ラリー/ダートトライアル

路面コンディションに適合させ、
細分化するタイヤパタン
 
ラリーは世界、特にヨーロッパではポピュラーで、「参加する」モータースポーツとしても、また「見る」モータースポーツとしても人気が高く、ステイタスもある。市販車両をベースに楽しめる競技として1970年代から日本でも広まり、ブリヂストンは1976年の「TIME SAVER 303」を皮切りに、1980年代以降「POTENZA」シリーズで専用商品を開発してきた。
 ラリーでは区間によって路面コンディションが多様で、各々のコンディションにおいて、十分な運動性能を発揮するようタイヤは設計されている。つまり路面コンディション別に性能の追求を行い、その結果として、路面コンディション別パタンが必要とされてきた。特に海外ラリーに比べて、短距離で平均スピードも低い国内ラリーでは、そのコースコンディションに合ったタイヤが勝敗を分ける大きなファクターであるのだ。
 1995年までのブリヂストンのラインアップは、

舗装路から硬質ダート路(国内ラリーでは舗装路でもダート向けタイヤを使用することが多い。)には「POTENZA RE360R」、硬質から軟質ダート路には「POTENZA RE46R」、泥寧路には「POTENZA RE340R」、積雪路・氷結路には「POTENZA RE320R」という4パタン構成であった。

路面状況に加えて競技特性の違いを
視野に入れたパタン設計
 一方、ダートトライアルはジムカーナ同様、クローズドコースで1台づつ走行し、タイムを競う競技だ。ジムカーナが舗装路コースでの競技であるのに対し、ダートトライアルはダート路コースでの競技である。日本の厳しい一般道路の規制に縛られることなく、専用コースで比較的手軽に走行を楽しめることから、近年ではラリーを上回る競技人口となっている。そのダートトライアルにもラリーと同様「POTENZA」シリーズが使用されてきた。
 1周1~2キロという短い距離で勝敗を決する

ラリーではそれぞれの路面に合わせたタイヤチョイスが重要だ。桜井幸彦はブリヂストンと5度の全日本タイトルを獲得した。

ート路でのタイムアップはクルマのパワーとは比例しにくい。μの低い路面にタイヤを接地させて初めてパワーが生かされる。ゆえに、タイヤは重要なファクターとなる。

ダートトラックで1台毎のタイムを競うダートトライアル。ダートトライアルとラリーの競技形態の違いはタイヤの要求特性にも大きく影響してくる。

BRIDGESTONE MOTORSPORT