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「全日本ロードレース選手権」とは、その名の通り、日本全国のサーキットを舞台に争われる国内最高峰のオートバイ・ロードレースシリーズのことであり、現在4つのクラスで構成されている。 2018年は全国6サーキットにて、4月8日の開幕戦から、11月4日の最終戦まで、全9戦が開催される。 2018年の特徴は、最高峰のJSB1000クラスで、1大会で2レース開催が5大会あり、合計13レースとレース数が増えた。(2017年は8大会9レース) 又J-GP3とST600も、1大会2レースがあり、年間7レース(6大会)へと昨年より1レース増えた。(J-GP2は年間7レースで昨年と同じ。) 1大会2レースの場合は、土日で1レースずつ行われる予定で、土曜日にも観戦の見所が増える。ライダーにとっては2日間のレースで、体力的には厳しくなるものの、シリーズランキングを考えるとポイントは勿論重ねておきたいところ。白熱したバトルが多く展開されるでしょう。

各クラスの特徴

JSB1000
最高峰クラスとなるのが、国内外のオートバイメーカーが誇る最新のスポーツバイクで激戦が繰り広げられる「JSB1000」だ。市販の公道を走るスーパースポーツのバイクをベースに、限られた改造範囲の中でレース用に仕上げたマシンで、日本最大のロードレースである「鈴鹿8時間耐久ロードレース」に直結するクラスである。ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキという日本の4メーカーに加えてBMW、ドゥカティ、アプリリアのマシンも参戦して凌ぎを削る日本独自のカテゴリーとなっている。

J-GP2
「J-GP2」は、2010年から開始され、今年で9年目を迎えた。参加台数も増え、マシンも多様化、成熟してきて白熱のバトルが期待される。エンジンの排気量は600ccで、ST600とほぼ同じく改造範囲が狭く、フレームに関しては自由度が高く、Moto2と同じ専用設計のフレームも使用可能で、タイヤもレーシングスリックタイヤを使用する。10月に開催されるMotoGP日本GPへ、ワイルドカードとしてこのクラスから例年数名が参戦している。

J-GP3
レーサーの登竜門となっているのが「J-GP3」である。10代の若手ライダーからベテランまでが切磋琢磨している。小排気量であることからトップスピードは低いが、コーナリングスピードは大排気量車並みの速さを見せることから、小排気量車ならではのテクニックが求められ、レースは常に混戦となるクラスである。このクラスは世界選手権のMoto3へ繋がるカテゴリーとなっているので、世界を目指す若手ライダーの目標となっている。

ST600
JSB1000・J-GP2・J-GP3とは異なり、市販用バイクを使い改造範囲を限定している「ST600」には、国内4メーカーのマシンが参戦。公道走行用タイヤをベースに開発されたブリヂストンの専用レーシングタイヤBATTLAX RACING R10が2015年からオフィシャルタイヤとして供給され、ワンメイクタイヤでのカテゴリーとなっている。昨年で3シーズンが終わり、今年から2020年までの3年間、当社のワンメイク継続が決定している。近年では十代の若手の台頭が目覚ましく、上位の多くが若手という状況になっている。タイヤもイコールコンディションとなっているので、"日本一の激戦区"と言われているクラスである。2017年のレースでも、最終戦では4人がタイトルの可能性があり、最終ラップまで行方が分からないという大混戦のレースとなった。

ブリヂストンと全日本ロードレース選手権

ブリヂストンが全日本選手権への参戦を開始したのは、1980年代。250ccと500ccクラスに供給することから、そのキャリアをスタートさせた。 まず成果を見せ始めるのは250cc。1980年代後半にはトップレベルのサプライヤーとなり、1989年にはついに岡田忠之選手(ホンダ)の手により、初めてのシリーズチャンピオンを獲得するのである。1990年には250ccでホンダ、ヤマハのワークスチームをサポートし、HRCの岡田選手がV2を達成した。

そして、この全日本ロードレース選手権への参戦をきっかけに、1991年からWGP125に挑戦し、その後2002年からブリヂストンは世界最高峰のオートバイレースMotoGP™への挑戦を始めるのだが、もちろん全日本ロードレース選手権へのタイヤ供給は継続。125cc、250ccでは多くのチャンピオンを輩出したが、大排気量のクラスでは中々成果が表れなかった。しかしMotoGPの参戦効果が表れて、JSBクラスで2005年に初めてブリヂストンユーザーがチャンピオンに輝き(伊藤真一選手)、その後2008,2009年を除き毎年ブリヂストンユーザーがタイトルを獲得している。昨年2017年のタイトル獲得で、8年連続でブリヂストンユーザーがタイトルを獲得した。これまで多くのライダーをサポートし、世界で活躍するライダーも数多く輩出していて、日本におけるオートバイレースの発展に寄与してきているのである。

2018年シーズンの見どころ

2018年シーズン、ブリヂストンは引き続き「JSB1000」「J-GP2」「J-GP3」の3クラスに参戦し、また「ST600」クラスにはワンメイクタイヤを供給する。昨2017年は「JSB1000」と「J-GP2」の2クラスでタイトルを獲得しており、今年は全クラスでタイトル獲得を目指すとともに、「ST600」では安定したタイヤ供給体制で、ワンメイクレースをしっかり支える。

「JSB1000」は昨年大混戦の末、最終戦鈴鹿の第2レースまでタイトル争いはもつれた。タイトルを手にしたのは、JSB1000参戦9年目にして初のタイトル獲得となった高橋巧選手(MuSASHi RT HARC-PRO.)。ホンダにとっても、2011年秋吉選手以来6年振りのタイトル奪還であった。

今シーズンのビックニュースは、ホンダのワークス復活。Team HRCとして、昨年チャンピオンの高橋巧選手を迎え入れた。昨年ニューマシンを投入したホンダが、マシンのポテンシャルを更に発揮すべく、ワークス体制で臨む今シーズンは、高橋選手が本命と言えるだろう。 昨年のチャンピオンチーム、MuSASHI RT HARC-PRO.には、昨年のJ-GP2チャンピオンの水野涼選手がJSB1000にステップアップ。昨年J-GP2では、5勝と圧倒的な強さを発揮し、鈴鹿8耐では速さを見せ、JSB1000のマシンへの適応力の高さを見せた。今年5月で二十歳になる若い水野選手の走りも見逃せない。

対して2016年まで前人未到の5連覇を達成した、ヤマハの中須賀克行選手は、昨年中盤までに、3度の転倒を喫してしまった影響で、ランキング6位と低迷してしまったが、終盤の4連勝を含み年間5勝と最多勝を挙げた強さは、完全復活を果たしたと言って良い。今年もチャンピオン候補の最右翼の一人だ。またチームメイトは、昨年YAMAHA FACTORY RACING TEAMに昇格した、野左根航汰選手。昨年第4戦もてぎでJSB1000初優勝を挙げ、2勝をしたものの、EWCにもフル参戦した関係で、1戦不参加となった事もあり、ランキングは5位に終わったが、勝てるライダーへと大きく成長した。今年は全日本に集中する事もあり、タイトル争いに絡んでくるだろう。2人で7勝を挙げた、YAMAHA FACTORY RACING TEAMに注目だ。

ランキング2位となった津田拓也選手(ヨシムラスズキMOTUL)は、昨年はスズキのニューマシン投入で、マシン開発で生みの苦しみを味わいながら、表彰台5回と安定した成績を挙げた。今年は2年目となるマシンで、当然優勝を狙ってくるだろう。 またヨシムラスズキMOTULの第2ライダーには、2016年までチームグリーンで走っていた渡辺一樹選手が移籍。昨年は欧州のチームからWSS600に参戦して、世界を経験した渡辺選手の走りも注目。

カワサキチームグリーンは、昨年移籍してランキング3位を獲得した、渡辺一馬選手が引き続きエースとして戦う。昨年は3位表彰台2回を獲得した実力で、今年は初優勝を狙う。またチームメイトの松崎選手は、昨年ST600から大抜擢され注目された。今年は2年目となるこのクラスで、どこまで上位に食い込んでくるか楽しみだ。

その他のチームでは、昨年ルーキー最上位の、ランキング7位となった濱原颯道選手は、ヨシムラスズキから桜井ホンダに移籍。久し振りに全日本に復活した、鈴鹿8耐優勝経験チームの桜井ホンダで、長身を生かした濱原のライディングでホンダ車をどう走らせるか期待される。 またホンダのプライベーターでは、常にトップを走っていた山口辰也選手は、昨年発足したTEAM SuP Dream Hondaに移籍した。昨年表彰台獲得はならなかったが、一昨年は優勝も飾っており、ホンダの経験を生かしたベテランの走りにも注目だ。

J-GP2は、昨年ランキング1、3位の水野、生形選手が、今年JSB1000にステップアップして不在。ランキング2位のベテラン関口選手を軸に、多くの若手が上位を狙い混戦が予想される。Moto2用のフレームや600cc市販車ベースのマシンなど、多種のマシンが見られるのもこのクラスの魅力だ。

J-GP3は、マシンは殆どがホンダNSF250Rですが、ライダーはベテランと若手、女性とバラエティに富んでいます。マシン差が少ない事もあり、予選、決勝共に混戦となる事が多いクラス。また17歳以下のライダーによるユーズカップが設定されているので、若手同士の争いにも注目が集まる。更に今年は若手育成の一環として、12~18歳のライダーに、ジュニアライセンス、国内ライセンスでも参加する事が出来る制度が導入される。若手の活躍に期待しよう。

ST600は、フル参戦登録のライダーが、昨年の22名から25名へと増えた。昨年このクラスチャンピオンの前田選手は、今年JSB1000クラスにステップアップして不在。今年も毎戦激しいバトルで混戦となるだろう。当社のワンメイクタイヤ供給が2020年までとなり、振興策の一環としてブリヂストンスカラシップを導入した。昨年の地方選手権ST600チャンピオンには、今年の全日本参戦でスカラシップが受けられる。ステップアップをするには、非常に重要なこのクラスが、地方選手権から更に盛り上がり、全日本ST600を通じて優秀なライダーが育っていくことを期待する。

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