予選は開始と同時に降り出した雨で大波乱。決勝は5位入賞の堤優威がファステストラップをマーク
- 開催場所:スポーツランドSUGO
- 開催日:2022年08月20日(土) 〜 2022年08月21日(日)
新型の登場で新章のスタートを切ったGR86/BRZ Cup。7月の開幕戦に続く第2戦は8月20日〜21日に、チャレンジングなコーナーとアップダウンが続くテクニカルなレイアウトのスポーツランドSUGOで行われた。
プロフェッショナルシリーズは、これまでほぼタイヤとホイールのみに選択の幅が持たされていたが、今年からスプリング&ダンパーといった足回り部品やマフラーが認定部品へ交換できるようになった。一方、新型マシンのタイヤサイズが205/55R16から215/45R17へと変更になり、ブリヂストンは従来モデルのPOTENZA RE-07Dで培ってきた技術をもとにさらに進化させたPOTENZA RE-08Dを新たに投入した。
富士スピードウェイにおける開幕戦でPOTENZA RE-08Dを装着したドライバーは、ヘビーウェット路面となった予選で思うような結果が残せなかったものの、ドライコンディションとなった決勝レースではほとんどの選手が大きく順位を上げた。スポーツランドSUGOでも、予選前日の専有走行ではPOTENZA RE-08Dを装着した#7堤 優威(ブリヂストン)がトップタイムをマークし、2番手、3番手にもRE-08D装着ドライバーが続いた。第2戦のプロフェッショナルシリーズのエントリー台数は37台。そのうちブリヂストン装着勢は18台と半数近くを占めている。
●予選
前日からどのドライバーも気にしていた天気だったが、午後になると空を雲が覆った。予選が始まって少し経った頃に雨が降り出すという予報だったため、多くのチームがドライセッティングで臨み、開始早々にアタックするという作戦をとった。午後12時53分に計測が始まると全車一斉にコースイン。ところがそれとほぼ同時に雨が降り出し、強さを増していった。そんな中、計測1周目でまず#80伊東黎明(DL)がトップに立ったが、5分を経過したところで#160吉田広樹(ブリヂストン)が馬の背コーナーでスピンし赤旗中断となる。
コース整備が終わると、午後1時6分に残り10分間で予選が再開。最初に伊東のタイムを更新したのは#123松井孝允(DL)で、2番手に#121蒲生尚弥(ブリヂストン)がつける。その後は雨が降り続いたものの徐々に勢いが弱まり、各車の走行によって路面がしだいに乾き始めたため、次々にタイムが塗り替えられていく。残り時間が1分をきってからもトップがめまぐるしく変わる展開となったが、それまで3番手につけていた#291近藤 翼(NX)が最終となる6周目で自身のタイムを0.9秒縮め、ポールポジションを獲得した。
ドライ路面での1回のアタックを想定していたマシンが多かったため、濡れた路面の状態が回復していく中で周回数を重ねたことでガス欠症状を見せるマシンもある中、ブリヂストン装着勢は堤が8位、蒲生が9位、トップ10に2人が入った。
●決勝
ウェット路面での予選から一転、決勝レースは良く晴れた一日となった。スタートはポールポジションの近藤がしっかり決めて先頭で1コーナーに入ったが、2番グリッドから追う松井が1周目から強いプレッシャーをかけ続ける。すると最終コーナーで近藤がアウトに膨らみ4位に後退。松井がトップ、2位が#293岡本大地(NX)、3位が#504冨林勇佑(DL)となり、松井が1秒ほどのリードを保ち続けながら、序盤はこの順位のままレースが進んだ。
トップ集団で大きな変化があったのは5周目。冨林が岡本を捉え2位にポジションアップし、さらに松井の追撃態勢に入った。序盤での速さを重視したセットアップを行っていた松井は、勢いのある冨林に徐々に差を縮められ、2台のバトルは激しさを増していった。
後方では11列目からのスタートとなった#34佐々木雅弘(ブリヂストン)が14位までジャンプアップし、さらに上位をうかがう。
ほかのブリヂストン装着勢もレースが進むにつれ順位を上げていくが、中でも8番グリッドからのスタートとなった堤は、2周目に1分37秒937と第2戦のファステストラップをマークし、続く3周目に順位をひとつ上げる。さらに9周目に6位へポジションアップすると前を行く近藤とテール・トゥ・ノーズの争いとなり、11周目に5位へ浮上した。
一方、優勝争いは中盤から松井と冨林の一騎打ちの様相を呈したが、松井が逃げ切り初優勝を飾った。ブリヂストン装着勢は、終盤の近藤とのバトルを制した堤がそのまま5位でフィニッシュ。吉田が予選12位から9位、#987久保凜太郎が予選18位から11位、佐々木が予選22位から13位、#988井口卓人が予選24位から15位と多くのドライバーがポジションを上げた。
<ドライバーコメント>
●第2戦プロフェッショナルシリーズ決勝レースで、5位入賞を果たした#7 堤 優威のコメント
「スターティンググリッドがもっと前だったらという思いはありましたが、できるだけ上位へ食い込めるよう走りました。8番手スタートから序盤に順位をひとつ上げ、9周目に6位、最後に5位へとポジションアップして、13周のレースを通してPOTENZA RE-08Dのパフォーマンスを引き出すことができたと感じています。2周目にファステストラップをマークできたことを含め、この結果を次のレースにつなげたいと思います」
決勝
- 開催日:2022/08/21
- 天候:Fine
- 路面:Dry
- 決勝出走:37
- 完走:34
- (3.586km x 13laps = 46.618km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 123 | 松井 孝允 | DL | NETZ富山Racing GR86 | 13 | 21'34.452 | ||||||
2 | 504 | 冨林 勇佑 | DL | エアバスターDL・GR86 | 13 | 21'34.621 | ||||||
3 | 293 | 岡本 大地 | NX | Nfera SportsR GR86 | 13 | 21'39.368 | ||||||
4 | 70 | 服部 尚貴 | DL | OTG DL GR86 | 13 | 21'39.701 | ||||||
5 | 7 | 堤 優威 | BS | T by Two カバナ BS GR86 | 13 | 21'39.922 | ||||||
6 | 770 | 石坂 瑞基 | DL | FORCE LABO カバナ GR86 | 13 | 21'42.540 | ||||||
7 | 291 | 近藤 翼 | NX | Nfera SportsR GR86 | 13 | 21'42.614 | ||||||
8 | 80 | 伊東 黎明 | DL | OTG DL GR86 | 13 | 21'42.905 | ||||||
9 | 160 | 吉田 広樹 | BS | 埼玉トヨペットGB BS GR86 | 13 | 21'43.254 | ||||||
10 | 60 | 小河 諒 | DL | OTG DL GR86 | 13 | 21'44.085 | ||||||
11 | 987 | 久保 凜太郎 | BS | RECARO BS BRZ | 13 | 21'45.451 | ||||||
12 | 522 | 地頭所 光 | BS | GB CAMP BS GR86 | 13 | 21'45.598 | ||||||
13 | 34 | 佐々木 雅弘 | BS | 小倉クラッチ REVO 86 BS GR86 | 13 | 21'46.082 | ||||||
14 | 700 | 阪口 良平 | DL | MOTUL TWS GR86 | 13 | 21'48.125 | ||||||
15 | 988 | 井口 卓人 | BS | RECARO BS BRZ | 13 | 21'51.077 | ||||||
16 | 25 | 水谷 大介 | DL | GR TokyoRacing GR86 | 13 | 21'55.467 | ||||||
17 | 31 | 青木 孝行 | BS | ケーエムエス フェニックスGR86 | 13 | 21'55.970 | ||||||
18 | 18 | 中山 雄一 | BS | IBARAKI TOYOPET GR86 | 13 | 21'56.370 | ||||||
19 | 910 | 坂 裕之 | DL | 佐藤重量HTP DL GR86 | 13 | 21'56.711 | ||||||
20 | 11 | 脇阪 寿一 | BS | Owltech BS GR86 | 13 | 21'58.529 | ||||||
21 | 98 | 元嶋 佑弥 | DL | 神奈川トヨタ ☆ DTEC GR86 | 13 | 22'00.012 | ||||||
22 | 82 | 谷口 信輝 | BS | KTMS GR86 | 13 | 22'00.505 | ||||||
23 | 550 | 宗藤 昌太朗 | DL | 名神タイヤGR86 | 13 | 22'01.289 | ||||||
24 | 703 | 花里 祐弥 | BS | 埼玉トヨタ・エンドレス BS GR86 | 13 | 22'01.925 | ||||||
25 | 556 | 呉 良亮 | DL | 86RACER' SIDI GR86 | 13 | 22'01.950 | ||||||
26 | 112 | 石森 聖生 | BS | Owltech GR86 | 13 | 22'02.052 | ||||||
27 | 56 | 鶴賀 義幸 | BS | 栃木トヨタT2F BS GR86 | 13 | 22'02.654 | ||||||
28 | 17 | 岡田 整 | DL | COVERS K-one GR86 | 13 | 22'04.444 | ||||||
29 | 97 | 高橋 知己 | BS | 神奈川トヨタ ☆ DTEC GR86 | 13 | 22'07.823 | ||||||
30 | 55 | 鎌倉 裕貴 | DL | YS PRODUCE GR86 | 13 | 22'22.303 | ||||||
31 | 5 | 井上 尚志 | BS | レストアパーツBSまんさくGR86 | 13 | 22'27.713 | ||||||
32 | 3 | 翁長 実希 | NX | KIMI GR86 | 13 | 22'31.686 | ||||||
33 | 609 | 荒木 謙一郎 | DL | RECARO DL BRZ | 13 | 22'48.955 | ||||||
34 | 8 | 渡辺 圭一 | BS | JCS GR 浦和美園 GR86 | 11 | 18'42.758 | ||||||
- | 906 | 佐々木 孝太 | DL | RECARO DL BRZ | 8 | DNF | ||||||
- | 909 | 小暮 卓史 | DL | RECARO DL BRZ | 1 | DNF | ||||||
- | 121 | 蒲生 尚弥 | BS | tomicaネッツ兵庫 GR86 | DQ |