【2022年全日本ロードレース選手権 第1戦 もてぎ JSB1000 決勝レース２】王者 中須賀克行とルーキー岡本裕生の死闘、中須賀が僅差で制する

全日本ロードレース選手権2022シーズン開幕戦のJSB1000クラスは2レース制。レース2のグリッドは予選のセカンドタイムで決定。予選セッションでは終始安定し好タイムを刻んでいた中須賀克行（ブリヂストン）がレース2のポールポジションも獲得。渡辺一樹（ブリヂストン）が2番手、濱原颯道（ブリヂストン）が3番手と、レース1と同じ顔ぶれ、同じ順のフロントロウとなった。

ダブルポールポジション獲得で貫録を見せた中須賀は「ウイークに入って気温が低くなったけれど、今日は風がなくて走りやすかった。ライバルのタイムは見ずに、自分の走りに集中した」とコメント。「事前テスト時も気温が低かったから、テストのデータが活きた」と準備が整ったことをうかがわせた。

一方、2レース共に2番手グリッドとなった渡辺一樹は、久しぶりのレース参戦に満面の笑み。「レース参戦は1年前の全日本もてぎスポット参戦以来。こんなに楽しかったんだっけと思うくらいに楽しい。チームもバイクもいい形になっている。中須賀さんといいレースがしたい」と意気込んだ。

決勝日は雲が益々と厚くなり、小雨がぱらつく瞬間もあった。なんとかドライコンディションのままレースが始められるかと思われたが、選手紹介が終わった途端に雨粒が落ち始め、赤旗が出されてスタートディレイに。レースは予定よりも30分近く遅れ、ウエット宣言下でスタート。周回数は2周減算の21周。

好調な滑り出しでオープニングラップからレースをリードしたのは中須賀。レース1同様に渡辺一樹、濱原と続く。
途中で渡辺一樹が中須賀を追い抜き、オープニングラップをトップで終える。中須賀は濱原にもかわされて3番手に後退。

2周目に濱原がトップ浮上。渡辺一樹は2番手に後退。さらに岡本裕生（ブリヂストン）が中須賀をかわして3番手に浮上。勢いがついた岡本は翌周に渡辺一樹をも捉えて2番手浮上。その間に逃げようとした濱原を岡本が追い詰める。

5周目でついに岡本がトップ浮上。中須賀は渡辺一樹の前に出て3番手浮上。さらに翌周には濱原を捉えて2番手に上がった中須賀。ヤマハファクトリーチームがワンツー体制を築く。

後方の2位争いを尻目にトップ独走態勢を築こうとしていた岡本。しかし中須賀がじりじりとその差を詰める。岡本はファステストラップをたたき出して逃げる。9周目に渡辺一樹が濱原を捉えて3番手に浮上するも、すでにトップ2台は大きなアドバンテージを築いていた。

ファステストラップを連発して逃げる岡本、そして自己ベストを出して追い詰める中須賀。

13周目。岡本がバランスを崩して中須賀の先行を許してしまうが、諦めずにファステストを出して中須賀に迫る。

残り3周。今度は中須賀がファステストラップを連発してペースアップ。岡本も負けじとファステストラップで応戦して中須賀の背後につける。

残り2周。岡本が一瞬前に出る。クロスラインで中須賀が首位奪回。

真っ先に最終ラップに突入したのは中須賀。岡本は各コーナーでチャンスを狙うが、中須賀に隙はない。そして中須賀はそのままダブルウイン。岡本は中須賀にコンマ5秒差の2位でゴール。30秒差で渡辺一樹が3位表彰台獲得となった。

●中須賀克行（予選1位／決勝1位）
「最初は雨量が多く、どんどん乾いていく方向でした。最後まで過酷なコンディションでしたが、タイヤはマネージメントをすればしっかり最後までもってくれて、安心してライディングできました。岡本選手ともいい勝負ができました。その結果、勝ちきることができました。安定したタイヤを提供してもらったおかげです。ありがとうございます」