コーナー数172、高低差300mの「北コース」を含むコース総延長は約25km。山間部にあることから天候や気温の変化も激しく、路面のコンディションも一定ではない──レースをすることを前提とした「サーキット」というよりも、「世界一過酷なコース」という言葉こそが相応しい場所、ニュルブルクリンク。 ここを舞台として行われるのが、ニュルブルクリンク24時間耐久レースである。

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ニュルブルクリンク24時間耐久レースとは?

1970年に始まり、今では150台以上がエントリーするまでに成長したこのレースは、「参加型モータースポーツの最高峰」との呼び名でも知られている。 FIA-GT3規定に準じた「量産レーシングマシン」も、市販のセダンやクーペ、ハッチバックをモディファイしたマシンも、一般参加のプライベートチームも、自動車メーカーのワークスチームも、ここでは等しく「いち参加者」だから、というのもひとつの理由。チームの規模に関係なく、ピットを複数台でシェアしながら戦うスタイルなどは、このことを特に象徴していると言えるだろう。

また、前述したように過酷なコースであるがゆえに、速さのみならず「事故に巻き込まれない」という「運」もまた、他のレース以上にものを言う。どんなに強力な体制で臨んだとしても勝利が約束されるわけではないが、あらゆるエントラントにチャンスがある環境であるとも言える。 毎年20万人以上の観客を集めるというのも頷けるエキサイティングさが、ここにはあるのだ。

ブリヂストンとニュルブルクリンク24時間耐久レース

このニュルブルクリンクとブリヂストンとの縁は深く、最初のチャレンジは1984年にさかのぼる。 「POTENZA RE71」の開発の舞台として、当時は日本のタイヤメーカー、自動車メーカーにはほとんど知られていなかったニュルブルクリンクが選ばれたのだ。

来る日も来る日も開発のための走行を重ね、あまりのコースの過酷さにテスト車両のトラブルも相次いだほどであったが、ここでの経験はブリヂストンのスタッフの、そしてプロダクトのレベルをひとつもふたつも上へと引き上げた。 これが、日本のメーカーで初めて、ポルシェの新車装着タイヤに選ばれるという快挙にも繋がったのである。

こうした経験もあったからこそ、ブリヂストンは「人とクルマを鍛える」というコンセプトを掲げてこのレースに参戦するTOYOTA GAZOO Racingの考えに賛同。2007年に参戦を開始した。 参戦初年度はアルテッツァで、翌年からはLEXUS LF-Aでエントリーし、4年目となる2010年にはクラス優勝を達成。以来、今日に至るまでSUPER GT等で培ってきた幅広い路面温度への適応性や、高いグリップを長く保ち続ける安定性などをフィードバックしながらタイヤを進化させ続けている。

2017年シーズンの見どころ

2017年のニュルブルクリンク24時間レースは、GAZOO Racingとしては昨年の3台体制からLEXUS RC 1台のみでの参戦となる。しかしながら、そのRCは車両側で出力向上や軽量化などが図られる、タイヤとしてもサイズをアップ(ドライタイヤのみ)して2017年のレースに臨んだ。2016年末より国内サーキットで精力的にテストを重ね、2017年3月・4月にニュルブルクリンクで開催されたVLN1レースやQFレースではSP3Tクラス優勝を獲得した。そして迎えた5月末の24時間レース本線では、堅実なレース運びでクラス上位を走行し、終盤にかけてクラストップのアウディTT RS2の背中が見えるまで差を詰めたが、ゴールまで残り30分を切ったところで突然の雨。そのままスリックタイヤで走行を続けたが、ペース維持が難しくなり、ウェットタイヤに交換した。その結果、逆転はならず惜しくもクラス2位であったが、無事完走を果たした。

プライベーターからワークスチームまで、レースを愛する世界中の人々が自慢のマシンで「世界一過酷なコース」に集い、速さを競い合う「参加型レースの最高峰」。これが面白くないわけがない。1年に1度の開催ではあるが、ぜひ今後ともご注目をいただきたい。