ロードスター・パーティレースⅢ 東日本 NCシリーズ　Rd.2

9月20日、茨城県の筑波サーキットでロードスター・パーティレースⅢの東日本シリーズ第2戦が開催。13台で争われたNCシリーズは今季初参戦の86号車・井尻薫が圧勝劇を披露した。

●予選
9月5日にようやく開幕した東日本シリーズが、わずか2週間のインターバルで第2戦を迎えた。この日のサーキットの上空は雲に覆われていたが、遠くの筑波山もくっきりで視界は良好。予選前の気温は21.2℃、湿度は91％、路面温度は24.7℃というコンディションだった。
NCシリーズ13台とNDクラブマン15台が混走する第1レースの予選は8時40分からの15分間。最大の注目は昨年のNCシリーズで全勝を誇った86号車の井尻薫。いつもは後からコースインする宮本武蔵流だが、今日はライバルたちと一緒に列に並んで走行を開始。アタック1周目に1分9秒477を叩き出し、次の周に9秒193まで刻んで、早々にピットに戻った。これに続いたのが開幕戦のウイナー、5号車の入江直。タイムは1分9秒559で2番グリッドをゲット。さらに今年から参戦している44号車の藤貫直之、104号車の内海由多加、196号車の田口諭史と、ここまでが10秒を切って確定と思いきや、最後の最後に開幕戦3位の69号車・相澤康介が田口を逆転して5番手に滑り込む。不本意だったのは一昨年のチャンピオン、7号車の佐久間行雄と開幕戦のポールシッター、195号車の中島優太。ふたりとも10秒の壁を破れず、4列目からのスタートになった。

●決勝
決勝は前倒しとなる13時09分にスタート。ポールシッターの井尻は早くもリードを広げ、2周目には2位の入江に6.3秒という大差を付ける。さらにその後方、NCシリーズの3位以下では混乱が発生。6番グリッドだった田口がオープニングラップでいきなり3位に浮上する一方で、逆に7番グリッドだった佐久間はダンロップコーナー先でコースアウトして大きく出遅れた。井尻が1周につき1秒以上のハイペースでリードを広げていく一方で、2位の入江から6位の中島までは約1.5秒の僅差に5台がひしめくダンゴ状態。とくに中島の動きが目立った。前をいく内海や田口、藤貫を一度とらえてから再び抜かれ、また抜き返してからは入江にターゲットを絞る。そして10周目の最終コーナーで完全にロックオン。同タイムでの通過だったが11周目の1コーナーはインを奪うことに成功し、2位の座が入れ替わった。一時は2位に約20秒もの大差を付けた井尻だが、終盤の2周は前方に4台のバトル発見。リスクを回避するためにペースを落とすも悠々と逃げ切りに成功した。続いて中島と入江がNCシリーズの表彰台を獲得。以下、4位に内海、5位に藤貫、6位の田口までが入賞となった。ただし、2位の中島から5位の藤貫までの4名は接触によりシリーズポイントが与えられない。このため、開幕戦を欠場した井尻にもチャンピオン獲得の可能性が大きく開けた。

優勝した井尻薫選手コメント
「自分の側は明らかに濡れているのでスタートは不安で、フォーメーションでは思い切り温めました。次は初めてのダブルヘッダーなので、タイヤのライフなど色々考えて臨みます」とコメントしました。
またタイヤについては「ライフも長いし、滑り出した時のコントロールのしやすさがパーティレースにぴったりマッチしているタイヤですね」という評価だった。