• 開催場所:Paul Ricard
  • 開催日:2019年09月19日(木) 〜 2019年09月22日(日)
2019-2020 FIM EWC Rd.1 ボルドール24時間:悪天候により12時間中断となり大波乱のレースに!
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FIM 世界耐久選手権 (EWC)の2019-2020シーズン第1戦 ボルドール24時間がフランス・ポールリカールで開幕。南フランス マルセイユから東に40kmほどにあるLe Casutellet (ル・キャステレ)にあるこのサーキットは1.8kmの長いストレートを持ち、EWCマシンで340km/h以上の最高速をマークする。
フランス語で「金杯」を意味するボルドール (Bol d'Or)は耐久レースの中でも歴史があり今年で83回目の開催。
昨年始めにコースの路面が全面改修されたが、今年も多くのコーナーで路面が補修されている。今シーズンからタイヤステッカーによる本数制限が撤廃され、予選のみ本数制限が適用されるようになったが、今回は新路面となる為に予選でも本数制限無しが適用される。
ブリヂストンがタイヤをサポートしているのは昨シーズン同様2チーム。昨シーズンゼッケン1を付けて連覇を狙ったが、惜しくも届かず、再びチャンピオン奪回を目指すゼッケン5 F.C.C. TSR Honda Franceと昨シーズンはシリーズランキング4位となったゼッケン7 YART-YAMAHA。

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木曜日から公式スケジュールが始まり、午前中に2時間のフリー走行が行われ、#7 YART-YAMAHAがトップタイム、#5 F.C.C. TSR Honda Franceが3番手タイムをマークし、両チーム共に好調さをアピール。
午後から行われた予選1回目。最初に走行した青腕章ライダーでYART-YAMAHAのL.バズは2番手、F.C.C. TSR Honda FranceのJ.フックは4番手。
続く2人目の黄腕章ライダーはYART-YAMAHAのM.フリッツとF.C.C. TSR Honda FranceのF.フォレイがセッション前半に1-2番手のタイムを記録。セッション中盤でコース上にオイルが出た為、赤旗が掲示されセッションが中断。この間に雨がポツポツと降り始め、セッション再開の時には路面はウエットに。これでタイム更新はならず黄腕章ライダーのセッションが終了。
3人目赤腕章ライダーはレインタイヤを装着してウエット路面の中を走行。滑りやすい路面の中、YART-YAMAHAのN.カネパが4番手、F.C.C. TSR Honda FranceのM.ディメリオは6番手となった。
翌日金曜日は快晴の中、予選2回目が行われた。
1人目青腕章ライダーのセッションではYART-YAMAHAのL.バズが前日のタイムを更新しトップ。F.C.C. TSR Honda FranceのJ.フックもタイム更新で2番手とこのセッションではBS勢が1-2。
続く2人目、黄腕章ライダーではYART-YAMAHAのM.フリッツが2番手、F.C.C. TSR Honda FranceのF.フォレイが6番手となるが前日のタイムは更新できず。
3人目赤腕章ライダーは前日がウエットでの走行だった為、予選2回目のタイムは大幅に更新。YART-YAMAHAのN.カネパがトップタイムを記録。F.C.C. TSR Honda FranceのM.ディメリオはタイムが伸び悩み、5番手となった。
ライダー3人のベストタイムのアベレージで決定するスタートグリッドは#7 YART-YAMAHAが1'53.701でポールポジションと予選でのポイント5を獲得。2番グリッドは昨シーズンの#1 WEBIKE SRC KAWASAKI FRANCE(Ka,PI)、3番手に#5 F.C.C. TSR Honda Franceとなり、3ポイントを獲得した。

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決勝スタートの朝を迎えた土曜日。天気予報では午後から雨が降る可能性が高い。11:30から始まるウォームアップ走行ではポツポツと雨が落ちてきていた。
セッション後半にはウエットタイヤで走行するライダーが多くなり、レースが雨になった時のマシンセッティングを行っていく。

スタート時間を迎えた15:00。小降りの雨が降っており、路面上は完全なウエットコンディション。全車スタート時はウエットタイヤを装着している。
フランス国旗が振られ、56人のライダーがマシンに走り寄り24時間の長いレースがスタート。抜群のスタートダッシュを見せたのは#2 Suzuki Endurance Racing Team(Su,DL)。#5 F.C.C. TSR Honda France、#7 YART-YAMAHAもトップ集団で走行する。3周後に#5 TSRがトップとなるが、その数周後には#77 Wojcik Racing Team(Ya,DL)がトップに立つ。
雨は時折弱くなり、路面上の水量は常に変化している。レース序盤は#77 Wojcik Racing、#5 TSR、#7 YARTの3台が後続を引き離してトップ集団を形成。しかし1時間が経たない頃にセーフティカーが介入し全車スロー走行。1コーナーでオイルが出た模様で30分近く処理を行われた。
セーフティーカー介入中にピットインし、ライダー交代やタイヤ交換をするチームがある中、#5 TSRはギリギリまで走行を続け、トップ集団では最後にピットイン。その後にセーフティーカーが解除となり、数周後トップに立ったのは#2 SERT。
レースも2時間30分が経過した頃、雨が少し強くなり始め、ブレーキングで転倒するライダーが増え始めた。この影響で2度目のセーフティーカーが介入。
その後、路面上の水量増と強い風の影響でレース続行が危険と判断され赤旗が掲示された。状況の回復を待ち、レース再開のタイミングを見ていたが、状況は回復せず続行は不可能と判断され、オーガナイザーからレース再開は翌日朝6時と発表された。

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翌日早朝時間のポールリカールサーキットは風は吹いているが雨は止んでいる。路面はまだウエットだが路面上の水量は少ない。
予定通り、6時からスタートとなるが始めはセーフティーカーが介入し、中断時点の順位で各車スロー走行。約15分後にセーフティーカー解除となりレースが再開された。
すぐにトップに立ったのはBS勢#5 F.C.C. TSR Honda FranceのF.フォレイ。後ろには#77 Wojcik Racing TeamのG.レイ、#7 YART-YAMAHAのN.カネパがつけ、周回を重ねていくうちに#5 TSRはペースを上げ後続をジリジリと引き離していく。
レース再開後、1時間が経つ頃にピットインしてくるライダーが多いが、まだドライタイヤでの走行は早いと判断し#5 TSR、#7 YARTの2チームは新品のウエットタイヤに交換。ライダーは交代せずにコースインしていく。
2時間が経つ頃、ピットインした#7 YARTは徐々に乾いてきた路面に変化してきたと判断。ドライタイヤに交換し交代したL.バズがピットアウト。数分後に#5 TSRもピットイン。ライダーはM.ディメリオに交代しタイヤはドライタイヤに交換。
この時点でトップは#5 TSR、2位は#7 YARTとBS勢の1-2。特に#7 YARTのL.バズはラップタイムが速く、ピットアウト後にペースが上がらない#5 TSRのM.ディメリオをパスしてトップに浮上。
ピットインのタイミングが#5 TSRより早い#7 YARTは残り6時間を切る前にピットイン。タイヤ交換と燃料補給を行うがライダーは交代せずL.バズが継続して走行。
ピットに入るタイミングの違いによりこの時点で#5 TSRは再びトップとなるが、残り6時間を切ったあたりでモニターにはコース外で止まっている#5 TSRのマシンが映し出された。
マシントラブルが発生した模様だが、その際にオイルがコース上に出てしまったらしく、そのオイルにのって#7 YART、#1 SRC KAWASAKIが同じコーナーで転倒。さらに数台が転倒してしまうが、この時#7 YARTと#1 SRC KAWASAKIのマシンから出火し大きな炎が立ち上がっている。
消火活動を行うためにセーフティーカーが介入。#5 TSRのM.ディメリオはマシンを押してピットに戻ってくるが修復不可能と判断。
この時点でトップ争いをしていたBSサポートチーム #5 F.C.C. TSR Honda Franceと#7 YART-YAMAHAはボルドール24時間レースでリタイヤとなってしまった。

◆青木信治 - 株式会社ブリヂストンMCタイヤ開発部長
「2019-2020シーズン開幕戦 ボルドール24時間は天候悪化によりスタート後、3時間が経過しないうちに翌朝6時まで中断と波乱の幕開けとなりました。レース中断前のウエットコンディションでは我々が準備したレインタイヤが良いパフォーマンスで速いラップタイムで走行していました。レース再開後はウエットからドライに変化していく難しいコンディションの中、水量の少ないウエット路面と所々乾き始めたダンプ路面でのレインタイヤ、走行ライン上が乾いてきてドライタイヤでの走行とあらゆるコンディションで良好に作動するタイヤスペックを準備出来た事は我々にとって大きな成果だったと思います。レースは残念な結果となってしまいましたが、ライダーに怪我が無かった事は幸いで、改めて耐久レースの厳しさを痛感しました。これからも我々はレースを通じてあらゆるコンディションでも安全で高い性能を持つタイヤ開発を行い、皆様に提供出来るよう開発を続けて参ります」

レース結果

コース:Paul Ricard

決勝

  • 開催日:2019/09/21
  • 決勝出走:56
  • 完走:44
  • (5.673km x 313laps = 1775.649km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 2 V.フィリップ/E.マッソン/G.ブラック DL Suzuki Endurance Racing Team GSX-R1000 スズキ 313 236 1:55.70 24:00:24.2 54
2 77 G. レア/C.バーグマン/A.マウリン DL Wójcik Racing Team YZF-R1 ヤマハ 312 1 290 1:55.68 24:02:08.575
3 37 I. ミハルヒク/J.パフィー/K.フォレイ DL BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM S1000RR BMW 311 2 206 1:55.537 24:00:35.677
4 14 P.シコペック/B. エストメント/K.ハニカ DL OMEGA MACO RACING YZF-R1 ヤマハ 310 3 282 1:56.257 24:01:09.525
5 333 F.アルト/F. マリノ/R. ブリンク DL VRD IGOL PIERRET EXPERIENCES YZF-R1 ヤマハ 310 3 286 1:56.032 24:01:49.935
6 4 A.ティシェ/K.デニス/J.エンジョルラス DL Tati Team Beaujolais Racing ZX-10R カワサキ 310 3 271 1:55.954 24:02:19.561
7 9 C.ヘデリン/A.マスボウ/D.ペレ MI TECMAS - BMW S1000RR BMW 309 4 212 1:57.013 24:00:51.968
8 36 M.ルシアーナ/A.プランカッサグネ/M.ビーチェット PI 3ART - MOTO TEAM 95 YZF-R1 ヤマハ 307 6 256 1:56.721 24:00:45.069
9 55 E. ヨンチィエレ/S.エゲア/B. ギテット DL National Motos CBR1000RR SP ホンダ 307 6 164 1:57.494 24:01:42.315
10 8 J.ブーン/S.スチェット/N. ワラベン PI Bolliger Team Switzerland ZX-10R カワサキ 304 9 225 1:56.530 24:01:50.911
11 61 G.ファストレー/V. ロンボス/L. クレソン DL MOTOTECH EWC TEAM YZF-R1 ヤマハ 304 9 301 1:56.627 24:02:16.514
12 71 G.ルブラン/浦本 修充/C.リーシュ MI SUZUKI JEG - KAGAYAMA GSX-R1000 スズキ 298 15 286 1:56.632 24:02:19.902
13 26 B. ルー/K. ソルボ/M. ギラルディ DL Zuff Racing Honda SwissTeam CBR1000RR SP2 ホンダ 291 22 251 1:58.179 24:01:27.785
14 90 B.レワンドウスキィー/D.ヴィンコン/M. ノイマン PI Team LRP Poland S1000RR BMW 290 23 183 1:58.439 24:01:46.479
15 196 F. ボットグリエリ/R. グラ/J. オリビエ DL FSB MATT RACING YZF-R1 ヤマハ 288 25 268 1:59.680 24:00:32.067
16 53 N. トーニ/P. ダン/L. ヴァルシュヒューター PI Bertl K. Racing Team S1000RR BMW 288 25 285 1:57.137 24:02:16.398
17 98 F. ランシエン/R. ルーボー/P. ヴァラウリ DL EMRT YZF-R1 ヤマハ 274 39 191 2:03.012 24:00:40.111
18 31 J. レイルトン/D. ファーン/J. ブラックショウ DL British Endurance Racing Team GSX-R1000 スズキ 265 48 147 1:59.239 24:00:55.538