- 開催場所:グリーンパーク弘楽園
- 開催日:2023年06月24日(土) 〜 2023年06月25日(日)
今季の全日本モトクロス選手権は、全9戦を実施予定。ただしレディースクラスは、第5戦北海道大会および第7戦HSR九州大会ではレースが開催されないため、昨年と同じく年間7大会8レース(第4戦中国大会が2ヒート制)のシリーズとなる。そしてその第4戦中国大会TOHO Racing CUPが、広島県の世羅グリーンパーク弘楽園で開催された。
延期されて実質的な最終戦となった2021年11月下旬の第2戦以来、約1年半ぶりの全日本開催となった世羅グリーンパーク弘楽園は、尾道市街の北西方向約30kmとなる広島県南東部の山中にあり、自然の地形を活かしたアップ&ダウンに富んだハイスピードかつダイナミックなコースとして知られている。
基本的なレイアウトは2019年から継続されているが、各セクションのセッティングは変更。1コーナーの先に待ち構える名物のラムソンジャンプは、1周目のみ回避する設定で、この迂回区間はコース幅がかなり狭くなる。
梅雨時期の大会開催ながらまずまず天候に恵まれ、土曜日は曇り時々晴れで、日曜日は曇りのち晴れ。乾いて締まるとかなりハードパックになる弘楽園だが、事前の入念な整備により、普段と比べれば良好なドライコンディションで大会を迎えた。
レディースクラスの決勝は今季唯一となる決勝2ヒート制での開催。レース時間はいつもと同じ15分+1周で、土曜日午後にヒートⅠ、日曜日昼ごろにヒートⅡが実施された。
■決勝ヒートⅠ
ホールショットを奪った直後に#2 川井麻央(Honda,BS)が激しくクラッシュ。これにより川井は、大きく遅れた最後尾からのレースとなり、#17 濱村いぶき(Honda,BS)が先頭に立った。
1周目、濱村は箕浦未夢(Honda,DL)の先行を許したが、2周目以降は瀬尾柚姫(Honda,DL)を引き連れたまま箕浦を僅差でマーク。この3台のすぐ後方では、#14赤松樹愛(Yamaha,BS)と#4 本田七海(Yamaha,BS)が4番手争いを繰り広げ、3周目に本田が逆転に成功した。
勢いに乗る本田は、同じ3周目に瀬尾も抜いて3番手浮上。翌周、箕浦が転倒により7番手まで後退し、これでトップに立った濱村に本田が接近した。そして5周目、本田が濱村をパス。6~7周目にかけて、濱村は1~2秒差で本田をマークしたが、8~9周目のラスト2周でやや遅れた。そして本田が今季初優勝、濱村が2位となった。最終ラップには、赤松と#5 楠本菜月(Honda,BS)と川井が4番手争いを繰り広げ、赤松が4位、ゴール手前で先行した川井が5位、楠本が6位となった。
■決勝ヒートⅡ
ホールショットは#2 川井麻央。オープニングラップだけで約4秒のリードを築いた。#17 濱村いぶきが2番手に浮上し、これを瀬尾柚姫や#14 赤松樹愛、スタート直後は8番手と出遅れていた#4 本田七海(Yamaha,BS)が追う展開。2周目、濱村は瀬尾の先行を許して3番手に後退し、その背後には赤松をパスした本田が接近した。そして本田は、3周目に濱村、4周目に瀬尾を抜いて2番手にポジションアップした。
この段階で、トップを走る川井は約5秒のリード。しかし翌周以降、本田のほうが僅かながら速く、両者の間隔は少しずつ詰まっていった。一方、本田に引き離された瀬尾には濱村が肉迫し、7周目から僅差の3番手争い。またここから大きく遅れた5番手の箕浦未夢(Honda,DL)には、#5 楠本菜月(Honda,BS)が急接近した。そしてレースは9周でチェッカーとなり、約2秒差で逃げ切った川井が優勝。本田が2位となった。濱村と楠本は逆転のチャンスを得られず、濱村は4位、楠本は6位となった。
●本田七海(決勝ヒートⅠ/優勝、ヒートⅡ/2位)
「ヒートⅠ、ヒートⅡともにスタートでやや出遅れましたが、ヒートⅠはスタート直後に最大のライバルである川井麻央選手が転倒していることが確認できていたので、15分+1周という時間の中で最終的にトップとなればよいという考えで、冷静に自分の走りをしました。そういう意味では、それほどいいライディングではなかったかもしれませんが、確実に走り切って勝てたので満足しています。ヒートⅡは、川井選手が最初から逃げていたので、ヒートⅠと同じ展開では追いつけないと思い、早めに2番手まで上がることを考えながら走りました。しかし1~2周目の追い上げが少し足りず、結果的にはここでの遅れが最後に響きました。終盤に川井選手との距離を詰められたことを考えると、序盤にもう少し上がれていれば勝てたかもしれないと悔やまれます。タイヤは今年からブリヂストンを使用していて、基本的には練習からレースまでいつも軟質路面用のBATTLECROSS X20を履いています。とくにこのコースではアドバンテージが大きく、自分のマシンは2ストなので、コーナーでなるべく速度を落とさず走ることが求められますが、X20はカタい路面でもグリップしてくれるので、散水により湿ったセクションからカタい路面まで自信をもってスロットルを開けられます。本当は、カタくて滑りやすいこのコースの路面に対して苦手意識があったのですが、今年は練習から不安感なく攻めて走ることができています」
決勝
- 開催日:2023/06/24
- 決勝出走:20
- 完走:19
- (1.6km x 9laps = 14.4km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | 本田 七海 | BS | bLU cRU TEAM KOH-Z LUTZ with 秀光ビルド | YZ85LW | ヤマハ | 9 | 4 | 1:59.548 | 18:14.753 | ||
2 | 17 | 濵村 いぶき | BS | T.E.SPORT | CRF150RⅡ | ホンダ | 9 | 3 | 2:00.704 | 18:19.966 | ||
3 | 8 | 瀬尾 柚姫 | DL | TEAM HAMMER | CRF150RⅡ | ホンダ | 9 | 2 | 2:01.491 | 18:29.838 | ||
4 | 14 | 赤松 樹愛 | BS | FACTORY BEAR RACING TEAM | YZ85LW | ヤマハ | 9 | 2 | 2:01.283 | 18:32.237 | ||
5 | 2 | 川井 麻央 | BS | T.E.SPORT | CRF150RⅡ | ホンダ | 9 | 6 | 1:59.723 | 18:34.179 | ||
6 | 5 | 楠本 菜月 | BS | Team YAMAMOTO | CRF150RⅡ | ホンダ | 9 | 7 | 2:01.977 | 18:35.407 | ||
7 | 9 | 箕浦 未夢 | DL | Team ITOMO | CRF150RⅡ | ホンダ | 9 | 3 | 2:01.069 | 18:51.973 | ||
8 | 12 | 穗苅 愛香 | DL | TOMOレーシング&美蔵 | YZ85LW | ヤマハ | 9 | 7 | 2:04.358 | 18:58.741 | ||
9 | 11 | 松木 紗子 | BS | マウンテンライダーズ | KX85 | カワサキ | 9 | 3 | 2:03.988 | 19:00.000 | ||
10 | 13 | 井川 実乃里 | BS | 98%RACING | CRF150RⅡ | ホンダ | 9 | 3 | 2:01.929 | 19:00.168 | ||
11 | 7 | 川上 真花 | PI | bLU cRU YSP大阪箕面 | YZ85LW | ヤマハ | 9 | 8 | 2:03.715 | 19:07.682 | ||
12 | 10 | 山崎 琴乃 | BS | T.E.SPORT | CRF150RⅡ | ホンダ | 9 | 5 | 2:07.137 | 19:26.734 | ||
13 | 16 | ペレーラ 瞳美 | DL | motoline | MC85 | GASGAS | 9 | 5 | 2:06.754 | 19:27.572 | ||
14 | 18 | 阿部 華帆 | BS | Y'S Racing | YZ85LW | ヤマハ | 9 | 5 | 2:08.382 | 19:36.818 | ||
15 | 21 | 高原 央 | DL | with T-factor | KX85Ⅱ | カワサキ | 9 | 8 | 2:13.488 | 20:10.232 | ||
16 | 22 | 河合 華翔菜 | DL | STORY RACiNG | MC85 | GASGAS | 8 | 3 | 2:14.635 | 18:26.921 | ||
17 | 29 | 伊與田 彩花 | BS | 98%RACING | YZ85LW | ヤマハ | 8 | 2 | 2:18.498 | 18:59.533 | ||
18 | 37 | 田村 美幸 | DL | 83TEC. Racing Team | CRF150R | ホンダ | 8 | 2 | 2:19.412 | 19:12.599 | ||
19 | 23 | 岩井 典子 | BS | 331 Racing Team | KX85L | カワサキ | 7 | 2 | 2:35.761 | 18:40.092 |
決勝
- 開催日:2023/06/25
- 決勝出走:19
- 完走:19
- (1.6km x 9laps = 14.4km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 川井 麻央 | BS | T.E.SPORT | CRF150RⅡ | ホンダ | 9 | 7 | 2:00.663 | 18:19.038 | ||
2 | 4 | 本田 七海 | BS | bLU cRU TEAM KOH-Z LUTZ with 秀光ビルド | YZ85LW | ヤマハ | 9 | 9 | 1:59.842 | 18:20.860 | ||
3 | 8 | 瀬尾 柚姫 | DL | TEAM HAMMER | CRF150RⅡ | ホンダ | 9 | 2 | 2:02.640 | 18:36.201 | ||
4 | 17 | 濵村 いぶき | BS | T.E.SPORT | CRF150RⅡ | ホンダ | 9 | 7 | 2:02.561 | 18:37.062 | ||
5 | 9 | 箕浦 未夢 | DL | Team ITOMO | CRF150RⅡ | ホンダ | 9 | 4 | 2:03.264 | 18:50.422 | ||
6 | 5 | 楠本 菜月 | BS | Team YAMAMOTO | CRF150R | ホンダ | 9 | 5 | 2:03.525 | 18:52.719 | ||
7 | 14 | 赤松 樹愛 | BS | FACTORY BEAR RACING TEAM | YZ85LW | ヤマハ | 9 | 5 | 2:04.644 | 18:56.685 | ||
8 | 7 | 川上 真花 | PI | bLU cRU YSP大阪箕面 | YZ85LW | ヤマハ | 9 | 8 | 2:04.729 | 19:00.855 | ||
9 | 11 | 松木 紗子 | BS | マウンテンライダーズ | KX85 | カワサキ | 9 | 3 | 2:05.281 | 19:02.473 | ||
10 | 13 | 井川 実乃里 | BS | 98%RACING | CRF150RⅡ | ホンダ | 9 | 6 | 2:04.512 | 19:05.515 | ||
11 | 12 | 穗苅 愛香 | DL | TOMOレーシング&美蔵 | YZ85LW | ヤマハ | 9 | 3 | 2:06.822 | 19:18.523 | ||
12 | 16 | ペレーラ 瞳美 | DL | motoline | MC85 | GASGAS | 9 | 3 | 2:06.777 | 19:30.354 | ||
13 | 18 | 阿部 華帆 | BS | Y'S Racing | YZ85LW | ヤマハ | 9 | 3 | 2:08.191 | 19:32.486 | ||
14 | 10 | 山崎 琴乃 | BS | T.E.SPORT | CRF150RⅡ | ホンダ | 9 | 4 | 2:09.494 | 19:40.395 | ||
15 | 22 | 河合 華翔菜 | DL | STORY RACiNG | MC85 | GASGAS | 9 | 8 | 2:11.517 | 20:13.887 | ||
16 | 21 | 高原 央 | DL | with T-factor | KX85Ⅱ | カワサキ | 9 | 9 | 2:12.350 | 20:15.927 | ||
17 | 37 | 田村 美幸 | DL | 83TEC. Racing Team | CRF150RⅡ | ホンダ | 8 | 1 | 4 | 2:18.605 | 19:01.843 | |
18 | 29 | 伊與田 彩花 | BS | 98%RACING | YZ85LW | ヤマハ | 8 | 1 | 2 | 2:18.010 | 20:00.477 | |
19 | 23 | 岩井 典子 | BS | 331 Racing Team | KX85L | カワサキ | 7 | 2 | 2 | 2:39.594 | 19:00.973 |