POTENZA RE370R。近年のダートトライアル環境にマッチした軟質ダート路向け接地性重視のパタン。1996年に発売開始。

POTENZA RE380R。グリップ性能に加え、ダート路でのコントロール性能を重視した汎用ダート路向けパタン。1996年に発売開始。

POTENZA RE460R。1998年末に発売。競技環境を分析し、最適なスペックを設定。ラリーのほぼ全域、ダートトライアルの硬質路面をカバーする。

ラリーではドライバーが瞬時にマシンを操るためのハンドリングレスポンスやコントロール性がタイヤに求められる。且つ長距離な走行にも耐えなければならない。ダートトライアルではコースのレコードラインに乗り、いかに高いグリップ・トラクションを発揮できるかが鍵となる。

 1998年末、約2年半ぶりにブリヂストンが放った新商品「POTENZA RE460R」は既存の「RE360R」と「RE380R」の対応領域、つまり舗装路からダート路全般という幅広い領域をカバー。サイズ別にケース剛性とトレッドコンパウンドのバランス最適化を図ることで競技特性を考慮し、ラリー、ダートトライアルの各々の特性をより重視した2スペックに耐摩耗性を重視した1スペックを加え、計3スペックをラインアップ。ハイパワー化する車両に対し、接地効果を最大限に発揮できるよう大径&ワイドトレッドを採用。パタン内側は低剛性ブロックにより軟質ダート路での接地性

を、外側は高剛性ブロックによる硬質ダート路での接地性とハンドリングを重視。両フィールドでの性能を融合した非対称パタンは幅広い対応領域での運動性能向上を図った。ダートトライアル及び軟質路対応の「RE370R」と氷結路対応の「RE320R」との計3パタンで全ての競技、路面領域をカバーする商品構成となり、ユーザーの期待に応えている。

 

順調な商品開発を証明する戦績

 1980年代は世界ラリー選手権(WRC)へのスポット参戦やパリ・ダカールラリーでの優勝など、海外ラリーにも積極的に参戦してきたブリヂストンであったが、1990年代では商品開発を兼ね国内の活動を中心にサポート。ダンロップ、ヨコハマ、オーツのタイヤメーカー各社と競合し、ラリー・ダートトライアルの両フィールドで輝かしい戦績を残している。

 日本ラリー界で最速を誇った桜井幸彦選手は、長年に渡りブリヂストンをチョイスし、最多の5度の全日本チャンピオンタイトルを手中にした。特に1997年にWRCにチャレンジする以前の3年間は連続で王座を獲得している。またダートトライアルでは最激戦区C3クラスにおいて、1996年から1998年までブリヂストン装着車がチャンピオンを連取。また「RE460R」の商品開発のために1998年WRCのニュージーランド、オーストラリア両ラウンドで地元のマイケル・ゲスト選手がドライブするスバル・インプレッサに量産化検討スペックを投入。ゲスト選手は欧州のワークス勢を抑え、2戦ともグループN優勝という快挙を果たし、「RE460R」のパフォーマンスを絶賛した。

RE460Rは開発テストを兼ね1998年のWRCニュージーランド、オーストラリアの2戦に投入。マイケル・ゲストが2戦ともクラス優勝をさらった。

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