中須賀克行がまさかの転倒 高橋巧が3年ぶりの優勝を飾る!!
- 開催場所:鈴鹿サーキット
- 開催日:2017年04月23日(日) 〜 2017年04月23日(日)
今年もJSB1000クラスの開幕戦は、鈴鹿2&4で200㎞のセミ耐久として開催された。このクラスは今季からレギュレーションでタイヤサイズは17inchに限定された。ブリヂストンは昨年から順調に準備を進めてきたが、17inchタイヤでの初レースにライダーたちも緊張を隠せない。
今大会は鈴鹿8耐参戦権を賭けたトライアウトも兼ねたことも手伝って、69台という大量エントリー。52台のグリッドを争う予選は二組に分かれて35分間ずつの計時予選方式で行なわれた。
予選A組では6年連続8回目のチャンピオンをねらう中須賀克行(ブリヂストン)が2分5秒6をマーク。16.5inchタイヤで自身が出したコースレコードにコンマ4秒差と迫り、周囲を驚かせた。待望の新型マシンを手にした高橋巧(ブリヂストン)も中須賀を追ったが、2分6秒1と2分5秒台に入れることはできなかった。予選B組ではカワサキでのデビュー戦を迎えた渡辺一馬(ブリヂストン)が人生初のカワサキマシンで2分6秒8をマークしてリーダーボードのトップに立つ。しかし総合では4番手のタイム。これで中須賀の開幕戦ポールポジション獲得が決定した。
中須賀は「昨日は17inchタイヤの限界を探った結果の転倒がありましたが、早目に確認ができました。17inchでの初レースでここまでタイムが出たのは驚きです。ブリヂストンタイヤのおかげで、タイヤサイズが変わってもすぐにポテンシャルが発揮できました」と語った。
好天に恵まれた決勝日。加賀山就臣(DL)、浦本修充(DL)が時間までにピットレーンから出ることができず、スタート前からすでにストップ&ゴーのペナルティが科され、波乱の予感が漂った。その予感どおりにスタート直後のオープニングラップで清成龍一(PI)が転倒。トップ集団が1周目を終えると同時にセーフティーカーが導入される。
好スタートを切ってホールショットを奪い、そのままセーフティーカーの後ろに先頭で並んだのは渡辺。高橋・中須賀・山口辰也(ブリヂストン)・濱原颯道(ブリヂストン)・津田拓也(ブリヂストン)と、ブリヂストンユーザーが続く。波乱はこれだけでは終わらなかった。セーフティーカー中のシケインで中須賀がいきなり転倒を喫したのだ。マシンを起こしてピットに向かう中須賀。
セーフティーカーは5周目の西コースで解除となり、レースがリスタート。その途端に渡辺と高橋がダッシュしてあっと言う間に2台での一騎打ちに持ち込む。そして6周目の1コーナーで高橋がトップに浮上。そのまま渡辺を引き離してトップ独走体制を築いた。2番手に後退した渡辺は津田・山口・野左根航汰(ブリヂストン)・濱原を従えて2番手集団を形成。その中で周回ごとに順位を上げてきた野左根航汰(ブリヂストン)が10周目に集団トップに浮上。さらに集団から抜け出して単独2番手走行を開始する。
17周目あたりから各チームがピットワークを開始。上位陣の中では遅いピットインとなったため、一時トップに立った野左根は22周でピットを終えたが、コースインした途端に転倒。そのままリタイアとなってしまう。替わって2番手単独走行を開始したのは津田。渡辺と山口の表彰台争いに加わったのは藤田拓哉(ブリヂストン)。その藤田もレース終盤には集団トップに立ち、さらに集団から抜けて単独3番手走行に。これで高橋・津田・藤田のトップ3台がそれぞれ単独走行。そのままチェッカーを受け、高橋は3年ぶりの優勝となった。
また、鈴鹿8耐トライアウト参戦で注目されたベテランの伊藤真一(ブリヂストン)は14周目に転倒。残念ながらリタイアに終わった。中須賀はマシンを直して再スタートを切ったが、その後再びピットに戻り、そのままリタイアとなった。
●高橋巧(予選2位/決勝1位)
「今季からタイヤが16.5inchから17inchに変更されましたが、違和感なくレースをすることができました。今日はセミ耐久だったので車体には問題が出て苦しかったけれど、タイヤには全く問題がありませんでした。これで車体がまとまれば2分6秒台で周回ができた筈。それくらいタイヤはよくできています」
●山田宏(株式会社ブリヂストン モーターサイクルレーシングマネージャー)
「今週末は天気に恵まれ、レース日も快晴の下、気温17℃、路面温度37℃でスタートしました。フロントタイヤは全員がミディアムコンパウンドを選択。リアタイヤは津田選手・渡辺選手・山口選手がミディアムを、中須賀選手・高橋選手・野左根選手・藤田選手がミディアムハードを選択しました。レースは2周目で中須賀選手が転倒するという波乱の展開。35周という長丁場のレースで上位陣はタイヤ交換もしましたが、その難しいレースでハルク・プロの高橋選手が独走体制を築いて優勝しました。ホンダ新型マシンでのデビューウインということで、チームの皆様と高橋選手にお祝い申し上げます。我々にとっても17inchタイヤの初レース。上位6位までをブリヂストンユーザーが占めたことを、うれしく思います」
決勝
- 開催日:2017/04/23
- 天候:Fine
- 路面:Dry
- 路面温度:37-42℃
- 決勝出走:52
- 完走:47
- (5.821km x 35laps = 203.735km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 634 | 高橋 巧 | BS | MuSASHi RT HARC-PRO.Honda | CBR1000RR SP2 | ホンダ | 35 | 2:07.410 | 1:22:17.766 | |||
2 | 12 | 津田 拓也 | BS | ヨシムラスズキMOTUL | GSX-R1000R | スズキ | 35 | 2:07.815 | 1:22:31.652 | |||
3 | 9 | 藤田 拓哉 | BS | YAMALUBE RACING TEAM | YZF-R1 | ヤマハ | 35 | 2:07.491 | 1:22:32.405 | |||
4 | 104 | 山口 辰也 | BS | Honda Dream Racing | CBR1000RR SP2 | ホンダ | 35 | 2:08.025 | 1:22:39.168 | |||
5 | 23 | 渡辺 一馬 | BS | Kawasaki Team GREEN | ZX-10RR | カワサキ | 35 | 2:08.131 | 1:22:41.532 | |||
6 | 50 | 濱原 颯道 | BS | ヨシムラスズキMOTUL | GSX-R1000R | スズキ | 35 | 2:08.355 | 1:22:55.741 | |||
7 | 090 | 秋吉 耕佑 | DL | au & テルル・Kohara RT | CBR1000RR SP2 | ホンダ | 35 | 2:08.827 | 1:23:01.015 | |||
8 | 39 | 酒井 大作 | BS | BMW Motorrad 39 | S1000RR | BMW | 35 | 2:09.131 | 1:23:26.723 | |||
9 | 85 | 中冨 伸一 | DL | HiTMAN RC 甲子園ヤマハ | YZF-R1 | ヤマハ | 35 | 2:10.390 | 1:23:57.877 | |||
10 | 95 | 生形 秀之 | BS | エスパルス ドリームレーシング | GSX-R1000 | スズキ | 35 | 2:10.073 | 1:24:01.836 | |||
11 | 080 | 渥美 心 | DL | UQ & テルル・Kohara RT | CBR1000RR | ホンダ | 35 | 2:10.081 | 1:24:02.674 | |||
12 | 18 | 近藤 湧也 | BS | GBS レーシング YAMAHA | YZF-R1 | ヤマハ | 35 | 2:11.076 | 1:24:09.585 | |||
13 | 34 | 岡村 光矩/M.アチソン | DL | KRP三陽工業&RS-ITOH | ZX-10RR | カワサキ | 35 | 2:10.755 | 1:24:10.714 | |||
14 | 13 | 関口 太郎 | BS | オートテクニックスポーツPGR | CBR1000RR | ホンダ | 35 | 2:10.334 | 1:24:12.779 | |||
15 | 46 | 松崎 克哉 | BS | Kawasaki Team GREEN | ZX-10RR | カワサキ | 35 | 2:10.828 | 1:24:19.950 | |||
16 | 57 | 日浦 大治朗/安田 毅史 | BS | ホンダ鈴鹿レーシングチーム | CBR1000RR | ホンダ | 35 | 2:11.139 | 1:24:28.223 | |||
17 | 71 | 加賀山 就臣 | DL | Team KAGAYAMA | GSX-R1000 | スズキ | 34 | 2:11.137 | 1:22:27.489 | |||
18 | 83 | 石塚 健/柴田 睦樹 | DL | RS-ITOH | ZX-10R | カワサキ | 34 | 2:11.884 | 1:22:31.385 | |||
19 | 16 | 児玉 勇太/武石 伸也 | BS | TONE RT SYNCEDGE 4413 | S1000RR | BMW | 34 | 2:11.806 | 1:22:34.344 | |||
20 | 20 | 寺本 幸司 | BS | Motorrad Rennsport | S1000RR | BMW | 34 | 2:12.604 | 1:22:47.743 |