【2022年全日本モトクロス選手権 Rd.6関東大会 レディースクラス】 最終ラップの激闘を制して、地元大会で川井麻央が今季初優勝！

今季の全日本モトクロス選手権シリーズは全7戦のシリーズ。その第6戦関東大会埼玉トヨペットCUPが、埼玉県のウエストポイント オフロードヴィレッジで開催された。

第2戦の舞台にもなったこのコースは、荒川と入間川に挟まれた河川敷のフラットな土地に設けられている。今大会の前に大幅なコース改修が施され、第2戦とは逆回りのレイアウトを採用。さらに、コースが延長されて全長が大幅に伸びた。これまで、タイトターンとジャンプが多くて幅が狭いスーパークロス風のレイアウトを特徴としてきたが、この延長区間を含むコース序盤はかなりジャンプが少ないフラットなレイアウトで、他のセクションと比べてコース幅もやや広め。一方で中盤から終盤にかけては、これまで通りタイトターンやジャンプが多めに配された。

各クラスの予選が実施された土曜日、翌日の決勝日とも晴れ時々曇りで、コースはドライコンディション。路面は乾くとかなり硬く締まる性質で、とくに土曜日はコース序盤の延長区間がかなりハードな路面となった。日曜日は、大量の散水作業によりこのセクションも含めてやや柔らかくなり、一部コーナーには走行により深いワダチも刻まれた。

レディースクラスは、通常のスケジュールとなる15分＋1周の決勝1レース制。#4 小野彩葉（Honda,BS）がトップと11点差のランキング2番手で今大会に挑んだ。

■決勝
#1 川井麻央（Honda,BS）がオープニングラップでトップに浮上。#4 小野彩葉（Honda,BS）は出遅れ、1周目8番手からのレースとなった。2周目、川井は久保まな（Honda,DL）の接近を許したが、これを冷静に抑えると、本田七海（Yamaha,DL）が2番手に浮上した3周目には約3秒のアドバンテージを確保。5周目までこのギャップをキープしたが、早くも大量のバックマーカーが発生した6周目に本田の接近を許し、両者の間隔は約1秒に縮まった。

一方、小野は3周目に7番手、4周目に5番手まで浮上すると、その後は4番手の畑尾樹璃（Honda,DL）に接近。7周目には攻略に成功した。レース終盤、川井と本田は僅差のトップ争いを継続。川井が1秒ほどのリードを保って、9周目の最終ラップに入った。その最終コーナーで本田がパッシングを試み、川井と本田が接触した状態でフィニッシュラインへ。川井はなんとか転倒を免れ、トップチェッカーを受けて今季初優勝を挙げた。小野は4位でゴールした。

●川井麻央（決勝／優勝）
「今シーズンは、なかなか自分が納得できるようなリザルトを残すことができずにいましたが、そういうときも多くの人たちが支えてくれました。さらに今回は、地元大会ということで多くの方々が会場まで応援に駆けつけてくれました。自分ひとりでは勝てなかったと思うし、みんなの応援がなければ最終ラップの勝負に負けていたかもしれないので、本当に感謝しています。最後は本田七海選手とのトップ争いでしたが、どこかで仕掛けてくることは想定内。自分がベストの走りをしていれば、抜かれることはまずないだろうと考えていました。タイヤは軟質路面用のBATTLECROSS X20。けっこう散水の量が多くて、スリッピーな区間もありましたが、そういう状況でもタイヤを信頼しながらマシンを操ることができました。ようやく今季初優勝を挙げられ、自分の走りを取り戻したという感覚もあります。今大会の結果、ポイントランキングはちょっとおもしろいことに。トップとは14点差ありますが、まだチャンピオンを諦めたわけじゃないし、最後まで諦める気もありません。最終戦は、とにかく自分が勝つことに集中します」