ドライ&ウェットタイヤで
モータースポーツ参加者を支援
ジムカーナとは、1周1~2キロのテクニカルな舗装路コースを1台づつ走行し、そのタイムを競う競技だ。日本ではナンバー付きの市販車両で参加できるモータースポーツとして人気が高く、全くの初心者からハイレベルな競争を展開する上級者までレベル別に全国各地でシリーズが形成されている。一方ノーマルカーレース(N1レース)は同じく市販車両をベースにしたサーキットレースの入門編だ。これらのカテゴリーに対し、ブリヂストンは1979年の「POTENZA
RE47S」を皮切りに、専用商品を開発・販売している。
タイヤメーカー間の商品開発競争の激しさゆえに、スリックタイヤに近づいた商品を発売した時代もあったが、現在、ブリヂストンはドライ(スリック)タイヤとウェットタイヤという区分はせず、一般公道も走行するうえでの社会性及び競技参加者の経済的負担軽減を考慮し、ドライ&ウェットコンディション兼用タイヤというコンセプトのもとにタイヤ開発に取り組んでいる。
ジムカーナといえば、昔は広場にパイロンを立て、様々な角度のターンを中心にしたコースで行われることが多かったが、近年はテクニカル化、ハイスピード化が進み、レーシングカートのコースなど、いわゆる「ミニ」サーキットで開催されることも多い。レコードラインに沿
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い、1~2分の間、パーフェクトな走りが要求されるという点では、サーキットで展開されるトップカテゴリーの予選ラップにも相当する厳しさがあり、タイヤの重要度も高い。
また競技という枠を超え、スポーツドライビングの楽しみ方として、競技ライセンスがなくても参加できるサーキット走行会が盛んになってきており、この分野でも速さを追求していくユーザーが、ジムカーナ・N1レース用タイヤを購入するケースも多くなってきている。
競技性能の追求と
モータースポーツ社会への配慮の両立
「POTENZA
RE520S」は1994年に発売されたジムカーナ・N1レース向け専用商品だ。ドライ&ウェットコンディションでの運動性能の両立が図られた大胆なパタンは、同時期に発売された他社競合商品がドライコンディション指向のパタンであるなか、入門カテゴリーに見合った「ドライ&ウェット」パタンとして市場に浸透していった。
しかし、競技のコンディションとして圧倒的に多いドライコンディションでは他社商品とのコンセプト自体の違いから、苦戦を強いられることも少なくなかった。とはいえこの種の入門レベルの競技では、ドライ&ウェット兼用で使用できるタイヤを供給することによって、前述の社会性と経済性を追求していくべきというブリヂストンのポリシーは譲れなかった。そこで
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