KEI NAKAMURAがダブルヘッダーを連勝し全戦制覇のパーフェクトチャンピオン獲得!

  • 開催場所:十勝インターナショナルスピードウェイ クラブコース
  • 開催日:2023年10月15日(日) 〜 2023年10月15日(日)
2023 北海道クラブマンカップレース「TS-86/BRZ」第4戦 Race1

~モータースポーツのさらなる盛り上がりに期待して!~
モータースポーツの世界に足を踏み入れる、そのきっかけは人によりそれぞれ様々だろう。モータースポーツなどまったく興味もなかったのに、ちょっとした出来事からその世界を垣間見てしまう。十勝でのTS-86/BRZレースが始まった一昨年から、そのレースに参戦し続けている陰能裕一選手の場合もそうだった。陰能選手はトラック運送業を経営していることもあり、クルマ好きであった。そこにレーシングドライバーである織戸学選手のクルマが売りに出ているという話が舞い込んだ。織戸学選手の事は知っていたので、「織戸さんのクルマならコレクションの一台として持っていてもいいかな・・」という軽い気持ちで購入を決めたそうである。ただ、そのクルマを見ているうちに、「これはレースカーだったんだよな。だったらサーキットで走っている姿が一番似合っているんじゃないかな。ただ飾っておくのは、このクルマがかわいそうかもしれないぞ・・」と齢55歳になろうとする時に一念発起。まったくモータースポーツとは縁もゆかりもなかったが、そのゼッケン17番をつけたクルマのためにレース参戦を決めたのだそうである。
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同様に十勝TS-86/BRZレースの初年度から参戦してきたのが三浦稔呂選手。三浦選手の本業は歯科医であり、緊張を強いられる診療業務から離れた時間、気持ちを解きほぐし、さらに心を開放したいとレース参戦を選んだそうだ。
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もちろん、KEI NAKAMURA選手のように30年以上にわたってレース界に身を置き、その発展に力を注ぎ続けている選手も多い。しかし、嬉しいことに陰能選手や三浦選手のようにある程度の年齢になってからモーターレーシングを志す人たちがいるのも事実。そのためにも旧型トヨタ86レース車両の救済策として、ブリヂストンの協力により誕生したTS-86/BRZレースは重要なのである。
ちょっとした勇気と、多少の資力があれば誰にでも門戸は開かれているモータースポーツ。普段の生活では決して味わえない“非日常”の世界がそこにはある。その魅力をもっと多くの人たちに知ってもらおうと、多くのモータースポーツ関係者はその努力を惜しまず継続しているのだ。
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~タイヤ性能をどう引き出すかは勝敗のカギ!~
大排気量ビッグパワーのクルマであろうと、高性能サスペンションを装備したレースカーであろうと、そのポテンシャルを最終的に路面に伝え、走らせるのはタイヤである。よく言われることだが、路面とタイヤの接触面はわずかハガキ一枚程度なのだ。ましてやイコールコンディションのナンバー付ワンメイクレースにおいて、タイヤの管理はより重要になる。
このTS-86/BRZクラスでは、使用タイヤを一般公道も走行可能なハイグリップスポーツタイヤであるブリヂストンのPOTENZA RE-71RSに統一されており、その特性を知ることは必須なのである。三浦選手は、「新品で走り出しても10周レースの終盤ではグリップが変わってクルマが流れ始める。そのあたりを頭に入れてレース展開を考えなければなりませんね」と言う。ショップオーナーとして十勝でのサーキットトライアルにトヨタ86で参戦していた小野寺俊選手も、「タイヤ調整は大事で、前回のレースではウエットだったので相当高めの空気圧にしました。それは失敗だったんですが、それくらいのチャレンジも必要かもしれません」とタイヤを重要視する。
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そして、連戦連勝中のNAKAMURA選手、かれにピットガレージには新品からスリップサインが出る直前の2分山くらいのタイヤまで、20数本がラックに並んでいる。「新品はミゾが立っていますから、そのグリップはありますが、そこからの落ち幅が大きい。ある程度熱を入れたタイヤは走り出しから安定したグリップ感があります。さらに、天候状況による路面温度や気温変化、ドライやウエットによっても最適なタイヤは変わってきます。その状況を把握して、そこからする判断は疎かにできません」とアドバイスしてくれた。
それぞれのドライバーが、その知識や経験から戦略を考える。それがあるからこそレースの面白さが増すのだろう。

~最終戦は恒例のダブルヘッダー2連戦!~
今回のレース、午前中に予選があり、午後からはRace1とRece2の決勝2レース消化するというスケジュール。さらに予選アタックで決まるのはRace1のグリッドだけで、Race2のグリッドはRace1でのベストラップ順になるというレギュレーションに変更されたわけで、そのあたりドライバーにとっては気の抜けない1日となっていた。
●予選
午前10時40分から15分間の予選、全車一斉にコースインするが、NAKAMURAが目標だった1分37秒台のタイムをマークするとそのままピットへ。追い上げるはずの小野寺も、NAKAMURAには届かないと判断したのか4周でピットへ向かい、ほとんどの選手が早めにアタックを切り上げてしまう。


●決勝
そして迎えた決勝Race1、「なんとかNAKAMURA選手に一泡吹かせてやらなきゃ! そうじゃなきゃレースが面白くならないじゃないですか!」という意気込みで臨んだ小野寺、今回もスタートダッシュは絶妙でトップに立って第1コーナーをクリア。スタートは得意な三浦も差がなく続き、トップ集団は3台が接近戦となる。
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とはいえ、やはりNAKAMURAの勢いは上で3周目にはトップ奪還。しかし小野寺も追撃の手は緩めずテールtoノーズのバトルは最終ラップまで続くのだが、わずか1秒足らずの差でNAKAMURAがトップチェッカーを受ける。
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・シリーズタイトルを決めたNAKAMURA選手コメント
「スタートではやられましたが、チャンスはあると思っていました」
・2位の小野寺選手コメント(写真左)
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「まったくミスしないんですよ、NAKAMURA選手は・・でも接近戦で、僕がベストラップを取りましたからRace2は期待できますよ!」
・3位に入った三浦選手コメント
「前の2台が超接近バトルでしたから、何かあればチャンスが来ると思ってましたが、何も起きませんでしたね」

レース結果

コース:十勝インターナショナルスピードウェイ クラブコース

[TS86/BRZRaceクラス]

決勝

  • 開催日:2023/10/15
  • 天候:Fine
  • 路面:Dry
  • 決勝出走:5
  • 完走:5
  • (3.405km x 10laps = 34.05km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 32 KEI NAKANURA BS Bridgestone DICE・ASH・アクレ・86 10 16'37.818
2 34 小野寺 俊 BS Bridgestone シンシア★SYSTEM-R★86 10 16'38.802
3 360 三浦 稔呂 BS Bridgestone 三浦としなが歯科クリニック・86 10 16'59.160
4 33 光内 宏樹 BS Bridgestone SYSTEM-Rダイス86 10 17'02.160
5 17 陰能 裕一 BS Bridgestone ステップ昭和トラックZN6・86 10 17'07.462
[TS86/BRZRaceクラス]

予選

  • 開催日:2023/10/15
  • 天候:Fine
  • 路面:Dry
  • 決勝出走:5
  • (3.405km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 32 KEI NAKANURA BS Bridgestone DICE・ASH・アクレ・86 4 1'37.885
2 34 小野寺 俊 BS Bridgestone シンシア★SYSTEM-R★86 4 1'39.074
3 360 三浦 稔呂 BS Bridgestone 三浦としなが歯科クリニック・86 4 1'39.764
4 33 光内 宏樹 BS Bridgestone SYSTEM-Rダイス86 4 1'41.004
5 17 陰能 裕一 BS Bridgestone ステップ昭和トラックZN6・86 3 1'42.384