2024年ロードスター・パーティレースⅢ 北日本Rd.1 NDクラブマン

4月6日、ロードスター・パーティレースⅢの北日本シリーズが開幕した。NDクラブマンクラスを制したのは23号車の荒川 豊。一昨年はこの北日本と東日本で合計3回の優勝を果たしている実力者だ。ただ昨年は一度もポディウムの頂点に立っていないが、その鬱憤を晴らすような圧倒的な勝利だった。

今回のエントリーは合計で20台。NDシリーズクラスが13台、NDクラブマンクラスが7台いう内訳だったが、クラブマンの2台が欠場となり、18台が予選に臨んだ。
今回もクラブマンクラスに2名、写真の右から順に142号車の近藤尚史と236号車の山上 亨が初参加。富山県在住の山上は64歳にして、初めてのレース参戦とのことだった。

公式予選は10時10分からの15分間。遠く見える蔵王の山にはまだ雪が残っていたが、本日のサーキットは青空の広がる絶好のコンディション。ピットで計測したデータは気温12℃、湿度67%、路面温度13.6℃。
参加5台となったクラブマンクラスは、優勝経験のある23号車・荒川 豊が1分49秒146でトップ（総合では11位）。これに193号車のガクが1分49秒297（総合では13位）という僅差で続いた。決勝ではシリーズクラスの1台を間に挟んでのスタートになる。さらにクラス3番手は17号車の秋山文弘、これにルーキーの近藤と山上が続いた。サーキット経験のほとんどない山上は予選通過タイムをクリアできなかったが、最後尾からの決勝スタートが認められた。

9ラップの決勝は予定より8分遅れて11時38分にスタートが切られた。翌日の第2戦はジャパンツアーシリーズとのダブルタイトルなのでローリングスタートとなり、周回数も12に増えるが、北日本シリーズの第1戦は昨年からの方式（グリッドに一度静止してのスタンディングスタート）を踏襲している。

クラブマンクラスの上位は、序盤から明暗が分かれた。総合11位からスタートした荒川がアウト側に陣取ったのが大正解。シリーズクラス2台を抜き去って総合9位までジャンプアップに成功した。

一方でクラス2番手だったガクは総合13位のまま。

間に3台もシリーズクラスを挟むことになり、バトルの気配は生まれない。一方で、クラス3番手の争いは序盤から徐々にヒートアップ。近藤が次第に前を走る秋山を追い詰めていく。ちなみにルーキーながらも近藤は国内ビッグレースで活躍するレーシングチームのエンジニアが本職で、サーキットの走行経験も豊富。プレッシャーをかけ続けて、8周目の馬の背コーナーで姿勢を乱した秋山を逆転した。

レース中盤以降も荒川の走りは安定していて、北日本NDシリーズの前年王者である281号車の久米田 昴の追撃を振り切って9番目でゴール。シリーズの上位に1台の失格が出たため、堂々の総合8位で開幕戦のクラス優勝を果たした。以下、3台のシリーズクラスを挟んでガクがクラブマンで2番目にチェッカー。さらに2台のシリーズを挟んで、近藤→秋山→山上の順で5名全員が完走を果たした。
クラブマンクラスは出走5台となったため、規定により2位のガクまでが表彰対象だが、決勝レース直後の暫定表彰式には3位の近藤までが登壇。ブリヂストンの赤いキャップをかぶって、シャンパンファイトも楽しんだ。

優勝した荒川選手コメント
「予選はオーバーステアに苦しみましたが、これはタイヤが冷えていただけで、決勝はクルマの動きもよくなりました。5月の筑波までで、クラブマンを卒業しようと思います」
と、期限付きではあるが卒業宣言をした。

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