【2024年全日本ロードレース選手権 第5戦 もてぎ JSB1000】水野涼が全日本JSB1000今季初優勝、全日本史上初となる外国メーカー車優勝

3カ月のインターバルを経て始まった全日本ロードレース選手権後半戦の初戦はもてぎ2&4。JSB1000クラスのみの開催となった。

【予選】
残暑が厳しく、高い湿度との戦いともなった大会。予選日は朝から晴れたり曇ったりの先の読めない空模様だった。午後から雨の予報も出ていた中で、午後12時45分から40分間の計時方式の予選セッションがスタート。
1分48秒655と早々に1分48秒台にタイムを入れてリーダーボードのトップに立ったのは津田拓也（ブリヂストン）。水野涼（ブリヂストン）が逆転した翌周には中須賀克行（ブリヂストン）が1分48秒501でトップ浮上と、天候急変に備えて各車早めのタイムアタック。6周目に水野が1分47秒882と47秒台に突入し、2番手以降との差を一気に広げる。

セッション後半。心配された雨は落ちて来ず、ドライコンディションのままセッションが続く。
残り10分を切って各車アタックを再開。岡本裕生（ブリヂストン）が1分48秒440をマークして2番手浮上。
残り5分。水野が1分47秒732とさらにタイムを詰める。同時に野左根航汰（ブリヂストン）が1分47秒760と1分47秒台に突入して2番手浮上。岡本も1分47秒936と1分47秒台をマーク。

ここでチェッカー。水野が今季2度目のポールポジションを獲得。野左根、岡本と続いたフロントロウの３台が１分47秒台でドゥカティ、ホンダ、ヤマハが一台ずつ。王者中須賀は1分48秒337で4番手2列目という珍しい結果になった。

【決勝】
決勝日も引き続き不安定な空模様。厚い雲が切れて日が射す瞬間もあり、気温、湿度共に上昇。汗ばむ一日になった。
心配されていた雨は落ちてこず、ドライコンディションでスタート。野左根のホールショットでレースが始まる。あっという間に水野、中須賀、岡本と共に４台のトップ集団が形成される。
高いストレートスピードを活かしてオープニングラップで首位奪取したのは水野。後方で野左根と中須賀の2位争いが勃発。その間に水野は逃げを打つ。



5周目に中須賀が野左根を捕らえて2番手浮上。しかし水野はすでに１秒以上のアドバンテージを築いていた。野左根は岡本との3位争いに移行。7周目に岡本が野左根を捕らえ3番手に浮上すると、中須賀を追い始める。



水野は中須賀との差を広げながらトップを快走。レース終盤には5秒もの差をつける。中須賀と岡本の2位争いは一時はコンマ2秒まで詰まるが、順位の変動までは届かず、中須賀が再び突き放す。
水野は最後まで快走し、今季初優勝と共に全日本最高峰クラス史上初の外国メーカー優勝という偉業を成し遂げた。2位争いは中須賀が制した。

●水野涼（予選1位／決勝1位）
「ライダーもマシンも鈴鹿８耐で気温の高いシチュエーションに慣れていたし、ノウハウもありました。走り始めから苦戦することなくスムーズに進められました。朝のフリー走行では少しコンディションが違っていましたが、それでもトップタイムでした。タイヤのフィーリングが違って、走らせ方を変えてもリズムを崩さなかったのが勝因です。決勝もスタートから前に出て一人でハイペースで走れました。後ろが離れてからは、余裕を持って少しペースを落としましたが、それでも後ろの二人と変わらないペースでした。ウイークとおしてうまく進められました」