【2022年全日本モトクロス選手権 Rd.4 近畿大会 レディースクラス】川井麻央がヒート1で今季初表彰台の3位、ヒート2でも粘りの走りを続けて連続3位を獲得！

全7戦で競われる今季の全日本モトクロス選手権シリーズ。約2ヵ月間の長い夏休みが明け、第4戦近畿大会が三重との県境近くに位置する奈良県の名阪スポーツランドで開催された。
昨年、一昨年と新型コロナウイルスの感染拡大による影響で中止されたことから、近畿大会が実施されるのは3年ぶりとなる。カートコースなどもある名阪スポーツランドのモトクロスコースは、山の斜面に設けられていて、コースの序盤と終盤を上段、中盤を谷側となる下段にレイアウト。サンド質の路面を大きな特徴とする。

今大会は、金曜日の豪雨で路面に大量の水が含まれた状態で土曜日を迎え、各クラスの予選やレディースクラスの決勝ヒート1は、転倒やスタックが続出する状況。水はけのよい路面と日曜日の高温および強い日差しで、決勝に向けて路面状況は大幅に改善されたが、それでも一部区間にはぬかるみが残った。コースレイアウトは、最後に全日本が実施された2019年と比べて、幅が狭い区間やツイスティなセクションが増加。水を含んだ柔らかい路面には走行によって多くのワダチやギャップが刻まれ、攻略が非常に難しい状況となった。
レディースクラスは、今季初の2ヒート制を導入。決勝レース時間は通常と同じ15分＋1周で、土曜日にヒート1、日曜日にヒート2が実施された。なお予選では、荒れた路面に苦戦して多くのライダーがファステストラップタイムから150％以内のベストラップタイムを記録することができずに予選落ち扱いとなり、決勝出走は16台となった。

■決勝ヒート1
開幕からここまで苦戦が続いていたディフェンディングチャンピオンの#1 川井麻央（Honda,BS）が、ホールショットを奪ってスタート直後からトップを走行。ポイントリーダーの#4 小野彩葉（Honda,BS）はやや出遅れたが、それでも5番手まで順位を上げた。ところが、1周目の後半で小野は転倒を喫して11番手まで後退。一方の川井は、後続を3秒ほど離しつつトップで1周目をクリアした。
2周目、川井はリードをさらに約1秒拡大。ところが3周目に入ったところで転倒し、久保まな（Honda,DL）と楠本菜月（Husqvarna,DL）に次ぐ3番手まで順位を落とした。その後、川井は懸命に前を追ったが、終盤にはミスも重なり前後の間隔が大きい単独走行の3番手に。そのままの位置でゴールした川井は、3位で今季初表彰台登壇となった。小野は7位でゴールしている。

■決勝ヒート2
#1 川井麻央（Honda,BS）は、本田七海（Yamaha,DL）に次ぐ2番手でスタート直後の1コーナーを立ち上がったが、畑尾樹璃（Honda,DL）の先行を許し、1周目を3番手でクリア。#4 小野彩葉（Honda,BS）は1周目5番手からのレースとなった。2周目、畑尾と川井と楠本菜月（Husqvarna,DL）が僅差の2番手争いを開始。3周目には畑尾が6番手まで順位を下げた。
ようやく畑尾の攻略に成功した川井だったが、同じ周に楠本の先行を許して3番手のまま。その背後には小野が一度は近づいたが翌周以降に遅れ、代わりに久保まな（Honda,DL）が迫ってきた。そして残り2周となった8周目、川井は久保に抜かれて4番手後退。しかし最終ラップで2番手の楠本が転倒して後退したことから、川井は3位となった。小野は7周目に転倒を喫し、7位となった。

●川井麻央（決勝ヒート1／3位、ヒート2／3位）
「今シーズンは、開幕から第3戦まで優勝どころか表彰台に立つことすらできず、2ヵ月間の夏休みは練習やトレーニングに取り組み、挽回できるよう努めてきました。その結果としてまずは今季初表彰台に立てたので、それは少しうれしいのですが、やはり勝てなかったことが悔しいです。ヒート1は苦手なスタートが決まり、これは次戦以降の自信にもつながると感じました。ヒート2は、序盤からあまりうまく乗れておらず、ある程度は攻めの走りをしようとしたら今度は全体のリズムが掴めず、最後まで淡々と周回している感じになってしまいました。残念ながら、サンドやマディに向くBATTLECROSS X10にはスモールホイール用の製品サイズ設定がないので、タイヤは土日ともに軟質路面用のX20で走行。X20はかなり幅広い路面状況に対応できるタイヤなのですが、さすがに大量の水を含んだサンド路面ではさすがに厳しさがあります。そういう状況で、両ヒートとも表彰台に立てたのは収穫。残り3戦は得意なコースが続くので、諦めることなく戦っていきます」