• 開催場所:鈴鹿サーキット
  • 開催日:2019年07月28日(日) 〜 2019年07月28日(日)
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 ブリヂストンにとって14連覇がかかる2019鈴鹿8時間耐久ロードレース。さらにF.C.C. TSR Honda France(ブリヂストン)がランキング3位からの大逆転タイトルをねらう最終戦となったため、ブリヂストンとして世界耐久2連覇にも挑むことになった。今年の鈴鹿8耐はヤマハ、ホンダ、カワサキの3メーカーがファクトリー体制を組んだことで注目度が上がった。Red Bull Honda(ブリヂストン)、YAMAHA FACTORY RACING TEAM(ブリヂストン)、Kawasaki Racing Team(ブリヂストン)と、その3チームすべてがブリヂストンタイヤを装着。いずれのチームも公開テストで好タイムをマークしており、ブリヂストンは盤石の体制でレースウイークを迎えた。



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 世界耐久選手権(EWC)のレギュレーション変更で例年よりも一日早い水曜日から走行が始まった。EWCチームに対する公平さを保つための措置だ。前日まで梅雨本番の天候が続いていたが、水曜日から急に気温が上昇し、真夏の様相。各チーム共に調整を行なう。しかし急なコンディション変化のためか、転倒車が続出。赤旗でたびたび中断という荒れたスタートとなった。木曜日も好天に恵まれ、最高気温も30.4度まで上昇。午後には最後のテスト走行が行なわれた。26670のトップタイムをマークしたのはホンダファクトリーのRed Bull Hondaだった。引き続き好天に恵まれた金曜日の公式予選はチームの全ライダーの平均タイムで順位が決まる。YAMAHA FACTORY RACING TEAMが暫定ポールポジション、Kawasaki Racing Team2番手、Red Bull Honda3番手と、順当な結果となった。以下MuSASHi RT HARC-PRO.Honda(ブリヂストン)、YOSHIMURA SUZUKI MOTUL RACING(ブリヂストン)、世界耐久フル参戦のYART-YAMAHA(ブリヂストン)、F.C.C. TSR Honda Franceau・テルル MotoUP RT(ブリヂストン)、S-PULSE DREAM RACINGIAI(ブリヂストン)とトップ10トライアル進出上位10台のうちブリヂストン勢が9台を占めた。土曜日は台風の影響で朝から大雨に見舞われた。午前中の4時間耐久レースは予定どおりにスタートしたものの、途中で悪天候のために3時間経過前に赤旗。そのままレース成立となった。そして午後のトップ10トライアルはキャンセル。グリッドは金曜日の公式予選で決定となった。なお、予選4番手を獲得したMuSASHi RT HARC-PRO.Hondaのペナルティが発覚。予選時にタイヤに貼るべきステッカーの貼付位置に手違いがあったのだ。このためピットから90秒後のスタートというペナルティ内容が発表された。



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 日曜日はすっかり雨が上がった。スタート直前のウオームアップランでau・テルル MotoUP RT長島哲太が転倒。ピットで修復をするところから始まる受難のレースに。 一方、9番手スタートから絶妙なスタートを切ってホールショットを奪ったのはS-PULSE DREAM RACINGIAIブラッドリー・レイ。チーム代表でエースライダーでもある生形秀之は金曜日の朝のフリープラクティスで転倒、ドクターストップにより決勝出場は叶わなかった。生形の悔しさを引き受けたかのような目の覚める好スタート。オープニングラップで首位奪取は、大逆転チャンピオン獲得をねらうF.C.C. TSR Honda France ジョシュ・フック。3周目にはYOSHIMURA SUZUKI MOTUL RACINGシルバン・ギュントーリがトップ浮上。この3チームにYAMAHA FACTORY RACING TEAMKawasaki Racing TeamRed Bull Hondaが加わり6台がトップ集団を形成する。時間が経過すると共に優勝争いはRed Bull HondaKawasaki Racing TeamYAMAHA FACTORY RACING TEAMのファクトリー3チームに絞られた。Red Bull Hondaは清成龍一を投入せずに高橋とブラドルを交互にコースに出す。Kawasaki Racing Teamはトプラク・ラズガットリオグルの出番はなくジョナサン・レイとレオン・ハスラムが交代でライディング。YAMAHA FACTORY RACING TEAMは中須賀克行、アレックス・ロウズ、マイケル・ファン・デル・マークがきっちり順番どおりに走行。Red Bull HondaKawasaki Racing Teamはほぼ1時間ごとにピットワークをこなし、Red Bull Hondaはヤマハとカワサキよりも5周ほど遅れてピットに入った。この3チームはピットのタイミングや走行するライダーによって順位を入れ替える。



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 最後の30分を迎えようとしているころ、コース上に大きな異物に乗って転倒した車にあやうく巻き込まれそうになったKawasaki Racing Teamレイ。さらに30分を切ったころに雨粒が落ちてくるというドラマチックな展開に。さらに、ほぼ世界タイトルを手に入れたかに思えたSuzuki Endurance Racing Teamから残り5分で白煙が出る。Kawasaki Racing Teamはトップでゴールを目指し、ほぼ優勝を手に入れたかと思われた残り2分。SERTのマシンからオイルがまかれていたのか、はたまた降雨のためか、Kawasaki Racing Teamレイが転倒。赤旗が提示され、そのままレースは終了。いったんは2番手を走行していたYAMAHA FACTORY RACING TEAMが優勝、Red Bull Honda2位、F.C.C. TSR Honda France 3位で表彰式が行なわれた。その後、カワサキから抗議が出され、審議の結果Kawasaki Racing Teamが優勝、YAMAHA FACTORY RACING TEAM2位、Red Bull Honda3位に変わった。二転三転したこの結果にライダーたちは一様に戸惑いを見せながらも「なんにせよ力を尽くした」と語っていた。また、90秒も遅れてのスタートと大きなハンディを背負ったMuSASHi RT HARC-PRO.Hondaは見事な追い上げを見せて7位でゴールした。



◆◆ 株式会社ブリヂストン 執行役員 日本タイヤ経営企画担当 中田勇一 コメント◆◆


26年振りの優勝を果たした Kawasaki Racing Teamの皆様に、心より御祝い申し上げます。昼間は8耐らしい酷暑、夕刻の最終スティントでは雨もぱらつくコンディションの中、最後まで接戦のレースが展開されました。このような状況において当社のタイヤが十分に性能を発揮して勝利に貢献することができたことを大変誇らしく思っております。また、タイヤサプライヤーとして14年連続で鈴鹿8耐優勝チームの足元をサポートできたこと、優勝に加えてブリヂストンタイヤ装着チームが表彰台を独占できたことも大変嬉しく、素晴らしい成績を修められたチームと関係者の皆様と、このよろこびを分かち合いたく存じます。弊社は、今後もさらに技術を磨き上げ、最高のタイヤ作りを弛まず目指して参ります。」







レース結果

コース:鈴鹿サーキット

決勝

  • 開催日:2019/07/28
  • 決勝出走:64
  • 完走:53
  • (5.821km x 216laps = 1257.336km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 10 L.ハスラム/T. ラズガットリオグル/J.レイ BS Bridgestone Kawasaki Racing Team Suzuka 8H ZX-10RR カワサキ 216 200 2:06.805 07:55:36.613
2 21 中須賀 克行/A.ロウズ/M.V.D.マーク BS Bridgestone YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 ヤマハ 216 174 2:07.290 07:55:55.333
3 33 高橋 巧/清成 龍一/S.ブラドル BS Bridgestone Red Bull Honda CBR1000RR SP2 ホンダ 216 65 2:07.246 07:56:43.340
4 1 J. フック/F.フォレイ/M.D.メリオ BS Bridgestone F.C.C.TSR Honda France CBR1000RR SP2 ホンダ 215 1 118 2:08.271 07:57:14.500
5 12 加賀山 就臣/渡辺 一樹/S.ギュントーリ BS Bridgestone ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000 スズキ 215 1 6 2:08.140 07:57:35.207
6 7 B.パークス/M.フリッツ/N.カネパ BS Bridgestone YART - YAMAHA YZF-R1 ヤマハ 214 2 5 2:08.414 07:56:53.579
7 634 X. フォレス/D.エガーター/水野 涼 BS Bridgestone MuSASHi RT HARC-PRO.Honda CBR1000RR SP2 ホンダ 213 3 87 2:08.017 07:55:34.724
8 95 T.ブライドウェル/B.レイ BS Bridgestone エスパルドリームレーシング・IAI GSX-R1000 スズキ 211 5 81 07:55:36.392 07:55:36.392
9 19 高橋 裕紀/小山 知良/T.ハーフォス PI KYB MORIWAKI RACING CBR1000RR SP2 ホンダ 211 5 2 2:09.586 07:56:33.701
10 72 濱原 颯道/伊藤 真一/作本 輝介 BS Bridgestone Honda Dream RT 桜井ホンダ CBR1000RR SP2 ホンダ 211 5 147 2:09.481 07:57:21.654
11 22 Z.ザイディ/A.イズディハール/名越 哲平 BS Bridgestone Honda Asia-Dream Racing with SHOWA CBR1000RR SP2 ホンダ 210 6 11 2:10.362 07:57:12.971
12 11 J. グアノニ/E.ニゴン/D.チェカ PI TEAM SRC KAWASAKI FRANCE ZX-10RR カワサキ 209 7 125 2:10.475 07:55:47.250
13 111 R. ド プニエ/Y.エルナンデス/S.ギンバート DL Honda Endurance Racing CBR1000RR SP2 ホンダ 209 7 113 2:09.550 07:57:32.889
14 8 N. ワラベン/D. バカン/出口 修 PI Bolliger Team Switzerland ZX-10R カワサキ 207 9 5 2:11.757 07:55:58.687
15 6 K.フォレイ/J.D.コスタ/M.ギネス PI ERC-BMW Motorrad Endurance S1000RR BMW 207 9 155 2:11.466 07:56:25.530
16 96 A.ティシェ/N. テロル/D.ウェブ DL TEAM FRONTIER CBR1000RR スズキ 207 9 7 2:11.147 07:57:19.062
17 25 亀井 雄大/日浦 大治朗/田所 隼 BS Bridgestone Honda Suzuka Racing Team CBR1000RR SP2 ホンダ 206 10 91 2:09.551 07:54:51.206
18 14 P.シコペック/J. エリソン DL OMEGA MACO RACING YZF-R1 ヤマハ 206 10 102 2:11.462 07:56:01.771
19 71 津田 拓也/A.S.カマルザマン/G.ルブラン DL TK SUZUKI BLUE MAX GSX-R1000 スズキ 206 10 122 2:11.372 07:56:02.573
20 87 今野 由寛/J. エリオット DL TEAM R2CL SUN CHLORELLA GSX-R1000 スズキ 205 11 145 2:13.016 07:57:13.312