、ヨーロッパのサーキットでも発揮できるように、タイヤ開発においてブリヂストンと一緒になってやっていきたいです』


●青木信治 – ㈱ブリヂストンMCタイヤ開発部長
『昨シーズンのここオシャスレーベン8時間の結果で、低μ路面でのフロントタイヤの旋回性に課題があると認識しました。そのためにフロントタイヤの改良したスペックを持ち込み、課題だった部分を大幅に改善することができました。8時間の中で徐々に変化するコンディションに合わせたブリヂストンエンジニア達のタイヤスペック選択と、何よりF.C.C. TSR Honda Franceのレース戦略が、今日の勝因だと思います。次戦は鈴鹿8耐ですが、F.C.C. TSR Honda Franceのチャンピオン獲得とブリヂストン装着チーム13連覇を、ともに達成できるよう準備を進めていきます』

レース結果

コース:オシャースレーベン

決勝

  • 開催日:2018/06/09
  • 天候:Fine-Cloudy-Fine
  • 路面:Dry
  • 路面温度:46-30
  • 決勝出走:36
  • 完走:27
  • (3.667km x 312laps = 1144.104km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 5 J. フック/F.フォレイ/A.ティシェ BS Bridgestone F.C.C.TSR Honda France CBR1000RR ホンダ 312 244 1:27.149 08:00:49.802
2 11 M.ギネス/R.D プニエ/J. グアノニ PI TEAM SRC KAWASAKI ZX-10R カワサキ 312 290 1:27.153 08:01:38.157
3 94 M.D.メグリオ/N.カネパ/D.チェカ DL GMT94 YAMAHA YZF-R1 ヤマハ 312 310 1:27.219 08:02:42.869
4 48 K.フォレイ/S.ケースバウマー/L.グロックナー PI NRT48 S1000RR BMW 311 1 35 1:27.516 08:02:05.979
5 14 A.D.サントス/L.ブッレ/A.プランカッサグネ DL MACO RACING Team YZF-R1 ヤマハ 307 5 251 1:28.759 08:02:19.553
6 96 R.ロルフォ/A.マスボウ/C.バーグマン DL MOTO Ain YZF-R1 ヤマハ 306 6 59 1:28.871 08:01:23.081
7 72 H.クレーレ/A.サッラバイロウズ/L.ロッシ DL Junior Team LMS Suzuki GSX-R1000 スズキ 305 7 163 1:28.476 08:01:22.773
8 4 J.パイロット/K.デニス/J.エンジョルラス DL Tati Team Beaujolais Racing ZX-10R カワサキ 305 7 126 1:28.956 08:02:00.311
9 44 C. ガマリノ/L. スカッサ/M.マッツィーナ PI No Limits Motor Team GSX-R1000 スズキ 305 7 240 1:28.390 08:02:12.555
10 2 V.フィリップ/E.マッソン/G.ブラック DL Suzuki Endurance Racing Team GSX-R1000 スズキ 304 8 7 1:27.557 08:01:55.990
11 333 F.アルト/A.マウリン/V. ロンボス DL Yamaha Viltais Experience YZF-R1 ヤマハ 304 8 7 1:28.127 08:02:06.208
12 65 G.デハーイェ/J.フィーマン/C.ケマー PI Motobox Kremer Racing #65 YZF-R1 ヤマハ 303 9 132 1:28.437 08:00:59.124
13 111 G.ルブラン/S.ギンバート/E.ニゴン DL Honda Endurance Racing Team CBR1000RR SP ホンダ 303 9 55 1:27.299 08:02:15.715
14 21 K.ハニカ/S.バーリエーラ BS Bridgestone Mercury Racing S1000RR BMW 301 11 80 1:28.205 08:01:06.520
15 101 C.ナポリ/F.ナポリ/G.バギー PI Aviobike YZF-R1 ヤマハ 301 11 28 1:29.322 08:01:13.346
16 61 M.デブルイネ/B. ランブレット/A. D. キムペ DL MOTOTECH EWC TEAM YZF-R1 ヤマハ 299 13 273 1:29.797 08:00:49.846
17 90 A.フリードリヒ/B.レワンドウスキィー/J.サーニー PI Team LRP Poland S1000RR BMW 296 16 252 1:29.267 08:01:24.810
18 93 M.チョイ/L.クメリック/T.ザジク BS Bridgestone Exteria Eko Racing Team S1000RR BMW 292 20 135 1:30.642 08:01:49.503
19 41 S.パガーニ/A.エイヤー DL Rac 41 CBR1000RR ホンダ 291 21 230 1:30.781 08:02:25.479
20 8 R.スタン/R.ムルハウサー/S.スチェット PI Bolliger Team Switzerland ZX-10R カワサキ 289 23 4 1:27.932 08:01:56.315