【2023年全日本モトクロス選手権 Rd.3 SUGO大会 IA2クラス】横澤拓夢がヒート1で3位、ヒート2で4位に入賞し、両ヒート総合成績では2位を獲得！

今季の全日本モトクロス選手権シリーズは、全9戦の設定。その第3戦は、宮城県のスポーツランドSUGOで開催された。
モトクロス以外にもロードレースやトライアル、エンデューロやスーパーモトの全日本選手権を開催している、複合モータースポーツ施設のスポーツランドSUGO。かつて実際に世界選手権が開催されたこともあるインターナショナルモトクロスコースは、ふたつの丘にまたがるように設けられている。コースは昨年9月に大幅改修が施され、以前と比べてジャンプやリズムセクションやコーナーアウト側のバンクが減り、全体としてはややフラットな印象に。今大会では、この基本レイアウトを踏襲しつつ、各部のセッティングに変更が加えられた。序盤に待ち受ける上り急こう配の「大坂」をはじめ、土地そのものが持つ起伏を活かした豊富なアップ＆ダウンは健在。コース後半の「ヨーロピアンセクション」など、ハイスピード区間も多い。

天候は土曜日が曇りのち晴れで、日曜日は晴れ一時曇り。大会直前の金曜日は全国各地が猛烈な降雨に見舞われたが、SUGOのコースにはそれほど大きな影響がなく、土曜日の段階からドライコンディションでの走行となった。さらに、予選終了後にコースのほぼ全周が耕されたことから、日曜日の決勝はよりベストなコンディションで迎えることになったが、強い日差しと高めの気温、激しく吹き荒れた風によりどんどん路面が乾き、午後はハードパックの区間がかなり増え、走行により大量の土ボコリが舞う状況だった。
若手と中堅の選手が中心となるIA2クラスの決勝は、前戦に続いて30分＋1周の2ヒート制とされた。

■決勝ヒート1
ホールショットの西條悠人（Kawasaki,DL）が1周目途中で転倒し、オープニングラップは田中淳也（Yamaha,DL）を中島漱也（Yamaha,DL）や#11 阿久根芳仁（Kawasaki,BS）、ビクトル・アロンソ（Yamaha,DL）、#5 横澤拓夢（Honda,BS）らが追う展開となった。阿久根は、3周目にアロンソ、4周目に横澤の先行を許して後退。7周目には、ポジションを落とした田中を横澤が抜き、これで横澤が3番手に浮上したが、この段階で2番手のアロンソは4秒ほど先行していた。
レースが後半に入ると、一度は2秒ほど離れた田中が再び横澤の背後に接近。さらに、1周目7番手から追い上げてきた#18 池田凌（Kawasaki,BS）もこの2台に迫った。池田の数秒後方では、阿久根と#12渡辺陵（Yamaha,BS）が6番手争い。14周目、阿久根が激しくクラッシュしてリタイアとなった。横澤と田中と池田の3番手争いはレース終盤まで続いたが、ラストラップとなった16周目に横澤がややリード。これにより横澤が3位、池田が5位、渡辺が6位となった。

■決勝ヒート2
再び西條悠人（Kawasaki,DL）がホールショット。これに#20 佐野雄太（Kawasaki,BS）とビクトル・アロンソ（Yamaha,DL）が続いた。1周目、佐野はアロンソに抜かれて3番手に後退。さらに#12渡辺陵（Yamaha,BS）も佐野をパスし、5番手以下には#18 池田凌（Kawasaki,BS）、中島漱也（Yamaha,DL）、#5 横澤拓夢（Honda,BS）が続いた。4周目、トップ争いを繰り広げる西條とアロンソを僅差でマークしていた渡辺が転倒。9番手まで順位を下げた。
渡辺の転倒で3番手に返り咲いた佐野の背後には、5周目に池田をパスした横澤が接近した。さらに抜かれた池田も横澤のマークを続け、佐野と横澤と池田による三つ巴の3番手争いがスタート。しかし10周目に池田がミスで3秒ほど遅れた。佐野はレース終盤まで順位を死守。最後に横澤を少し引き離した。そしてレースは16周でチェッカー。佐野がIA昇格4年目で初表彰台となる3位、横澤が4位、最終ラップで横澤に迫った池田が5位、転倒後に追い上げた渡辺が6位となった。

●横澤拓夢（決勝ヒート1／3位、ヒート2／4位）
「この大会は、土曜日の予選から本当に調子がよく、予選は組別トップ。そのため決勝では、有利なスターティンググリッドを選ぶことができたのですが、それにもかかわらず決勝ではどちらのヒートもスタートで出遅れてしまいました。
ヒート1は1周目5番手なので、それほど悪いわけではないのですが、自分のプランとしてはもっと前のポジションでレースを組み立てたいと考えていました。ヒート2はそれよりもさらに出遅れ。午後は路面が乾き、散水作業が追いつかずかなり大量の土ボコリが舞う状態だったので、より追い上げに苦労することになりました。パッシングまでのプランを組み立て、それを実行するため前を走るライダーに近づくと、ホコリで前が見えない……という状況。しかも、ヒート1と比べて速いラインが限られ、それ以外の場所を走るとスリッピーで、3位が狙えるポジションにいたのに逆転することができませんでした。
タイヤは、ずっと軟質路面用のBATTLECROSS X20をチョイス。しかしヒート2は、予想よりも散水がかなり少なく、路面が硬いセクションも多かったので、それだったらミディアム路面用のX31を選んでもよかったかもしれないと思いました。
追い上げのレースは本当に体力を消耗するので、今回はとにかく疲れましたが、自分の調子がいいことは十分に確認できたので、これを次戦につなげて本当に1勝したいです」