爺ヶ岳大会でのFUNクラスは約350台と大盛況!その中で上位を目指すブリヂストンユーザーが雑誌やインターネットでよく見るトップライダーのインプレッションとは少し違う目線で、JNCCレースインプレッションをお届けします!
この爺ヶ岳はJNCCの中でも、エンデューロコースとしてはハイスピード且つ急勾配のゲレンデ・ウッズ・ガレ場という難しいと言われる全てのセクションが組み込まれています。難しい反面、人気があり毎年多くのライダーが参戦しています。
今年はコロナの影響もあり、レース開催スケジュールが大幅に変更され、7月25日の開催となりました。
私の出場クラスはFUN-Aです。
レース週末から当日にかけて降り続けた雨の影響で、コースは最悪のマディコンディション。
今回は、タイヤの選択が何よりも要となるのを予測し、フロントE50、リヤはE50とX20の2種類を用意しました。
レース前日から強い雨が降り続いたので、リアタイヤの選択はギリギリまで悩みました。
レース当日、コースの下見をし、ゲレンデ部分が粘土状のマディだったので、フロントE50、リヤX20を装着しました。
レース時間になり、雨が降りしきる中、スタートラインに並びました。
1コーナーが左コーナーだったことから、スタート位置は左側のイン寄りを選択。
スターティングフラッグが振られ、意識は前方へ集中!
1コーナーは2番手でクリア、そして前走者を抜き、2コーナー手前でトップに抜き出て、そのまま1番手で登りのゲレンデを激走しました。そのままFUNガレ手前まではトップを維持。しかし、苦手なガレ場で抜かれてしまいペースダウン。
その後、気持ちを冷静に切り替え、トップの後方に付いて行き、隙を見てFUNウッズで抜き返しましたが、ロックンロールリバー最上流手前で抜き返され、再度ゲレンデで抜き返し、再びロックンロールリバー下流で抜き返され、何度も熱いトップ争いを繰り返しました。
1周目は2番手でゲートを通過。この時点で、バイクのパワーやリアタイヤの優位性を考えて、勝負所を得意なゲレンデとウッズに絞り、ガレ場は安全に通過するレース展開を組み立てました。
ゲレンデでトップを奪い、悔しくもガレ場で抜かれ、ウッズで抜き返すというデッドヒートの繰り返し。
レース中盤の3周目に入ると、至る所でスタックするライダーが急激に増え、ベストラインは次々と塞がれ、残されたラインの選択次第で、順位が激しく入れ替わりました。
ウッズは慎重に走ることを心掛け、ゲレンデは水粘土のような路面と化し、リヤタイヤを空転させないよう、1段高いギヤを使いグリップを意識した安定したペースでゲートをトップで通過。
レース中盤以降も雨は止まず、4周目になるとスタック者が余りに多いため、レース中ですがゲレンデやウッズにおけるコースレイアウトの急な変更箇所があり、今まで以上にスタック者が増え、ラインの選択が重要で、自分のラインが良いのかさえも判らない状況でした。
レース時間が経つにつれ、水を含んだ重い泥がバイクに着きコントロールが難しく、尚更ウッズの中では、ステップを上回る程の深さの轍が更にドンドン掘り下げられ、その轍に入ったらラインからは出れず、狭いウッズの中ではスタック者のライン開きを待つしかない状況でした。
レース終盤の5周目、ゲレンデやウッズは真っ直ぐ走ることさえ困難なコース状況に悪化し、周回遅れの人達が右往左往。路面は泥が少し掃けてきて、下の硬いスリッピーな路面が出て滑り、ブレーキは慎重にかけてもイメージ通りに止まらないの繰り返し、ラインをミスしウッズでスタックしていた人の後ろに付いてしまい後続者に挟まれ、なかなか抜け出せず、大幅に時間が掛かり、戻ってきた時にはチェッカーフラッグが振られゴールでした。
今回の爺ヶ岳は自分が参戦した今までのレースで1番過酷なコースコンディションだったと思います。
また、前後ともにチューブではなくムースを使用しているので、エアー圧としてはフロント0.7、リヤ0.6キロ位だと思います。
タイヤの選択を1番重要視しているのは、自分の得意なセクションに合わせて選び、不得意なセクションは慎重に走ることを心掛けています。
今回の状況下のフロントE50、リヤX20の選択は妥当な判断だったと思います。
テクニックやスピードだけでなく、タイヤの選択が勝利への近道であることは間違いないと強く感じたレースでした。