【2023年全日本モトクロス選手権 Rd.5 北海道大会 IA1クラス】ヒートⅠでは富田俊樹、ヒートⅡでは大倉由揮が2位。富田はヒートⅡも3位で表彰台登壇！

今季の全日本モトクロス選手権シリーズは全9戦の設定。その第5戦北海道大会は、千歳市の新千歳モーターランドで実施された。
北海道での全日本モトクロス開催は、2013年以来じつに10年ぶり。今大会は全道モトクロス選手権と併催され、全日本格式のクラスはIA1とIA2のみで、予選と決勝をすべて日曜日に実施するワンデースケジュールが用いられた。
舞台となった新千歳モーターランドのダート・モトクロスコースは、新千歳空港の近くに位置。アップダウンがそれほどない広大な敷地に、土地の起伏を活かしながら広めのコース幅でレイアウトされた、ダイナミックなハイスピードコースだ。路面はドライコンディション。基本的には火山灰に由来するサンドに近い土質で、走行によりウネリやギャップが多く発生した。

全国的な猛暑が続く日本列島。北の大地も例外ではなく、札幌では最高気温が30℃を超える日が続いてきた。千歳市は若干涼しく、さらにレースが開催された日曜日は時々小雨が舞う曇り空となったことから、僅かながら猛暑は緩和。しかし湿度は高めで、最高気温28℃ながらかなりの暑さが感じられた。
全日本最高峰クラスとなるIA1は、タイムアタック方式で予選を実施。そして決勝は、ヒート1が25分＋1周、ヒート2が15分＋1周で競われた。

■決勝ヒート1
1周目をトップでクリアしたジェイ・ウィルソン（Yamaha,DL）が、2周目に転倒して5番手後退。
#12 道脇右京(Honda,BS)、#1 富田俊樹(Yamaha,BS)、#8 内田篤基(Kawasaki,BS)、ウィルソンによる2番手争いの集団が形成されたが、4周目にはウィルソンが集団の先頭に立ち、道脇はこの周から順位を下げた。また、1周目の転倒で大きく出遅れていた#6 大倉由揮(Honda,BS)は、4周目に再び転倒して順位を下げた。5周目の段階で、上位勢はウィルソン、#2 能塚智寛(Kawasaki,DL)、富田、内田のオーダー。やや遅れて#7 大塚豪太(Honda,BS)が5番手を走行していた。
6周目、富田は能塚をパス。2番手に浮上した富田は、4秒ほど先行していたウィルソンを追ったが、レース終盤にかけ両者のギャップは5秒前後で推移した。7周目に能塚が転倒し、これで内田が富田と約2秒差の3番手。内田から大きく遅れて大塚が4番手、この周に#5 小方誠(Honda,BS)を抜いた#4 大城魁之輔(Honda,BS)が5番手となった。
レース終盤、内田が富田の背後に接近。しかしラスト2周で内田のラップタイムが落ちた。そしてレースは15周で終了となり、富田が2位、内田が3位、大塚が4位、大城が5位を獲得した。大倉は7位でゴールしている。

■決勝ヒート2
スタート直後に#7 大塚豪太が転倒。最後尾からのレースとなった。ホールショットはジェイ・ウィルソンが獲得し、#5 小方誠、#6 大倉由揮、#2 能塚智寛、#1 富田俊樹が続いて1周目をクリア。
2周目には、#8 内田篤基が6番手に浮上してきた。4周目にはウィルソンが約4秒のリードとなり、2番手の小方には大倉、この2台から約6秒離れた能塚には富田が肉迫。翌周、大倉は小方をパスして2番手、富田は能塚を抜いて4番手に順位を上げた。
6周目の段階では、ウィルソン、大倉、小方、富田、能塚までのトップ5台がそれぞれ3～4秒間隔となり、能塚の2秒ほど後方に内田が続いた。7周目、大倉はトップのウィルソンに約2.5秒差まで接近。しかし翌周以降、ウィルソンのペースアップと大倉のペースダウンにより、再びギャップが広がった。
そしてレースは10周でチェッカーとなり、大倉は2位を獲得。8周目に小方をパスした富田が3位、7周目に能塚を攻略した内田が5位となった。前戦で負傷した影響が残る#4 大城魁之輔は、ペースが上がらず9位に終わった。

●富田俊樹（決勝ヒート1／2位、ヒート2／3位）
「ヒート1は、路面がかなり荒れている状況で25分＋1周のレースだったので、コース攻略がカギとなり、体力勝負にもなるだろうと考えて臨みました。25分というレース時間の中で、路面状況への対応ということに関してはうまくできたと思います。ジェイ・ウィルソン選手が一度転倒したので、チャンスはあるかもと思いましたが、やはり甘くはありませんでした。抜かれたときの勢いからすると、レース終盤にかけてウィルソン選手にギャップをコントロールされていた感じ。完全に実力不足ですが、とはいえ今の自分にできることは精一杯発揮できたと思っています」
「ヒート2は、スタート直後に内田篤基選手とぶつかって出遅れたのですが、混戦の中でなんとか5番手まで順位を上げられました。前が離れ気味でしたが、路面が荒れていて何が起こるかわからない状況だったので、コース攻略に徹して走行。レース時間が短かったので、3番手の小方誠選手に追いつけるか途中で不安になりましたが、表彰台圏内は確保できました。タイヤは、フロントにソフト路面用のBATTLECROSS X20、リアにサンドやマッドに適したBATTLECROSS X10をチョイス。このコースの定番セレクトです。意外と路面が硬い区間もあるので、リアもX20という選択肢も一瞬考えましたが、スタート区間は柔らかいのでX10のほうが有利だし、事前練習からこの組み合わせで乗り込んできたので、ギャンブルするほどの勇気はありませんでした」