POTENZA Circuit Challengeを融合した濃密なモータースポーツ体験
eモータースポーツにおけるドライビング技術向上が目指せるレッスンプログラムのなかでも、「Bridgestone eMotorsport Institute」は、ドライビングシミュレータを使用してプロドライバーの講師から直接指導を受けられるのが大きな特徴です。
参加者はeモータースポーツの楽しさに魅力を感じスキルアップを目指している場合が多いようですが、なかには実車のドライビング技術向上にも役立てたいと考えている方も少なくありません。
そこで「Bridgestone eMotorsport Institute」では、ドライビングシミュレータによるレッスンと、モータースポーツで使用するクローズドコースでクルマのステアリングを握る走行体験を融合した特別なプログラムを実施。学びの場をバーチャルからリアルへシームレスにつなげる取り組みをスタートさせました。
実車走行体験の舞台となったのは、すでに幅広いクルマ好きが参加し、腕を磨いてきた「POTENZA Circuit Challenge」。これはスポーツ走行初心者でもサーキットで走る楽しさを感じることができる参加型モータースポーツイベントで、参加者のレベルや目標に合わせてクラス分けが行われ、プロドライバーからきめ細かいレクチャーを受けられます。
また、ショートサーキットやジムカーナ場に設けられたコースを1台ずつ走行するので、混走におけるプレッシャーがなく、サーキットデビューにもおすすめのイベントとして好評です。
■マニュアルトランスミッションで走りを楽しむこともひとつのテーマ
「Bridgestone eMotorsport Institute」と「POTENZA Circuit Challenge(PCC)」を融合した特別プログラムは、モータースポーツにおけるバーチャルからリアルへ挑戦する新しい試み。
参加者はまず、「Bridgestone eMotorsport Institute」で、PCCでのサーキット走行を想定した事前特別レッスンを2回受講しましたが、今回のプログラムでは重要なミッションが掲げられていました。それは、「マニュアルトランスミッション」を操れるようになること。
そこでドライビングシミュレータを用いてマニュアルシフトやクラッチの基本操作のほか、クルマの挙動、加減速やコーナリングにおける荷重移動などのレッスンを行いました。参加者のなかには、オートマ車しか運転したことがない方もいらっしゃいましたが、徐々にコツをつかんで実車体験に備えます。
■ヘルメットもグローブも走行車両も用意され“手ぶら”で参加OK!!
シミュレータでの反復練習を経て、いよいよサーキットでの実走行にチャレンジします。走行体験は、富士スピードウェイのマルチパーパスドライビングコースにて行われました。
当日はヘルメットやドライビンググローブもレンタルで用意されたほか、マツダ自動車の協力によりサーキット走行用のNDロードスターがPOTENZA Adrenalin RE004を装着してスタンバイ。愛車での参加も可能でしたが、多くの方がロードスターで実車走行に臨んでいました。
この手軽さも今回のプログラムの大きな魅力ですが、ドライビングシミュレータでの事前レッスンの車両はロードスターに設定して行われたため、その感覚を保ったまま実走行にトライすることができたのも好評だったようです。
講師は、スーパー耐久レースやGAZOO Racing 86/BRZ Raceで活躍している久保凜太郎選手と、全日本ジムカーナ選手権にロードスターRFで参戦しているユウ選手。お二人ともこれまでに開催されたPCCで講師を務めており、サーキット走行初心者にも分かりやすい丁寧な指導に定評があります。
■フルブレーキングに定常円旋回、限界でのクルマの挙動を感じ取る
マニュアル車両が久しぶりとなる方は、まずマニュアル操作の練習からスタート。その後、初級レッスンとして、アクセル全開から決められた位置でフルグレーキングする、ゴー&ストップの練習を行いました。これは、サーキット走行において大切な操作のひとつで、ふだん思いきりブレーキペダルを踏む機会のない参加者に、ブレーキングの感覚を掴みとってもらいます。
次に、定常円旋回を実施。微妙なアクセルワークやステアリング操作を駆使しながら、パイロンの周りで弧を描きます。コーナリングでアンダーステアやオーバーステアが出た際の対処を身につけるレッスンです。
いずれも参加者の走りを講師がチェック。ブレーキを踏む強度やアクセルオフのタイミングなど、個々の走りに合わせたアドバイスが投げかけられました。さらに、ウェット路面でのスライドコントロールを体験。この日特別ゲストとして参加した、モータースポーツ経験豊富なDJ、ピストン西沢さんの運転するロードスターの助手席に乗り、ドライ路面との挙動の違いを感じとりました。
■締めくくりは本気のタイムアタック。シミュレータレッスンの効果大!!
続く中級レッスンは、まず、ワンコーナートライを実施。また、スラローム・連続コーナートライで、速く確実なラインで走行することを目指します。
そして最後はいよいよPCC模擬走行です。パイロン設定したコースを走り、速さと正確さを競うジムカーナ形式を採用。これまでの各レッスン内容を組み合わせたオリジナルコースを1台ずつ走行し、タイム計測を行います。これを楽しみにしていたという参加者も多く、緊張の面持ちながらもレッスンの成果を確認できる機会に、実車を走らせることへの意欲が高まっていた様子でした。
PCC模擬走行は2回トライすることができ、2ヒート目はみなさん大きくタイムアップ。
「初めてのサーキット走行でしたが楽しめました」
「直接アドバイスしてもらえたので上達が早かったと思います」
「これを機にいろんなコースを走ってみたいですね」
「Bridgestone eMotorsport Instituteでレッスンをしていたので、操作に戸惑うことはありませんでした」
など、スポーツ走行の楽しさを肌で感じながら、次のステップへとさらなる向上心が湧き上がってきた方も多かったようです。
【後編へ続く】