ブリヂストンが運営するeモータースポーツの体験型プログラム「Bridgestone eMotorsport Institute(ブリヂストン イーモータースポーツ インスティテュート)」。その概要は前編にてご紹介しましたが、本格始動を前に体験会が開催されました。後編では、体験会の参加レポートとともに、インストラクターのインタビューをお届けします。
体験会の参加者は、「Bridgestone eMotorsport Institute」が行われる、東京・麻布のブリヂストングローバル研修センターに足を運び、実際のプログラムと変わらぬ環境でドライビングシミュレータによる講習に臨みました。講習室に並んだ大人用4台、子ども用2台の筐体はアクセス社製で、挙動や剛性、構造などを徹底的に研究し開発されたもの。プロドライバーのサーキット走行練習やeモータースポーツの大会などでも使用される本格的なシミュレータです。
体験会では、イタリアのACI・ヴァレルンガ・サーキットがトレーニングコースとして設定されていました。ほかにも、イギリスのシルバーストーン・サーキットをはじめ国内外のサーキットのほか、オリジナルコースを用意されており、スキルに合わせたレッスンを行うことができます。
車両はトヨタ GT86(トヨタ86の欧州仕様)や日産 R35 GT-R、アバルト500などが用意されますが、スムーズに技術向上を図るために、基本的にはある程度限定された車種から選択を行います。なお今回は、GT86のオートマチック仕様で試すことができました。
■走りながらアドバイスを受けられるから上達が早い!!
まずはドライビングシミュレータに収まり、操作がしやすいようにペダル位置を調整します。準備が整ったら、さっそくコースイン。シミュレータの操作に慣れながら、自身の感覚で数周ドライビングします。この様子はすでに講師を務めるプロドライバーがチェックしており、アクセルやブレーキ、ステアリングなどの操作、さらにはコース取りなど13の項目について、5段階の評価を行います。
そして、この結果に基づき10段階設けられたクラスに振り分けます。大まかには、基本的な操作を学ぶ初級、設定した基準タイムをクリアする技術を学ぶ中級、限界に挑戦したり車両特性に合わせたスキルを身につける上級に分けられ、それぞれにレッスンの課題が与えられます。
体験会では初級クラスを想定して、ヴァレルンガ・サーキットの全長約1.7kmのショートコースにて、アクセルやブレーキング、コーナリングなどの基本操作を反復練習しました。ブレーキを踏むタイミングや踏力などのペダルワークについて、コーナーごとに講師からアドバイスをもらいながら周回を重ねます。サーキット走行やシミュレータの操作が初めてという初心者でも、メキメキと上達する様がうかがえました。
また、個人のスキルに合わせたレッスンが設定され、走行中にも的を射たアドバイスがもらえるので、初心者だけではなく、例えば何度もサーキットを走行したことがあるという方にも効果大。実車では躊躇するような操作の限界を試せたり、車両を傷めずに連続周回をこなすレッスンができるのは、「Bridgestone eMotorsport Institute」だからこそですね。
このように「Bridgestone eMotorsport Institute」は、タイムに伸び悩んでいる、スキルアップをしたいとなどの目的に応じて、サーキットへ足を運ばずとも、プロドライバーから技術を学べます。さらにはシミュレータによるゲームをターゲットにする方にも、非常にメリットのあるプログラムになっています。
レッスンの成果や講師からのフィードバック、スキルチェックの結果は独自のカルテに記録。次のレッスンへ引き継がれるため、常にパーソナライズされたレッスンが行われることになります。また、参加者自身も、技術の推移や克服ポイントをオンラインで確認できるので、レッスンへのモチベーションアップになることは間違いと感じました。
■インストラクターも大きな可能性を感じる新たな取り組み
今回の体験会で講師を務めていただいたプロドライバーに、「Bridgestone eMotorsport Institute」についてお話をうかがいました。
【武藤壮汰選手】
シミュレータでの走行は、実走行にも活かせる部分が多く、スーパー耐久にドライバーとして参戦したときはコース攻略などにとても役立ちました。オンラインでコーチングをする機会があるのですが、「Bridgestone eMotorsport Institute」では対面で教えることができる点が大きなメリットだと感じています。ドライビングにおいては目線がとても大切で、実際に参加者がどこを見ているのかきめ細かくチェックできるので、より効果的に教えられそうです。また、手元を見ることができるので、ステアリング操作を確認できるのもいいですね。
スタート地点でのレベルは各々違っても身につけてほしい技術は同じ。参加者それぞれに合ったレッスンを、限られた時間内で集中してアドバイスができるプログラムになっているので学びが多そうです。タイムをどんどん縮めていく喜びを、ぜひ体感してほしいですね。
【樺木大河選手】
ビギナーのみなさんも大歓迎ですが、そんな場合はまずクルマを操ることの楽しさを知っていただきたいですね。成長を実感できるように、一歩一歩ステップアップするレッスンを心がけたいと思っています。
練習を繰り返す中で、技術を身体に染み込ませることができれば、運転することへの怖さが払拭できる。私たちのアドバイスを通して、実車ドライブのためのイメージ付けをしていければと思っています。ドライビング技術の向上は、サーキット走行のためだけではなく、普段の運転においても必要なことです。いざというときの操作や同乗者の快適性を保ったり、燃費の向上などにも繋がりますから。まずはアクティビティ感覚で参加してみてはいかがでしょうか。「いつの間にか運転がうまくなっている」ということが実感できると思いますよ。
このように、「Bridgestone eMotorsport Institute」におけるレッスンの効果に、講師のプロドライバーたちも大きく期待を寄せています。シミュレータを用いてプロドライバーから直接オリジナルレッスンを受けられるプログラムを、ぜひみなさんも体験してみてください。
-「Bridgestone eMotorsport Institute」概要概要-
場所:ブリヂストングローバル研修センター(東京都港区南麻布)
開講時期:隔週の土日 2023年7月8日(土)より
営業時間:10:00~19:00(予定)
料金:
■受講料:10,000円(税込)/回
■受講カルテ(シミュレータスキル診断):15,000円(税込) ※1年毎に更新
申し込み方法:「Bridgestone eMotorsport Institute」WEBサイトより要予約
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