「Legend's Roadster Race」で、中谷明彦/上田純司組が総合優勝!
静岡県の富士スピードウェイで10月20日、Legend Racing Drivers Clubが毎秋恒例となっているレジェンドドライバーたちのレースを行った。今回はマツダのロードスターを使用し、そのオーナーと組んでのリレーマッチ「Legend's Roadster Race」としての初開催。
このレースには、モータースポーツ界の先駆者であるレーシングドライバーたちが、その歴史と経験を語り継ぎ、モータースポーツのさらなる発展を願って組織したLegend Racing Drivers Club(寺田陽次郎会長)の会員が出場。
日本レース界ただひとりグランドスラム達成の長谷見昌弘、日本人としてインディ500に初めて出場したヒロ松下(松下 弘幸)ほか、最年少は60歳から最高齢は91歳(今回出場の多賀弘明)のレジェンドドライバーたちが、ガチの本気バトルを繰り広げるファン必見のエキシビションレースとして知られている。
2018年から毎年秋に開催されるのが恒例となり、従来はVITA(ヴィータ)など別のマシンを使用していたが、今回は「MAZDA FAN FESTA 2024 at FUJI SPEEDWAY」というイベントに組み込まれたこともあり、ロードスター・パーティレースⅢやマツダファン・エンデュランス(マツ耐)などに参戦しているロードスターNR-Aのオーナーに車両提供の協力を依頼。そのため今回のレースは、オーナーとレジェンドがチームを組んでのリレーマッチという形式になった。予選はレジェンドが担当し、決勝もレジェンドがスタートして7周。そしてピットで乗り換えてオーナーが6周を走り切った結果が最終の総合順位となる。
記念すべきロードスターでの初開催には、17組のチームがエントリー。
この日の富士は朝方から雨の気配が濃厚だったが、8時ジャストから15分間の予選はドライ路面で行われた。ポールポジションを獲得したのは11号車の中谷明彦。レジェンドとはいえ、つい先日の「メディア対抗ロードスター4時間耐久レース」にもCARトップ/WEB CARTOPチームのエースとして出場したばかり。大本命の予想通り、2番手に3秒以上の大差を付ける2分15秒622でポールポジションを獲得した。以下、15号車の柳田春人、5号車の佐々木秀六と続いた。
9時25分からの決勝はなんと変則ルマン式スタートを採用。あいにくなことに雨が降り出してしまい、路面はドライからウエットに途中で変わる難しいコンディションになった。ホームストレートの反対側から走ってきたオーナーがレジェンドにキーを渡してエンジン始動。そして戦闘が開始された。ポールの11号車を含めて、何台かがリモコンの電波のいたずらで出遅れる事態に。それでも中谷は慌てず騒がず、2周目にはトップに躍り出た。
なにせ中谷だけが2分17秒台で、それを追うレジェンドたちが2分23秒台なので、差は開く一方。7周目には30秒の大差を付けて最初のチェッカーフラッグを受けた。
ただし、2位争いは熱いバトルが展開された。1号車の長坂尚樹が2周目以降、6周目まではその座を守ったが、ファイナルラップを前に4号車の長谷見と15号車の柳田が急接近。結局、柳田が2位、長谷見が3位となって表彰台獲得に成功した。
レジェンドたちは8周目に全車がピットイン。その場でオーナーとドライバー交代を行い、準備ができたチームからピットロードエンドに整列した。
つまり中谷が築いた30秒の貯金もここで一度リセットされ、交代に手間取るとスタート順も変わることになる。さすがに11号車は余裕たっぷりで先頭をキープしたが、2番目には1号車、3番目には15号車が並んで、出口信号が青に変わるのを待つことになった。
それでも11号車のオーナー、上田純司は2年連続パーティレース東日本NDシリーズチャンピオンの実力を発揮した。序盤こそ1号車の竹内佑騎が少し差を詰めたが、途中からその差はコントロールされたものに変わっていった。
のちに聞くと、上田は曇り止めのためにエアコンONで走行していたとのこと。そして6番手のポジションから激走を見せてくれたのが、前日のパーティレース・ジャパンツアーシリーズでも3位入賞という16号車の三宅陽大。雨が激しくなり、トップ2台が2分30秒から31秒台で走行しているのに対して、2分28秒台を連発。ファイナルラップは2分27秒693という驚異の後半最速ラップで追い上げたが、わずかに届かず3位となった。
優勝した中谷選手コメント
「たしか5年前に初出場した時に勝って以来です。つい先日、雨の筑波でメディア対抗を走っていたのも有利ですよね。オーナーがチャンピオンということで、相方にもマシンにも恵まれました。本日の開催に尽力いただいた皆様に感謝します」
優勝した上田選手コメント
「スタートで走ったのも初めてで、S耐にも出場させてもらっているので、決勝の前は緊張しました。でも実は雨は得意な方なので、最後は楽しく走ることができました。ありがとうございます」
なお今回のレースは、レジェンドたちの優勝から3位までと、総合の優勝から3位までが主な表彰対象。Legend Racing Drivers Clubからのトロフィーのほか、協賛各社からの賞品も授与された。また、総合優勝から3位までのチームには、ブリヂストンのPOTENZA Adrenalin RE004の4本セットが副賞として用意されていた。
Legend Racing Drivers Club総合表彰式
Legend Racing Drivers 表彰式
MAZDA MOTOR SPORTS
https://www.mazda.com/ja/innovation/motorsports/
MAZDA ROADSTER NR-A
https://www.mazda.co.jp/cars/roadster/grade/nr-a/
MAZDA ROADSTER Party Race Ⅲ
https://www.party-race.com/
BRIDGESTONE POTENZA Adrenalin RE004
https://tire.bridgestone.co.jp/potenza/re004/