【全日本ロードレース選手権 第3戦 オートポリス JSB1000 レース-1 】ヤマハファクトリー2台の熾烈なバトル！赤旗中断で野左根航汰に軍配が挙がる！

全日本ロードレース第3戦の舞台はオートポリス。第2戦岡山大会が台風でキャンセルされたため、今季2度目の決戦となった。
レースウイークは金曜日の合同、特別走行から開始の予定だった。しかし金曜日は一日中、雨と霧で全走行がキャンセルに。今大会は2レースが組まれたJSB1000クラスのレース1は土曜日。このためJSBライダーたちはウエットパッチが残った朝の特別走行でウイーク初走行、昼には予選、夕方に15周の決勝レース1に臨むという忙しい一日となった。

　雲が広がるものの、時折強い日差しが照りつける絶好のレース日よりとなった土曜日。予選は40分間のタイムアタック。セッション開始早々、中須賀克行（ブリヂストン）と野左根航汰（ブリヂストン）が１分48秒台でのトップ争いを始める。セッション開始から10分ほどで1分47秒697と真っ先に1分47秒台に突入したのは中須賀。
　膠着状態のまま進んだ予選セッション。残り3分を切ったところで野左根が1分47秒182でトップ浮上。中須賀も最後まで1分47秒台で周回を重ねたものの逆転ならず、2レース共に2番手グリッドからのスタートとなった。ベストタイム、セカンドタイム共に野左根と中須賀のみが1分47秒台とヤマハファクトリーレーシングチームが圧勝。そして2レース共に水野涼（ブリヂストン）が1分48秒台前半のタイムで3番手フロントロウを獲得した。

午後には厚い雲が広がり、気温も下がってきた。午後4時過ぎにスタートした決勝レース１は清成龍一（ブリヂストン）がロケットスタートを決めてホールショット。中須賀、野左根、水野涼（ブリヂストン）の順でオープニングラップを終え、この4台でトップグループが形成される。
3周目には野左根がトップ浮上。4周目には中須賀が2番手浮上でヤマハファクトリーがワンツー走行を開始。清成は3番手に後退し、水野と3位争いを開始する。
ヤマハファクトリー同士のトップ争い、ホンダ車同士の3位争いは周回ごとに熾烈に。
7周目の第2ヘアピンで中須賀が野左根を捕らえてトップ奪取。翌周の1コーナーで野左根がトップ奪回。この激しい争いに乗じて3位争いの清成、水野がトップ2台との差を詰める。
10周目。水野が清成を捕らえて3番手浮上。しかし、なかなかヤマハファクトリー2台との差を詰めることができない。野左根と中須賀のサイドbyサイドのトップ争いは続く。
13周目の第2ヘアピンで再び中須賀がトップ浮上し、先頭集団は14周目に突入。その頃、後続では3コーナーで多重クラッシュが発生し、赤旗中断。12周終了時点での順位でレース成立となり、野左根に軍配。中須賀は悔しい2位。水野が3位表彰台獲得となった。

●野左根航汰（予選1位／決勝1位）
「走り始めの日に決勝レースを迎えるのは始めての経験でした。しかもコンディションが悪かったのに、それでもペースを保てて淡々と走ることができました。ブリヂストンタイヤが最後までグリップをキープしてくれたおかげです」

●東雅雄（株式会社ブリヂストン　モーターサイクルレーシングマネージャー）
「前回のSUGO大会と比べ、今回はヤマハ2台、ホンダ2台、4台の迫力あるトップ争いが展開されました。昨日は走行ができなかったのでマシンのセッティングを進めることは出来なかったと思います。さらに今日は気温が思ったほど上がりませんでした。それら、いろいろな要素が接戦を引き起こしたのではないかと思います。今日のレースは赤旗中断、成立で消化不良で終わりました。最後まで見たかったですし、ライダーたちも不完全燃焼でしょう。明日はしっかりとフルレースで魅せていただきたいです」