- 開催場所:Paul Ricard
- 開催日:2018年09月15日(土) 〜 2018年09月16日(日)
WC2018‐2019年シーズン開幕戦ボルドール24時間耐久が、9月13日から16日にフランスのポールリカールサーキットで行われた。
今シーズンも開幕戦となったボルドールは、82年の歴史を持つ大会。
舞台となるポールリカールサーキットは今年の2月にコースの舗装が全面改修となり、一部のコーナーレイアウトが変わった為、タイヤ本数規制の対象外となった。
8月末に2日間の合同テストがあり、レースウィークの火曜日にも練習走行が行われた。
今シーズンブリヂストンサポートチームは、昨シーズン世界チャンピオンに輝いたF.C.C. TSR Honda FranceとYART-YAAMAHAの2チームと、昨シーズンと同じチームだ。
レースウィークに入り、火曜日の練習走行と、木曜日からの予選、そして土日のレースと天候には恵まれ、一度も雨は降らなかった。
木曜日の午後にに行われた予選1回目では、気温27~29℃、路面温度36~42℃というコンディションの下、#7 YART-YAMAHAが暫定ポールを獲得、#1 F.C.C. TSR Honda Franceが3位と好調な滑り出しとなった。
今回はタイヤ使用本数規制が適用されないのと、予選上位5位までにポイントが付与されるという事で、金曜日の午前中に行われた予選2回目も、各ライダーがアタックを行った。
2回目の予選は、気温23~25℃、路面温度27~37℃というコンディションで、上位チームは予選2回目でタイムを更新し、ポールポジションは#11 TEAM SRC KAWASAKI FRANCE(Ka,PI)が獲得。#1 F.C.C. TSR Honda Franceが2位、#7 YART‐YAMAHAが3位と好位置からのスタートとなった。
迎えた決勝日、朝から快晴で日差しも強くなり、レースがスタートする15時では気温27℃路面温度48℃まで達し、ウィークで最も高い気温の下レースはスタートした。
スタートでトップに立ったのは#6 EWC-BMW MOTORRAD ENDURANCE(BMW,PI)だが、2周目にポールポジションの#11 TEAM SRC KAWASAKI FRANCEがトップに立ち、序盤のレースをリードし、
#1 F.C.C. TSR Honda Franceが3位、#7 YART-YAAMAHAが6位で最初のスティントを終了する。
その後4時間過ぎまでは、トップグループが4台で1位から4位までが10秒程度の僅差での争いとなり、ブリヂストンサポート2チームもしっかりとトップグループにいたが、#7YART‐YAMAHAが転倒!
他にも転倒者が出て、オイルが出た為に2回目のセーフティーカー導入となる。
この時トップ#2 Suzuki Endurance Racing Team(Su,DL)と2位#111 Honda Endurance Racing Teamの間にセーフティーカーが入り、1-2位の間隔は2分近くに開いてしまい、4位の#1 F.C.C. TSR Honda Franceも2-3位と共にトップから離されてしまう。
#7YART‐YAMAHAはピットに戻りマシンを修復し、レースに復帰するものの修理に20分近くを費やしたため、順位を25位まで落としてしまった。
その後快調にトップグループを快走していた#1 F.C.C. TSR Honda Franceであったが、6時間過ぎにマシントラブルでピットイン。約8分間でマシンを修理しレースに復帰したものの、やはりポジションを17位まで落としてしまう。
この時点で、ブリヂストンサポートの2チームは、24位から順位を挽回してきた、#7 YART-YAMAHAが16位、#1 F.C.C. TSR Honda Franceが17位とかなり厳しい戦いとなってしまった。
しかしまだまだ先は長いので、ライダー、チーム、関係者は、誰もが諦める事はなく、少しでも多くのポイントを取る事を考えて、粘り強い戦いでゴールを目指す事となった。
その後9時間過ぎまでトップを快走していた、#2 Suzuki Endurance Racing Teamがトラブルでピットイン。
代わって一度はリーダーとなった、#111 Honda Endurance Racing Teamであったが、その約1時間後にマシントラブルでピットイン。かなりの時間を要した為、上位争いから脱落してしまう。
スタートから10時間過ぎの深夜1時頃から、#11 TEAM SRC KAWASAKI FRANCEがトップに立つと、上位チームが続々と脱落した為、2位の#13 WEPOL Racing(Ya,PI)を2周差を付ける。
この時点で、#1 F.C.C. TSR Honda Franceが5位まで浮上し、#7 YART-YAMAHAも7位まで追い上げるという展開で、他のチームより速いラップタイムで更に上位を目指して終盤を迎える事となった。
その後も#11 TEAM SRC KAWASAKI FRANCEはトップを快走し、21時間経過後にな2位に4周の大差を付けて、このまま独走かと思われたが、残り2時間半となった昼の12:30頃、ピットインしマシンをピットボックスに入れて修理を始めた!一度ピットアウトしたものの、すぐに再びピットインし、修理にも時間が掛かり、3周あったアドバンテージを使い切り、レース復帰後には5位へと順位を下げた。 代わってトップに立ったのが、その直前で2位に迫る3位まで順位を上げた、#1 F.C.C. TSR Honda Franceだった!
2位争いは激しかったが、ペースの速い#7 YART-YAMAHAが#13 WEPOL Racingを突き放すと、残り55分辺りで最後のピットストップを行った、#1 F.C.C. TSR Honda Franceに対して、10秒台へと詰め寄った。
しかし残り30分辺りで、再びセーフティーカーが導入され、その間に最後のピットインを行った#7 YART-YAMAHAは、2位で復帰した。
午後3時に24時間のチェッカーが振られ、#1 F.C.C. TSR Honda Franceが劇的な逆転で優勝!
54秒遅れで#7 YART-YAMAHAが2位となり、ブリヂストンサポートチームが、海外で初の1-2フィニッシュを飾った!
◆F.C.C. TSR Honda France 総監督 藤井正和
「まさに奇跡。テストから時間の無い中で、どうなることかと思ったりもしたが、結果的にはナンバー1として最高の形で終わる事ができた。
皆さんに良い報告ができることを誇りに思う。しかし、いつも言う通り、その位置にいなければこの結果は生まれない。耐久チームはみんなその思いでレースをしている、諦めたらそこで終わり。我々もタフでしぶとい耐久チームになってきた、ということかな。」
◆株式会社ブリヂストン モーターサイクルレーシングマネージャー 山田 宏
「今回のレースは、24時間耐久レースならではの、波乱に富んだレースだったと思います。
上位のほぼ全チームがトラブルに見舞われたレースというのは、我々には経験の無かったことですが、その状況の中で、我々がサポートする2チームが、海外レースでは初めての1-2フィニッシュを飾ってくれた事を大変嬉しく思います。
優勝したF.C.C. TSR Honda Franceの皆さま、2位となったYART-YAMAHAの皆さまに改めてお祝いと感謝を申し上げます。
今回の素晴らしい成績は、ライダーは勿論、まさにチーム力の勝利だと思います。
今回は路面が新しくなって、またタイヤ使用本数制限も無かった事などから、タイヤ性能に関しては正直我々に大きなアドバンテージは無かったと感じています。
今後も更に開発を進め、サポートチームの勝利に貢献できるよう邁進していきます。」
決勝
- 開催日:2018/09/15
- 決勝出走:59
- 完走:38
- (5.673km x 698laps = 3959.754km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | J. フック/F.フォレイ/M.D.メリオ | BS | F.C.C.TSR Honda France | CBR1000RR | ホンダ | 698 | 242 | 1:55.586 | 24:01:50.590 | ||
2 | 7 | B.パークス/N.カネパ/M.フリッツ | BS | YART - YAMAHA | YZF-R1 | ヤマハ | 698 | 500 | 1:55.487 | 24:02:44.834 | ||
3 | 13 | S.ギンバート/M.ラグリーヴ/M. シェリダン | PI | Wepol Racing | YZF-R1 | ヤマハ | 697 | 1 | 478 | 1:56.571 | 24:03:06.207 | |
4 | 8 | R.スタン/S.スチェット/J. ヒューゴー | PI | Bolliger Team Switzerland | ZX-10R | カワサキ | 695 | 3 | 4 | 1:56.504 | 24:02:48.574 | |
5 | 2 | V.フィリップ/E.マッソン/G.ブラック | DL | Suzuki Endurance Racing Team | GSX-R1000 | スズキ | 691 | 7 | 120 | 1:55.620 | 24:02:35.091 | |
6 | 56 | J.パフィー/S.ケースバウマー/F.アルテンド-ファー | PI | Gert56 German Endurance Racing Team | S1000RR | BMW | 688 | 10 | 2 | 1:56.581 | 24:03:05.187 | |
7 | 11 | R. ド プニエ/J. グアノニ/D.チェカ | PI | TEAM SRC KAWASAKI FRANCE | ZX-10R | カワサキ | 687 | 11 | 240 | 1:55.651 | 24:02:54.210 | |
8 | 4 | J.エンジョルラス/K.デニス/出口 修 | DL | Webike Tati Team Trickstar | ZX-10R | カワサキ | 686 | 12 | 466 | 1:58.267 | 24:03:18.976 | |
9 | 65 | C.ケマー/G.デハーイェ/G. オルティス | PI | Motobox Kremer Racing #65 | YZF-R1 | ヤマハ | 679 | 19 | 479 | 1:57.970 | 24:01:52.711 | |
10 | 21 | K.ハニカ/D.ペレ/O.ジェジュク | BS | Mercury Racing | S1000RR | BMW | 679 | 19 | 470 | 1:57.096 | 24:02:05.238 | |
11 | 77 | M.シコペック/P.シコペック/P. ゴルカ | DL | Wójcik Racing Team | YZF-R1 | ヤマハ | 675 | 23 | 12 | 1:58.541 | 24:02:16.685 | |
12 | 44 | E.ダプイ/L. スカッサ/M.マッツィーナ | PI | No Limits Motor Team | GSX-R1000 | スズキ | 675 | 23 | 8 | 1:58.326 | 24:02:35.185 | |
13 | 777 | A.パセック/K. クルゼミエン/P. スタインメイヤー | DL | Wójcik Racing Team 2 | YZF-R1 | ヤマハ | 674 | 24 | 493 | 1:59.033 | 24:02:14.175 | |
14 | 24 | A.ロイシー/J.マッシオ/J. ハルド | DL | BMRT 3D MACCIO RACING | ZX-10R | カワサキ | 673 | 25 | 10 | 1:57.054 | 24:02:01.849 | |
15 | 333 | F.アルト/V. ロンボス/A.ティシェ | DL | Yamaha Viltaïs Pierret Experiences | YZF-R1 | ヤマハ | 672 | 26 | 3 | 1:56.502 | 24:02:50.301 | |
16 | 26 | S. フラガ/A.ピテット/K. ソルボ | DL | Zuff Racing Team | CBR1000RR | ホンダ | 670 | 28 | 461 | 2:00.517 | 24:02:48.105 | |
17 | 61 | B. ランブレヒト/N. ワラベン/M. ブフナー | DL | MOTOTECH EWC TEAM | YZF-R1 | ヤマハ | 662 | 36 | 545 | 1:58.091 | 24:02:31.363 | |
18 | 55 | E. ヨンチィエレ/S.エゲア/G. ゴウゲット | PI | National Motos | CBR1000RR | ホンダ | 660 | 38 | 108 | 1:57.557 | 24:02:22.379 | |
19 | 34 | D.ミッレ/S. ラガー/G. モンテスーツ | DL | JMA MOTOS ACTION BIKE | GSX-R1000 | スズキ | 660 | 38 | 82 | 1:59.764 | 24:03:03.015 | |
20 | 121 | O. ルーアート/E. ペピン/C. ブラード | BS | FALCON RACING | YZF-R1 | ヤマハ | 659 | 39 | 57 | 2:01.250 | 24:02:09.332 |