2021_jr_01.jpg 「全日本ロードレース選手権」とは、その名の通り、日本全国のサーキットを舞台に争われる国内最高峰のオートバイ・ロードレースシリーズのことであり、現在はJSB1000、ST1000、ST600、J-GP3の4つのクラスで構成されている。2021年は全国6サーキットにて、4月4日の開幕戦から、11月7日の最終戦まで、全7戦が開催され、最高峰のJSB1000クラスでは、1大会で2レース開催が4大会、1レース開催と3レース開催が各1大会、年間6大会12レースが予定されているほか、JSB1000クラスが開催されない第4戦の筑波大会では、開催される3クラスで2レース制となり、ST1000、ST600、J-GP3の3クラスは、年間6大会7レースで争われる。
1大会2レースや3レースの場合は、土日で決勝レースが行われる予定で、土曜日にも観戦の見所が増える。ライダーにとっては2日間のレースで、体力的には厳しくなるものの、シリーズランキングを考えるとポイントは勿論重ねておきたいところ。白熱したバトルが多く展開されるでしょう。

ブリヂストンと全日本ロードレース選手権

ブリヂストンが全日本選手権への参戦を開始したのは、1980年代。250ccと500ccクラスに供給することから、そのキャリアをスタートさせた。
まず成果を見せ始めるのは250cc。1980年代後半にはトップレベルのサプライヤーとなり、1989年にはついに岡田忠之選手(ホンダ)の手により、初めてのシリーズチャンピオンを獲得するのである。1990年には250ccでホンダ、ヤマハのワークスチームをサポートし、HRCの岡田選手がV2を達成した。
そして、この全日本ロードレース選手権への参戦をきっかけに、1991年からWGP125に挑戦し、その後2002年からブリヂストンは世界最高峰のオートバイレースMotoGP™への挑戦を始めるのだが、もちろん全日本ロードレース選手権へのタイヤ供給は継続。125cc、250ccでは多くのチャンピオンを輩出したが、大排気量のクラスでは中々成果が表れなかった。しかしMotoGPの参戦効果が表れて、JSBクラスで2005年に初めてブリヂストンユーザーがチャンピオンに輝き(伊藤真一選手)、その後2008,2009年を除き毎年ブリヂストンユーザーがタイトルを獲得している。昨年2020年のタイトル獲得で、11年連続でブリヂストンユーザーがタイトルを獲得した。現在では「ブリヂストンでないとJSB1000は勝てない」とまで言われるようになり、鈴鹿8耐の14連覇と共に、絶対の信頼感を得ている。これまで多くのライダーをサポートし、世界で活躍するライダーも数多く輩出していて、日本におけるオートバイレースの発展に寄与してきているのである。

タイヤについて

jrr_t_img2.jpg 全日本ロードレース選手権で使用されるタイヤは、クラスによって異なる。

JSB1000
「JSB1000クラス」は、市販車ベースのマシンであるが、タイヤに関してはサーキット専用のレーシングタイヤが使用される。昨年2017年からリムサイズの規制が出来、ベースとなる市販車の標準装着リムサイズ、フロント:3.50-17、リア:6.00-17と規定された。またリムの材質もアルミに限定され、参加者の費用負担を少なくするのが狙いである。2016年までは、ブリヂストンユーザーの上位は、16.5インチというリム径のタイヤを使用していたので、17インチに変わった2017年は各メーカー、チーム共に、タイヤの性能を引き出すセッティングに注力した部分もあった。またタイヤ使用本数制限があり、予選で2セットしか使う事が出来ない。天候や路面状況の変化に対応すべく、タイヤのコンパウンドは2~4種類位を持っているが、フリープラクティスと予選で、レースに最適なタイヤのスペックを選択する必要がある。200馬力超といわれるパワーを伝え、最高速度300km/hに達するマシンを速く走らせる為に、グリップとグリップ耐久性の両立が必要となる。JSB1000に対応したブリヂストンの市販タイヤは、フロント120/600R17 V02F リア200/655R17 V02Rで、コンパウンドはフロントがソフトとミディアムの2種類、リアはエクストラソフト、ソフト、ミディアムソフト、ミディアムの4種類がある。

J-GP3
このクラスのタイヤもサーキット専用のレーシングタイヤを使用する。軽量マシンの為、タイヤサイズも上級クラスに比べると細いものの、軽量なマシンでコーナリングスピードは速いので、グリップやハンドリングの軽快さ、ギャップ吸収性の良さ等が求められる。ブリヂストンの市販タイヤはフロント90/580R17 V02 リア120/600R17 V02でコンパウンドはソフトとミディアムの2種類がある。シーズン中は、ほぼ全員がミディアムコンパウンドだけで対応出来ており、マシンのセッティングや走りに集中する事が出来る為に好成績につながっている

ST600
2015年からこのクラスでワンメイクタイヤが導入され、2020に至るまでブリヂストンがST600オフィシャルサプライヤーとして支えている。そして2021年から2023年までの3年間も、ブリヂストンが継続してオフィシャルサプライヤーに選ばれ、引き続きこのクラスを支えて行く。現在ではST600オフィシャルタイヤとしてR11NHSを供給。ST600で使用するR11NHSは、パターン付きでありながらサーキットを走行するST600クラス専用タイヤであり、公道では使用出来ない。サイズはフロント120/600R17 リア180/640R17、コンパウンドは1種類で、地方選手権も含め全コースで開催されるST600クラスのレースに対応している。ウェットタイヤに関しては、JSB1000用としても実績のある、W01というウェットタイヤを使用。サイズはフロント120/600R17 リア190/650R17で、コンパウンドは1種類。このクラスはマシンの改造範囲が限られている為、マシンの性能差が少なくほぼイコールコンディション、タイヤは全員が同じタイヤを使用する事で完全なイコールコンディションとなり、ライダーのスキルを磨くのに最適なクラスである。参加者の費用負担を減らし、活性化を図る為にワンメイクタイヤが導入されたが、ブリヂストンはその趣旨に賛同して協賛を決め、クラス活性化の為に、地方選手権参加者には、ブリヂストンスカラシップ制度を導入しており、参加者を支援している。