F.C.C. TSR Honda Franceはトラブルを克服しながら10位完走を果たし、正式結果は9位に!

  • 開催場所:ブガッティ サーキット
  • 開催日:2021年06月12日(土) 〜 2021年06月13日(日)
2021 FIM EWC Rd.1 ル・マン24時間:YOSHIMURA SERT MOTULが優勝!

今年のロードレース世界耐久選手権 FIM EWCはフランス・ル・マンで開催されるル・マン24時間耐久レースで開幕。
昨シーズンまで年を跨いで開催されていたが、新型コロナ感染拡大の影響で2020年のレーススケジュールが大幅に変更されて開催。今シーズンは以前開催されていたように単年でのシーズンに変更となっている。
当初は4/17-18にル・マン24時間で開幕する予定だったが、年初からヨーロッパでは新型コロナ感染が再び拡大し、開催スケジュールが見直され、第1戦となるル・マン24時間は6/12-13に延期、5/23予定されていた第2戦 ドイツ・オシャースレーベン8時間は中止が発表、7/18に開催予定だった日本・鈴鹿8時間は11/7に延期とスケジュールが変更となり、2021年は全4戦で行われるシーズンとなる。
今シーズンのブリヂストンは昨シーズンのル・マン24時間覇者である#5 F.C.C. TSR Honda Franceと昨シーズン2勝を挙げている#7 YART-YAMAHA Official Team EWCの2チームに加え、昨シーズンのチャンピオンチームであるSuzuki Endurance Racing Team (SERT)と日本のトップチームであるヨシムラがタッグを組んだ新チーム #1 YOSHIMURA SERT MOTULの3チームをサポート。
強力な3チームと共にブリヂストンにとって2度目となるEWCチャンピオン獲得を狙う。

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6/10(木)から公式スケジュールが始まり、まずはフリー走行が11:00 - 13:00の2時間行われた。このセッションではBSサポートチームであるYART-YAMAHA、YOSHIMURA SERT MOTULの2台が1-2番手、F.C.C. TSR Honda Franceが4番手と全チーム好調のスタート。
16:00から開始された予選1回目。気温・路面温度は上昇、暑い中での予選20分間の走行となり、青・黄・赤の腕章を着けた各ライダーベストラップの平均で順位が決定する。
最初に走行する青腕章ライダーでは#7 YART-YAMAHAのK.ハニカがトップタイム。続く黄腕章ライダーでは#1 YOSHIMURA SERT MOTULのX.シメオンがトップ。赤腕章ライダーは再びYOSHIMURA SERTのS.ギュントーリがトップとなり、予選1回目の総合順位はYOSHIMURA SERT MOTULが暫定ポール、2番手にYART-YAMAHA Official Team EWC、F.C.C. TSR Honda Franceは5番手となった。
翌日6/11(金)は午前中に予選2回目が行われ、予選1回目の時と比べると気温・路面温度が少し低めとなっている為、各チーム前日のタイム更新が期待出来る。
青腕章ライダーは前日を上回るタイムでYART-YAMAHAのK.ハニカがトップ。YOSHIMURA SERT MOTULのG.ブラックは3番手、F.C.C. TSR Honda FranceのJ.フックは5番手となっている。
次の黄腕章ライダーではセッション序盤にYART-YAMAHAのM.フリッツがトップに立ち、後半まで変わらなかったが終了間際にYOSHIMURA SERT MOTULのX.シメオンがタイムを更新しトップに浮上。F.C.C. TSR Honda Franceの高橋裕紀は前日の予選1回目で転倒を喫していたが、2回目の予選ではタイムを大きく更新。6番手で予選を終えた。
赤腕章ライダーではYART-YAMAHAのN.カネパが最後にタイムを更新しトップへ。YOSHIMURA SERT MOTULのS.ギュントーリは2番手、F.C.C. TSR Honda FranceのM.ディメリオは6番手で予選を終了。
予選1回目・2回目の各ライダーベストラップから平均タイムを算出、この結果 #7 YART-YAMAHA Official Team EWCが1'35.804でポールポジションを獲得!
#1 YOSHIMURA SERT MOTULが2番手、#5 F.C.C. TSR Honda Franceは6番手から長い24時間耐久レースをスタートする。
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決勝日を迎えたル・マン24時間耐久レース。通常のタイムスケジュールでは午後3時にスタートしていたが、昨年と今年は正午12時に決勝がスタートする。
天気は快晴、気温25℃の中、マシンに駆け寄るル・マン式で決勝レースがスタート。
好スタートを切ったは#37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM(BMW,DL)がホールショットを奪い、YOSHIMURA SERT MOTULが2番手。ポールポジションスタートのYART-YAMAHAはエンジン始動に手間取り、やや出遅れてしまった。そのスタート直後の3コーナーでは多重クラッシュが発生。転倒したマシンの1台から出火した為、すぐに消火活動が開始され、コース上にはセーフティーカーが介入する波乱の幕開けとなる。
セーフティーカーは解除後はYOSHIMURA SERT MOTULが早々にトップに立ち、F.C.C. TSR Honda Franceは5位を走行。スタートで出遅れていたYART-YAMAHAはセーフティーカー解除後から順調にポジションを回復し、最初のライダー交代までにトップを走るYOSHIMURA SERT MOTULに追い付く。
その後はブリヂストンサポートチームであるYOSHIMURA SERT MOTULとYART-YAMAHAの接近戦によるトップ争いが展開。この争いは6時間が経過する頃まで継続する。F.C.C. TSR Honda Franceはピットロード上でガス欠になる等のトラブルがあり、6時間経過時で3周遅れとなりながらも3位を走行。
気温が高い影響も有り、レース序盤から転倒やマシントラブルでピットに戻ってくるマシンが多く、上位争いからもライバルチームが脱落していく中でブリヂストン勢は1ー2ー3位と上位を独占している。


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トップ争いの2台が少しづつ離れ始めた10時間経過頃、YART-YAMAHAが突然のピットイン。マフラーからは白煙が出ており、エンジントラブルが発生。そのままリタイヤとなってしまった。
この時点YOSHIMURA SERT MOTULは単独トップに。2位はF.C.C. TSR Honda France、3位には序盤に順位を落としていた#11 WEBIKE SRC KAWASAKI FRANCE TRICKSTAR(Ka,DL)が浮上する。
22:00頃に日没を迎え、夜間走行に突入。トップを走るYOSHIMURA SERT MOTULは大きなトラブルも無く順調に走行し、3周以上の差を更に広げていく。2位を走るF.C.C. TSR Hondaと3位 WEBIKE SRC KAWASAKI は1周以上の差があるが、12時間が経過した頃にWEBIKE SRC KAWASAKI が急遽ピットイン。何かトラブルが出た模様で、2ー3位の間隔はさらに広がった。
BS勢の1ー2位でレース終盤を迎えた残り5時間頃、今度はF.C.C. TSR Honda Franceにトラブルが発生。再びピットロード上でガス欠症状となり、ピットボックスまで押して戻ってきた。ピット作業後、エンジンを始動するがセルを回しても掛からず、押掛けで始動を試みるも掛からない。ピットボックスまで戻って修復作業を行い、コースに復帰するが6位まで順位を落としてしまう。
懸命に順位を挽回しようと走行するF.C.C. TSR Honda Franceだが、残り3時間頃に今度は最終コーナーでJ.フックが転倒。マシンを起こしてピットに戻り、修復してレースに復帰も更に順位を落としてしまう。
後続に8周のアドバンテージを持ってトップを快走するYOSHIMURA SERT MOTULはコース上で無理する事も無く周回を重ね、ピットイン時も落ち着いてタイヤ交換・給油作業を行っている。
長い24時間のレースは多くのチームがトラブルや転倒で脱落していく中、大きなトラブルが無く、序盤から速いペースで周回した#1 YOSHIMURA SERT MOTULが855周を周回して優勝!
ブリヂストンとしては昨年のF.C.C. TSR Honda France優勝から2年連続、通算3度目のル・マン24時間制覇となる。
レース終盤に順位を落とした#5 F.C.C. TSR Honda Franceは最後に順位を上げて10位でチェッカー。その後に上位入賞者で失格が出た為、正式結果は9位となった。

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◆ダミアン・ソルニエ - YOSHIMURA SERT MOTUL チームマネージャー
「伝説的なレースであるルマン24時間耐久においてスズキファクトリーチームが再び勝利を収めること、これはとても大きな達成感です。我々SERTはヨシムラと共に素晴らしい挑戦の扉を開いたところで、既に関係性は完璧に機能しています。8時間耐久でのヨシムラの経験と24時間耐久でのSERTの経験を組み合わせることで、速さと耐久性を両立できているのは強みでしょう。スズキの開発とブリヂストンタイヤのクオリティ、そしてもちろんライダーパフォーマンスの一貫性のおかげもあり、このパッケージは非常に良く機能していると感じます」

◆加藤陽平 - YOSHIMURA SERT MOTUL チームディレクター
「ヨシムラにとって、そしてSERTにとって嬉しい勝利ですが、同時にスズキにとっても大きな勝利となりました。スズキファクトリーの看板を背負ってレースするのは光栄なことでもあり、同時に大きな責任も伴いますので、正直かなりのプレッシャーを感じることもありました。今回の結果はそんな責任を果たすための努力が報われた思いです。チームはこのレースに向けて大変な準備を積み重ねてきており、なんとしても結果を出したいと願っていたので、開幕戦を優勝できたことは我々にとってとても大切なことです。ゼッケン1はSERTが授けてくれたものです。この非常に厳しくかつ喜びも大きいチャンピオンシップにおいて、このゼッケンを守り通すことを目標に戦い続けます」
「ルマン24時間耐久レースに勝利するというのはとても特別な経験で、今の気持ちをどう言い表したらよいかわからない程です。コロナ渦の影響でレースが延期になり、計画を何度も練り直す必要がありスタートラインに立つまで紆余曲折ありました。しかし4人のライダーとクルーはこの週末に完璧なパフォーマンスを見せてくれ、スタッフ全員の力のおかげでこの貴重な勝利を収めることができました。マシンのスズキGSX-R1000は常に強力で、かつ高い信頼性のおかげでチームはスムーズにレースを戦い抜くことができました。決勝レースではトラブルが一つもなく、おかげで完璧なレース運びができました」

レース結果

コース:ブガッティ サーキット

決勝

  • 開催日:2021/06/13
  • 決勝出走:46
  • 完走:31
  • (4.185km x 855laps = 3578.175km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 1 G.ブラック/X. シメオン/S.ギュントーリ BS Bridgestone YOSHIMURA SERT MOTUL GSX-R1000 スズキ 855 298 1:36.828 24:00:26.817
2 11 J. グアノニ/E.ニゴン/D.チェカ DL WEBIKE SRC KAWASAKI France TRICKSTAR ZX-10R カワサキ 847 8 228 1:37.365 24:00:54.471
3 37 M.レイターバーガー/I. ミハルヒク/J. フォレス DL BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM S1000RR BMW 842 13 632 1:36.855 24:00:27.345
4 55 S.エゲア/G.アンティガ/K. ソルボ DL National Motos CBR1000RR-R ホンダ 830 25 294 1:39.172 24:00:39.303
5 24 A. ルイショー/J. ハルド/J. ピロ MI BMRT 3D MAXXESS NEVERS ZX-10R カワサキ 828 27 20 1:38.415 24:00:39.792
6 44 L. スカッサ/A.マスボウ/K. カリア DL No Limits Motor Team GSX-R1000 スズキ 827 28 693 1:39.213 24:00:33.427
7 333 F.アルト/F. マリノ/N. テロル DL VRD IGOL EXPÉRIENCE YZF-R1 ヤマハ 826 29 302 1:37.961 24:01:31.592
8 6 M.ギネス/L.ロッシ/E.マッソン DL ERC Endurance Ducati YZF-R1 ヤマハ 819 36 631 1:37.389 24:01:56.577
9 5 J. フック/高橋 裕紀/M.D.メリオ BS Bridgestone F.C.C.TSR Honda France CBR1000RR-R ホンダ 816 39 689 1:37.444 24:01:27.232
10 86 M. ペリゾッティ/A.サッラバイロウズ/A. パラソル DL PITLANE ENDURANCE YZF-R1 ヤマハ 812 43 229 1:40.271 24:00:54.551
11 14 G.ルブラン/E.ブーロム/B. ランブレヒト DL MACO RACING Team YZF-R1 ヤマハ 812 43 206 1:38.529 24:01:03.793
12 65 G.デハーイェ/S. ストローレン/B. コリオー DL Motobox Kremer Racing #65 YZF-R1 ヤマハ 810 45 104 1:40.516 24:00:59.792
13 156 A. D. キムペ/M. ティボールト/A. エイニー DL PLAYERS ZX-10R カワサキ 810 45 405 1:41.074 24:01:35.167
14 73 C. ロチェ/C. ブラード/O. ルーアート DL Team Space Moto GSX-R1000 スズキ 808 47 23 1:41.521 24:01:33.812
15 94 B. フォンタネル/N. クロニエ/H. ロベルト BS Bridgestone TEAM LH RACING YZF-R1 ヤマハ 806 49 544 1:40.630 24:01:42.722
16 72 M. レノーディン/G. レイモンド/V. スチェット BS Bridgestone Junior Team LMS Suzuki GSX-R1000 スズキ 805 50 609 1:39.961 24:00:45.248
17 15 M. ブーエ/E. パリス/E.ダプイ DL TEAM LE MANS 2 ROUES RSV4 アプリリア 803 52 288 1:40.794 24:00:27.056
18 121 D. シュバリエ/T. アイゼン/L. ミレ BS Bridgestone FALCON RACING YZF-R1 ヤマハ 797 58 661 1:40.174 24:01:23.079
19 91 C.ナポリ/F.ナポリ/M.チョイ DL ENERGIE ENDURANCE 91 ZX-10R カワサキ 795 60 411 1:40.664 24:02:29.502
20 33 C. ガマリノ/D. サンチス/C.ペロラリ DL TEAM 33 LOUIT APRIL MOTO ZX-10R カワサキ 789 66 769 1:38.891 24:02:33.992