モトクロスとは、人工的に作られた丘や起伏に富んだダートコースを、モトクロス専用のオートバイで走行する競技のことであり、その国内最高峰のシリーズが、全日本モトクロス選手権である。

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もうひとつのオートバイレースであるロードレースとは、モトクロスはオートバイのカタチもコースもまったく異なる。車高が高く、サスペンションのストロークを長く取ったマシンに、ゴツゴツとしたブロックタイヤの組み合わせ。そんな独特のマシンで、ライダーたちはデコボコの路面やジャンプスポットなどを攻略していくのだ。見た目にも、「滑ったり、飛んだり、跳ねたり」と迫力満点。コースの近くで観戦出来る為、目の前をジャンプしたりダイナミックな動きがファンを魅了して止まないレースなのである。スタートも選手たちは横一線に並び、1コーナーへなだれ込んでいく姿は迫力満点!モトクロスは体力的に非常に厳しいスポーツで、ライダー達のスタミナは凄いものがある。レース会場でのパドックエリアは非常にオープンで、ライダー達もフレンドリーなので、お気に入りのライダーを見つけて応援するのも、楽しい観戦のしかた。

全日本モトクロス選手権には、国内最高峰の「IA1」と、それに続く「IA2」の2クラスがあり、それぞれ国際A級ライセンスを持つライダーが参戦している。またレディースクラスがあり、マシンは小排気量ながら、男性顔負けの走りと激しい争いを、女性選手たちが繰り広げている。各クラスは、マシンのエンジン排気量やタイヤサイズが異なる。IA1は4ストローク450cc、IA2は4ストローク250cc、レディースクラスは4ストローク150cc又は2ストローク80ccのマシンが使用される。

いずれのクラスも、決勝レースは1レース30分+1周の2ヒート制(レディースは15分+1周の1ヒート制)。規定時間内で最も周回し、トップチェッカーを受けたライダーが、そのヒートの勝者となる。そして1&2ヒートそれぞれの獲得ポイントを合計し、最も総合ポイントの多かったライダーが、その大会の勝者となる。各ヒートでのポイントを加算して、最終的に年間獲得ポイントの最も多かったライダーがチャンピオンに輝くのは、他のレースと同じだ。今シーズンも全9戦が行われるが、18ヒートの合計得点で年間タイトルが争われるので、終盤までタイトル争いがもつれる事が多い。

ブリヂストンと全日本モトクロス選手権

モトクロスのタイヤ開発は難しい。MotoGP™や全日本ロードレース選手権といった、サーキットを舞台とするレースと違い、常に変化する路面状況、コンディションで使われる為テストやタイヤ評価も難しい。その上タイヤのグリップやハンドリング性能の良し悪しも、ライダーのライディングスタイルや好みで変わる事が多いので、良いタイヤの定義もしにくいのだ。

ポイントとなるのは、「ライダーのフィーリングにマッチしているか」ということ。モトクロスの場合、路面にグリップさせるだけでなく、意図的にスライドさせて走らせることもある。つまり、いかにライダーの意のままにコントロールできるタイヤであるかということが問われるのだ。

例えばモトクロスのライダーたちは、レースが進むにつれてコースにできる轍(わだち)や、柔らかさが変わったりする路面状況を見ながら、ライン取りや走り方を変える。そんな刻々と変化するライダーの要求にタイヤは応えられなければならない。そこがロードレース用タイヤの開発と最も異なるポイントであり、タイヤメーカーの技術力の見せ所と言える。

ブリヂストンは、モトクロス特有のさまざまな状況に対応するため、多種多様なブロック・パターンやコンパウンドのタイヤを用意して、モトクロス場に臨む。

2018年シーズンの見どころ

全日本モトクロス選手権2018年シーズンは、4月初めに開幕する九州大会を皮切りに、最終戦まで、全9戦が予定されている。ブリヂストンは昨年に引き続き、今年も「IA1」と「IA2」クラス、そして「レディース」クラスの全3クラスにタイヤを供給する。

最高峰「IA1」クラスでの注目のブリヂストンライダーは、一昨年まで欧州のホンダ系チームに所属し、世界グランプリを戦って、昨年全日本に復帰してIA1のチャンピオンを獲得した、チームHRCの山本鯨選手が、今年はタイヤをブリヂストンにスイッチして連覇を狙う。また同じチームHRCから、一昨年のチャンピオン成田選手が引き続き参戦。何とIAクラスで11回のタイトルを獲得という記録を持つので、今年は前人未到の12度目のタイトル獲得と、あと1勝に迫った150勝達成を目指す。また昨年1勝を挙げながら、ランキング5位に終わったカワサキチームグリーンの新井選手は、今年巻き返しを図るだろう。今年はスズキとヤマハがワークス活動を休止という事になったが、昨年スズキワークスの小島選手は、地元鈴鹿とモリワキレーシングからのバックアップを得て、プライベートチームでホンダ車にスイッチしての参戦。昨年の怪我も回復し、心機一転新たな環境で挑む。

また昨年最終戦で、念願のIA1初優勝を飾った星野優位選手は、チームを移籍して今年はヤマハに乗る事となった。昨年IA1ルーキーながら、最終戦で表彰台を獲得した、T.E.スポーツの大塚豪太選手も、若手の注目選手だ。

「IA2」クラスでは多くの若手選手達をタイヤサポートし、またレディースクラスでは、昨年に引き続き有力選手のサポートを継続する。