参加者とインストラクターが感じ取ったスキルアップの新しい道筋
「Bridgestone eMotorsport Institute(ブリヂストン イーモータースポーツ インスティテュート)」では、「POTENZA Circuit Challenge(PCC)」におけるモータースポーツ体験を融合した特別なプログラムを実施。
シミュレータを使用してPCCを想定した特別レッスンを行ったのち、富士スピードウェイのマルチパーパスドライビングコースで実車のステアリングを握り、プロドライバー講師によるドライビングレッスンを受けました。 成果を確認するのは、最後に行われた「模擬PCC走行(タイムアタック)」。
ドライビングシミュレータとリアルのレッスンを融合した、この特別プログラムを体験した参加者と、レッスンを担当したインストラクターにお話をうかがいました。
まずは参加者のうち4人にインタビュー。さてプログラムの印象の印象は?
■リアルでも役に立ったドライビングシミュレータによるレッスン
山本哲也さん
実は10数年ぶりにマニュアルミッション車を運転しました。さまざまな体験ができましたが、ウェット路における同乗走行では滑り出しの感覚を感じ取ることができましたし、自らの走行でも徐々にスピードが出せるようになり、スキルアップを実感しました。
Bridgestone eMotorsport Instituteで何度も教えてもらったので、マニュアルトランスミッションでスムーズにスタートできました。またコーナリングは、シミュレータではオーバーランしがちだったのですが、繰り返し練習したおかげで実際のコースでは荷重移動を意識しながら曲がることができました。あらかじめクルマの挙動や走行感覚をイメージしたうえで、実走行に臨めたのが良かったですね。
今後は、Bridgestone eMotorsport Instituteで、同じロードスターを走らせてみて、他のコースだとどんなの違いがあるのか知りたいですね。そんなふうに経験を積み重ねたら、いつか自分のクルマでスポーツ走行に参加してみたいです。
■シミュレータによるレッスンでドライビングの基礎をしっかり固めたい
内山俊希さん
リアルでモータースポーツを楽しむのはさまざまな準備が必要だったりして簡単なことではありませんが、このプログラムは走行車両が用意されていて参加への敷居が低かったのが大きな魅力でした。
趣味でレンタルカートを楽しんでいるので、荷重移動の大切さを実感していますが、繰り返しBridgestone eMotorsport Instituteでレッスンを行えたことが今回の走行にも活かせたと思います。シミュレータのドライビングにおいては、アクセル開度やブレーキの強度などがインジケーターで確認できるので、とても参考になります。
今回の実車走行を通して、ドライビングシミュレータによる練習の効果を痛感しました。自分のレベルをさらにあげるために、Bridgestone eMotorsport Instituteでドライビングの基礎をしっかりと固めたいと思いました。
■的確なアドバイスで学びの多い1日。速くなれば、楽しさも増す
小川裕加里さん
サーキット走行を楽しみたくて、Bridgestone eMotorsport Instituteに参加しました。普段はオートマチック車両に乗っているので、個人的にも少しミッション操作の練習をしてからサーキット走行に臨みました。
実際にサーキットの施設を走るのは、今回が初めてです。初級レッスンのゴー&ストップではエンストを気にせずに、ブレーキをガンっと踏むようアドバイスされ、言われた通りにできたときにはとても気持ちよかったです。
だんだんスピードが出せるようになってくると、それに合わせて走る楽しさが増しました。コーナーの曲がり方や減速についてなど、たくさんのアドバイスをもらえて、学びが多い1日でした。まだまだ走りたい、もっとタイムアップしたいという向上心が芽生えました。いつかは自分のクルマでジムカーナに挑戦したいですね。
■日頃の運転にも活かせるアドバイスにドライビングのポイントを実感
浅田雅史さん
普段、自家用車を運転するときに、もっとスムーズに走らせたくてBridgestone eMotorsport Instituteに参加しました。そして、これまでやったことのないことにチャレンジしたくて、今回の特別プログラムへの参加を決めました。
マニュアルトランスミッション車は20年以上乗っていなかったんです。新しい経験だらけでしたが、床までアクセルを踏み込めたことを褒められたときには嬉しかったですね。これがなかなか難しくて、緊張もしましたが、とても刺激的な体験でした。
講師の久保選手からは視野を広く持つよう、目線の置き方をアドバイスされました。Bridgestone eMotorsport Instituteでも、同じようにアドバイスをもらっていたのですが、今回のプログラムでその大切さをより実感しました。日常での運転でも活かしていきたいですね。
■シミュレータと実車の違いを感じ取ることがスキルアップにつなる
武藤壮汰選手
シミュレータレッスンをどれだけこなしても、Gや音は実車で感じるものとは異なります。とくに実車で身体に感じるGは、ぜひ覚えていてもらいたい部分ですね。身体で直接感じた情報を頭に入れて、再びドライビングシミュレータに乗ると、新たな発見があるはずですから。
今回はマイカーで参加したのですが、自分の車両がこれだけ動くんだと驚きました。例えば定常円旋回は初めての体験だったのですが、実車ではこんな動きなんだと新たな発見がありました。シミュレータでやり方は分かっていても、実車でどれだけ踏んで回っていいかは分からなかった。そこを探っていくのがまた楽しかったです。
Bridgestone eMotorsport Institute、実車走行、Bridgestone eMotorsport Instituteと交互に繰り返すことで、よりドライビング技術が上達するのではないでしょうか。
■リアルでの走行の経験を通して、レースとはまた違う新しい世界が見えた
樺木大河選手
Bridgestone eMotorsport Instituteに参加されたみなさんは、車両の動きを限界付近でコントロールさせることができるようになっています。ただ、実車で同じ操作をするとなると、経験がまったくないと簡単なことではありません。実車での動きをイメージしながら、ドライビングシミュレータでレッスンすることが大切なんです。
フルブレーキや定常円旋回など、実車で限界を引き出す経験を積むことで、次のBridgestone eMotorsport Instituteでドライビング技術が大幅に伸びると思います。私自身、実車を意図的にスライドさせるのは、実は初めての体験でした。思ったようにクルマを操れると楽しいですね。練習を重ねれば、シミュレータと同じレベルでできるようになりそうです。
そんな実車による体験によって、レースとはまた違う、新しい世界が見えました。クルマでの楽しみ方の懐をより深くすることに、さらに注力していきたいと思えたプログラムでした。
■私たちのアドバイスに対する理解度の高さや柔軟さに驚きました
久保凜太郎選手
実車を走らせて、車両の限界まで追い込んだのは初めて。そんな方がほとんどだったと思うのですが、アドバイスについて飲み込みが早く、運転に反映できた方が多かったのが印象的でした。
Bridgestone eMotorsport Instituteのレッスンを経ているからこそ、アドバイスに対する理解度の高さや柔軟さがあったように思います。ドライビングシミュレータを使ったレッスンは、事故を恐れずに繰り返し行えるのがいいですよね。
実車でのサーキット走行を楽しむ入口として、ブレーキリリースやステアリング操作など、基本操作をシミュレータで学ぶのはおすすめです。これから実車でのスポーツ走行にトライしたいという方の不安を取り除くのにも有効でしょう。
限界点をさらに引き上げる補助を講師たちで行いますので、気軽に参加してもらいたいですね。じつは私も自宅にシミュレータを設置しようと本気で考えています。
■バーチャルでの体験が、リアルの学びのクオリティを高める
ユウ選手
プログラムがスタートしてすぐに感じたのは、参加者のみなさん誰もがドライビングに癖が少なくて、運転の基礎がしっかりしていたことでした。これはBridgestone eMotorsport Instituteでドライビングシミュレータによるトレーニングを積んできたからだと思います。その点においてはレッスンを進めやすかったですね。
一方、これも事前にシミュレータで練習を重ねた成果なのか、私たちが教えたことがすぐにできるようになる方が多い印象でした。リアルなモータースポーツでのスキルアップを目指すなら、当然実車による走行は不可欠ですが、手軽なドライビングシミュレータによる練習は大きな助けになると実感しました。
ちなみに、私たちが講師を務めているPCCはコースを1台ずつ走行するので、周囲のクルマを気にすることなく走行ができ、モータースポーツを始めるには打ってつけのプログラムです。長時間走行することがないので、タイヤやクルマにやさしいのも魅力ですよ。こちらにもぜひ参加してくださいね。