- 開催場所:グリーンパーク弘楽園
- 開催日:2021年11月27日(土) 〜 2021年11月28日(日)
第5戦近畿大会の中止により、全6戦のシリーズとなった今季の全日本モトクロス選手権。その最終戦は、本来なら5月上旬に開催予定だった第2戦中国大会となった。会場は、広島県南東部の山中にある世羅グリーンパーク弘楽園。アップ&ダウンに富むダイナミックなコースとして知られる。
乾いて締まるとかなりハードパックになる弘楽園だが、各クラスの予選が実施された土曜日に小雨が時々降ったことや、日曜日の早朝に気温が氷点下まで下がって霜が降りたことで、土曜日と日曜日午前中は土が適度に水分を含んだ状態。ただし、日差しと乾いた空気により、日曜日午後には土ボコリが多く舞うほどまで土が乾いた。
今大会に向けてブリヂストンは、IA1およびIA2のランキング上位選手に対して、来年2月発売予定となっている新しいミディアムタイヤのBATTLECROSS X31を、路面状況に応じて先行投入できるよう準備。実際のレースは、予想よりも路面が柔らかめの状態が長く保たれ、基本的にはソフトタイヤのBATTLECROSS X20がマッチする環境だったが、路面がハード傾向になった日曜日午後には、何名かのライダーがX31を履いてレースに臨んだ。
日没を考慮したタイムスケジュールにより、他のクラスと同じくIA2も決勝のレース時間が5分短縮され、25分+1周の2ヒート制。#2大城魁之輔(Honda,BS)が、ケガによりシーズン後半に2大会連続ノーポイントとなった#4内田篤基(Kawasaki,BS)を31点リードしたランキングトップで今大会に臨んだ。
■決勝ヒート1
予選をトップで通過したIAルーキーの#34柳瀬大河(Honda,BS)が、オープニングラップでトップに浮上。ケガからの復帰レースとなったランキング2番手の#4内田篤基(Kawasaki,BS)は4番手、この内田より前でゴールすれば確実にシリーズタイトル獲得が決まる#2大城魁之輔(Honda,BS)は5番手で、1周目をクリアした。2周目、大城は内田らを抜いて3番手。3周目には中島漱也(Yamaha,DL)をパスして、大城が2番手に浮上した。
内田は3周目以降に順位を落とし、レース中盤からは9番手を走行。大城はトップの柳瀬に迫ると、4周目に逆転してこの周に約2.5秒のリードを奪った。その後、大城はアドバンテージを約4秒に拡大。柳瀬も必死に喰らいつき、2番手をキープした。ところがラスト2周となった14周目、柳瀬が走行中に肩を脱臼して転倒リタイヤ。これによりレースは大城が独走で勝利を収め、大城のチャンピオンが確定した。
ブリヂストンにとっては2013年以来のIA2シリーズタイトル獲得となった。
■決勝ヒート2
セクションによっては土ボコリが舞うほどまで路面が乾いた状態でレースがスタート。ヒート1で負傷した#34柳瀬大河(Honda,BS)は出走をキャンセルした。#4内田篤基(Kawasaki,BS)がスタート直後に2番手の位置を確保すると、西條悠人(Kawasaki,DL)を抜いてトップに浮上。2周目、内田と西條が激しいトップ争いを繰り広げると、その隙に距離を詰めたチャンピオンの#2大城魁之輔(Honda,BS)が一気に両者を抜き、先頭に立った。
その後に内田は順位を下げ、最終的にはリタイヤ。一方、トップに立った大城はレース中盤までに4秒ほどのアドバンテージを築くと、安定したペースで周回を重ねてトップをキープした。レース終盤、5番手を走っていた森優介(Honda,DL)がマシントラブルでリタイヤして、1周目11番手から追い上げていた#35鳥谷部晃太(Yamaha,BS)が5番手浮上。レースは15周でチェッカーとなり、大城が両ヒート優勝を達成し、鳥谷部が5位に入賞した。
●大城魁之輔(決勝ヒート1/優勝、ヒート2/優勝)
「内田篤基選手のケガにより運よくランキングトップとなりましたが、今シーズンここまで自分が思い描いていたような好成績は残せていなかったので、優勝してチャンピオンを確定させないとシーズンが締まらないと考えていました。勝利が足りないという気持ちが強かったので、両ヒート優勝で最終戦を終えることができて、本当に気持ちいいです。これも、支えてきてくれた方々のおかげです。自分は“X20信者”で、どのコースでもX20ばかり使っていたのですが、このコースでの事前テストでX31を履かせてもらったところ、フィーリングの良さに驚きました。今大会は、土曜日の小雨と日曜日早朝の霜で路面が柔らかめだったので、決勝のヒート1までは前後ともソフト路面用のX20をチョイスしましたが、ヒート2はかなり路面が乾いてきたので、リヤのみミディアムのX31を選択しました。フロントにX20を残したのは、事前テストのときほどハード傾向ではなかったことが理由。ヒート2もグリップは完璧で、初の両ヒート優勝をタイヤが支えてくれました」
決勝
- 開催日:2021/11/28
- 決勝出走:30
- 完走:27
- (1.7km x 15laps = 25.5km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 大城 魁之輔 | BS | Honda Dream Racing Bells | CRF250R | ホンダ | 15 | 6 | 1:47.89 | 27:33.43 | ||
2 | 6 | 大倉 由揮 | DL | bLU cRU TEAM KOH-Z LUTZ with 秀光ビルド | YZ250F | ヤマハ | 15 | 8 | 1:48.60 | 27:38.68 | ||
3 | 10 | 中島 漱也 | DL | YAMALUBE RACING TEAM with レーシングチーム鷹 | YZ250F | ヤマハ | 15 | 5 | 1:48.70 | 27:39.56 | ||
4 | 15 | 鈴村 英喜 | DL | TEAM HAMMER ホンダ学園 | CRF250R | ホンダ | 15 | 11 | 1:49.45 | 27:42.27 | ||
5 | 7 | 川上 龍司 | PI | bLU cRU YSP大阪箕面 | YZ250F | ヤマハ | 15 | 3 | 1:49.59 | 27:44.62 | ||
6 | 48 | 田中 雅己 | DL | Team Kawasaki R&D | KX250F | カワサキ | 15 | 6 | 1:49.55 | 27:45.15 | ||
7 | 22 | 森 優介 | BS | Team ITOMO | CRF250R | ホンダ | 15 | 4 | 1:48.82 | 27:56.95 | ||
8 | 3 | 浅井 亮太 | DL | bLU cRU フライングドルフィン サイセイ | YZ250F | ヤマハ | 15 | 15 | 1:49.80 | 27:57.66 | ||
9 | 4 | 内田 篤基 | BS | マウンテンライダース | KX250 | カワサキ | 15 | 10 | 1:50.93 | 28:02.85 | ||
10 | 01 | 福村 鎌 | BS | 98%レーシング | RM-Z250 | スズキ | 15 | 5 | 1:51.24 | 28:14.24 | ||
11 | 17 | 鴨田 翔 | DL | BLITZ | KX250 | カワサキ | 15 | 6 | 1:51.56 | 28:16.24 | ||
12 | 03 | 阿久根 芳仁 | BS | マウンテンライダース | KX250 | カワサキ | 15 | 3 | 1:51.66 | 28:17.42 | ||
13 | 5 | 西條 悠人 | DL | ピュアテックレーシング | KX250 | カワサキ | 15 | 15 | 1:52.00 | 28:17.56 | ||
14 | 35 | 鳥谷部 晃太 | BS | bLU cRU TEAM エム FACTORY | YZ250F | ヤマハ | 15 | 15 | 1:50.97 | 28:19.46 | ||
15 | 38 | 近藤 雄紀 | BS | Team SBE | RM-Z250 | スズキ | 15 | 14 | 1:51.29 | 28:20.02 | ||
16 | 9 | 池田 凌 | BS | マウンテンライダース | KX250F | カワサキ | 15 | 2 | 1:51.48 | 28:23.00 | ||
17 | 20 | 土屋 元希 | BS | 京都ボブキャット | KX250 | カワサキ | 15 | 3 | 1:50.90 | 28:29.51 | ||
18 | 21 | 神田橋 瞭 | DL | Team 輪生館 | KX250F | カワサキ | 15 | 4 | 1:51.95 | 28:36.28 | ||
19 | 32 | 佐野 雄太 | DL | ジュニアライダース | KX250 | カワサキ | 15 | 5 | 1:52.64 | 28:41.93 | ||
20 | 14 | 佐々木 麗 | MI | bLU cRU Y's racing with 東北トラス | YZ250F | ヤマハ | 15 | 6 | 1:53.22 | 28:45.67 |
決勝
- 開催日:2021/11/28
- 決勝出走:29
- 完走:27
- (1.7km x 15laps = 25.5km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 大城 魁之輔 | BS | Honda Dream Racing Bells | CRF250R | ホンダ | 15 | 4 | 1:48.58 | |||
2 | 6 | 大倉 由揮 | DL | bLU cRU TEAM KOH-Z LUTZ with 秀光ビルド | YZ250F | ヤマハ | 15 | 3 | 1:49.13 | 27:38.54 | ||
3 | 15 | 鈴村 英喜 | DL | TEAM HAMMER ホンダ学園 | CRF250R | ホンダ | 15 | 3 | 1:49.01 | 27:41.85 | ||
4 | 48 | 田中 雅己 | DL | Team Kawasaki R&D | KX250F | カワサキ | 15 | 10 | 1:49.30 | 27:46.31 | ||
5 | 35 | 鳥谷部 晃太 | BS | bLU cRU TEAM エム FACTORY | YZ250F | ヤマハ | 15 | 14 | 1:49.82 | 27:48.16 | ||
6 | 10 | 中島 漱也 | DL | YAMALUBE RACING TEAM with レーシングチーム鷹 | YZ250F | ヤマハ | 15 | 12 | 1:50.44 | 27:52.30 | ||
7 | 01 | 福村 鎌 | BS | 98%レーシング | RM-Z250 | スズキ | 15 | 8 | 1:50.44 | 27:59.05 | ||
8 | 7 | 川上 龍司 | PI | bLU cRU YSP大阪箕面 | YZ250F | ヤマハ | 15 | 14 | 1:50.76 | 28:01.22 | ||
9 | 3 | 浅井 亮太 | DL | bLU cRU フライングドルフィン サイセイ | YZ250F | ヤマハ | 15 | 8 | 1:50.12 | 28:05.73 | ||
10 | 5 | 西條 悠人 | DL | ピュアテックレーシング | KX250 | カワサキ | 15 | 14 | 1:49.79 | 28:08.89 | ||
11 | 21 | 神田橋 瞭 | DL | Team 輪生館 | KX250F | カワサキ | 15 | 10 | 1:50.81 | 28:12.61 | ||
12 | 17 | 鴨田 翔 | DL | BLITZ | KX250 | カワサキ | 15 | 11 | 1:51.20 | 28:16.38 | ||
13 | 20 | 土屋 元希 | BS | 京都ボブキャット | KX250 | カワサキ | 15 | 3 | 1:51.87 | 28:19.18 | ||
14 | 03 | 阿久根 芳仁 | BS | マウンテンライダース | KX250 | カワサキ | 15 | 12 | 1:51.61 | 28:20.15 | ||
15 | 38 | 近藤 雄紀 | BS | Team SBE | RM-Z250 | スズキ | 15 | 15 | 1:50.76 | 28:20.29 | ||
16 | 32 | 佐野 雄太 | DL | ジュニアライダース | KX250 | カワサキ | 15 | 7 | 1:53.25 | 28:40.35 | ||
17 | 19 | 眞野 凌輔 | BS | SRF関東オートスポーツ清水 | RM-Z250 | スズキ | 15 | 14 | 1:53.03 | 28:43.02 | ||
18 | 09 | 橋本 俊平 | DL | KTMうず潮レーシング福山 | 250SX-F | KTM | 15 | 4 | 1:52.97 | 28:48.51 | ||
19 | 14 | 佐々木 麗 | MI | bLU cRU Y's racing with 東北トラス | YZ250F | ヤマハ | 15 | 15 | 1:52.88 | 28:50.04 | ||
20 | 24 | 小笠原 大貴 | MI | Y’S レーシング | YZ250F | ヤマハ | 15 | 15 | 1:52.65 | 28:50.93 |