第3回は大谷飛雄選手です。いつも工夫を凝らした作戦で私たちを驚かせてくれるTeam NOPRO。そのチーム力の中心にいる大谷選手は、いったいどんな想いで走っているのでしょうか?

チームの調和を重んじながら、TEAM NOPROの中心でマシン開発や戦略面も担う大谷飛雄(おおたに・とびお)選手。フォーミュラやツーリングカーでの経験をベースに、現在はディーゼル車やNC型ロードスターといった他では見られないマシンでS耐に挑んでいる。2018年のチーム加入後は、経験豊富な先輩ドライバーたちのもとで多くを学び、2020年頃からは“まとめ役”としてチームを支える立場へと成長。富士24時間レースでの3連覇にも貢献してきた。その立ち位置でチームを支える背景には、レースだけでなく日々人を導くコーチングドライバーとしての視点もあった──S耐という舞台で、走りと人をつなぐリーダーの言葉に耳を傾けた。

「TEAM NOPROではチームリーダーを任せてもらっています。ジェントルマンドライバーのケアはもちろん、監督やエンジニアとの戦略のまとめ役もしています。ドライバー全員のフィードバックを聞いて、どうやったらみんなが乗りやすくなるかを考え、セッティングに反映させるようにしています。どちらかというと“号車のリーダー”っていう意識ですね。
重視しているのは、チームの調和です。今は2台体制なので、メカさんが忙しいときは『こっちは我慢するから、まずあっちやって』みたいに、自然とお互いに配慮し合えるような関係を重視しています。
うちのチームは“手弁当”でレースを支えてくれている仲間が多いんです。メカニックやサポートスタッフは、本当にモータースポーツが好きで、支えてくれている方ばかりです。だから、みんなが居心地よく、やりがいを持って動けるようにっていうのは、僕の中ですごく大事にしていることです。
近年のS耐はプロフェッショナルなチームの参戦が目立ちますが、それに刺激を受けさらなる高みを目指すことでチームが成長していると感じています。いろんなスタイルが混ざってるのがS耐の面白さですし、お客さんにとっては一度で何度も美味しいと思えるレースじゃないでしょうか。
ブリヂストンのタイヤはピークグリップが高いので、『これは本当に耐久向きに作られてるんだな』と感じています。僕らはロングスティントで戦略を組むチームなので、すごく相性が良いと思っています。
今乗っている37号車はまだ発展途上。だからこそ、速くすることが自分の役目でもあり、チームとしての課題だと思っています。自分としてはマシンを仕上げていく過程にすごく魅力を感じています。マシンが年を追うごとに戦闘力を高めていくのを、楽しみに見てくれるファンの方もいらっしゃるので、そこにしっかり応えていきたいですね。」
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ブリヂストンは、スーパー耐久を支える“ひと”の力とともに、
その想いがゴールまで届くよう、足元から走りを支えていきます。