【2022年全日本モトクロス選手権 Rd.2 関東大会 IA2クラス】 池田凌がヒート2で4位、柳瀬大河がヒート2で5位、横澤拓夢が両ヒート6位

今季の全日本モトクロス選手権シリーズは、4ヵ所のコースで全7戦を予定。4スト250ccまたは2スト125ccマシンを使用して若手中心で競われるIA2は、開幕戦では決勝レース時間が15分＋1周となる3ヒート制が導入されたが、第2戦関東大会は通常どおりとなる30分＋1周の2ヒート制で競われた。

大会の舞台となった埼玉県のウエストポイント オフロードヴィレッジは、荒川と入間川に挟まれた河川敷のフラットな土地に設けられた、タイトターンとジャンプが多くて幅が狭いスーパークロス風レイアウトを特徴とするコース。昨春の全日本開催以降、レイアウトやジャンプまたはリズムセクションのセッティングには変更が加えられたものの、依然としてスーパークロスを想起させる。

大会前から予選が実施された土曜日の朝にかけてまとまった量の雨が降り、土曜日のコースはマディコンディション。お昼前ごろから急激に天候は回復したが、重たい泥が路面を覆い続けた。そのため予選日は、インフィールドセクションをすべてキャンセルしたショートカットコースを使用。路面が荒れるのを防いで翌日に備えた。

迎えた決勝日の天候は曇り一時晴れで最高気温20℃。フルコースに戻され入念な整備が施されると、表面の泥が取り除かれて硬めの地面が露わに。朝の段階では土が多くの水を含んだ柔らかい場所も混在しており、硬い路面もこれまたスリッピーだったが、次第に乾いてきたことでお昼ごろにはほぼベストコンディションになった。午後も好天に恵まれ、ホコリが舞うセクションがあるほど路面状況は改善された。

■決勝ヒート1
#18 福村鎌（Suzuki,BS）が1周目2番手と好発進。#6 池田凌（Kawasaki,BS）が同5番手、#10 柳瀬大河（Honda,BS）が8番手、#36 横澤拓夢（Honda,BS）が9番手からのレースとなった。2周目、池田が6番手に後退。3周目には、池田の背後にいた柳瀬が転倒して後退し、焦る柳瀬はさらにもう一度転んで24番手まで順位を下げた。2番手の福村は、トップの鴨田翔（Kawasaki,DL）を約2.5秒差で猛追。しかし4周目にミスして、4番手に後退した。

　

5周目になると、この福村や池田と横澤を含む6台が、接戦の3番手争いを開始。この中で福村と池田は順位を落としてしまったが、横澤は粘りをみせて踏みとどまった。そして10周目に、福村を抜いて横澤が6番手に浮上。これ以降、横澤は前との距離を広げられてしまったが、20周を走破して6位でチェッカーを受けた。福村は8位、13周目のミスなどで一時は11番手まで下がった池田が9位、柳瀬は追い上げがうまく機能せず14位でのゴールとなった。

■決勝ヒート2
スタート直後、#6 池田凌（Kawasaki,BS）が3番手を確保。西條悠人（Kawasaki,DL）の先行を許したが、池田は4番手で1周目をクリアした。#10 柳瀬大河（Honda,BS）は7番手とまずまずの位置となったが、#36 横澤拓夢（Honda,BS）は再び大きく出遅れて1周目14番手。それでも、横澤は2周目に11番手、4周目に10番手、5周目には9番手まで追い上げてきた。3周目には、柳瀬が2台の先行を許して9番手に後退。一方で池田は4番手をキープした。

柳瀬は踏みとどまってペースを上げ、5周目には8番手、7周目には7番手まで回復。池田は、8周目にジェイ・ウィルソン（Yamaha,DL）の先行を許して5番手に後退。その後は、後方から迫ってきた浅井亮太（Yamaha,DL）や柳瀬と僅差の5番手争いを繰り広げた。しかしここは池田が制し、さらに柳瀬が浅井をパス。15周目に3番手を走っていた鴨田翔（Kawasaki,DL）が転倒リタイヤしたことで、池田が4位、柳瀬が5位となった。横澤は再び6位まで追い上げてゴールした。

●横澤拓夢（決勝ヒート1／6位、ヒート2／6位）
「第1戦HSR九州大会では、予選でマシントラブルが発生。自分にとっては今大会が実質的な開幕戦となりました。予選日はヘビーマディ、決勝日は土に水分が多く含まれた朝の状態から徐々にドライコンディションとなっていく難しい路面コンディションでしたが、タイヤは日曜日朝の公式練習まで軟質路面用のBATTLECROSS X20をチョイス。しかし決勝レースでは、リヤのみミディアム路面用のX31を履きました。これは、かなり路面が乾いてきていたのと、前日までの雨によりホコリがあまり舞うことがない状況だったので、いつもの全日本みたいにハードな散水がされることはないだろうと読んだためです。結果的にそこは合っていたのですが、決勝ヒート1ではスタート直前にちょっとマシンに不具合が発生し、これが気になって思うように走れず。ヒート2はスタートで完全に出遅れてしまい、どちらも6位という不本意な成績に終わってしまいました。次戦は、約2ヵ月のインターバルを挟んで地元・東北のスポーツランドSUGOで開催。ジェイ・ウィルソン選手に一矢報いるためにも、しっかり立て直して臨みたいと思います」