• 開催場所:オフロードヴィレッジ(埼玉)
  • 開催日:2023年10月28日(土) 〜 2023年10月29日(日)
【2023年全日本モトクロス選手権 Rd.8埼玉トヨペットCUP  IA2クラス】スポット参戦したブライアン・スーが全ヒートで表彰台に上がり、ヒート3では優勝!
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今季の全日本モトクロス選手権シリーズはラスト2戦となり、第8戦埼玉トヨペットCUPが、今季第2戦でも使用された埼玉県のウエストポイント オフロードヴィレッジで開催された。
コースは荒川と入間川に挟まれた河川敷に設けられていて、スーパークロス風のレイアウトを特徴としてきた。ただし、昨秋の全日本実施前に大幅なリニューアルが施され、以前とは逆の反時計回りにされると同時にフラットな中高速セクションを追加。今大会は、そのレイアウトを基本的には踏襲しながら各部の仕様が変更されたコースが使われた。
若手と中堅のライダーが中心となるIA2クラスは、最高峰のIA1クラスと同じく、土曜日にレース形式予選、日曜日に3ヒートの決勝を実施するスケジュール。土曜朝の集中豪雨による影響で、土曜日はショートカットコースが用いられ、予選時間も7分+1周に短縮された。ただし、土曜日の昼前からは晴れ間に恵まれ、路面状況が次第に回復。日曜日も朝に雨が降ったものの、降雨量は前日ほど多くなく、決勝はフルコースに戻され、当初の予定どおり15分+1周の3ヒート制で競われた。なおオフロードヴィレッジの路面は粘土質で、乾けば締まってハードパックになるが、水分を含むと深いワダチが発生しやすく、固い部分は非常に滑りやすくなる。
ブリヂストン勢では、#5 横澤拓夢(Honda,BS)がビクトル・アロンソ(Yamaha,DL)と18点差のランキング2番手で今大会を迎えた。また、自身4度目のIA1シリーズタイトルを獲得した2021年に現役を引退した山本鯨氏が率いるTeam YAMAMOTOから、ドイツ人の父親と台湾人の母親を持つブライアン・スー(#81)がスポット参戦。モトクロス世界選手権MX2のスズキファクトリーチームに在籍した経験もあるスーの走りにも注目が集まった。

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■決勝ヒートⅠ
ホールショットの#18 池田凌(Kawasaki,BS)を、すぐに#13 福村鎌(Suzuki,BS)がパス。この2台にビクトル・アロンソ(Yamaha,DL)や鴨田翔(Kawasaki,DL)、#5 横澤拓夢(Honda,BS)が続いて1周目をクリアした。2周目、横澤に次ぐ6番手には#81 ブライアン・スー(Honda,BS)が浮上。翌周、スーが横澤を抜いて5番手に順位を上げ、池田はアロンソの先行を許して3番手に後退した。
トップを走っていた福村は5~6周目に順位を下げ、スーがさらに追い上げ、先頭集団はアロンソ、スー、鴨田、福村、池田のオーダーに。
レース終盤、2番手のスーはアロンソからやや遅れ、背後には鴨田が接近した。さらに、2秒ほど後方では福村と池田、4秒ほど遅れて中島漱也(Yamaha,DL)と横澤が接近戦。しかし最後まで順位は変わらず、11周のレースでスーが2位、福村が4位、池田が5位、横澤が7位となった。

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■決勝ヒートⅡ
ホールショットの鈴村英喜(Honda,DL)を、鴨田翔(Kawasaki,DL)とビクトル・アロンソ(Yamaha,DL)が追ってレースがスタート。ここに#18 池田凌(Kawasaki,BS)も加わり、1周目を3番手でクリアした。
2周目、後方から追い上げてきたのはスポット参戦の#69 森優介(Honda,BS)。勢いに乗る森は、翌周に鈴村をパスして2番手に順位を上げたが、5周目以降にペースダウンして順位を下げた。
クラッチトラブルを抱える#81 ブライアン・スー(Honda,BS)は、レース前半こそ6番手をキープしていたが、7周目からペースアップ。8周目に中島漱也(Yamaha,DL)、9周目に池田をパスして4番手に順位を上げると、9周目には3番手の鴨田に1~2秒差まで迫った。
迎えた最終ラップの10周目、トップ走行中だったアロンソがマシントラブルでリタイア。これでひとつ順位を上げたスーが3位、池田が5位となった。

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■決勝ヒートⅢ
#81 ブライアン・スー(Honda,BS)が好スタートを決めると、1周目前半で鴨田翔(Kawasaki,DL)をパスしてトップに浮上。さらに#5 横澤拓夢(Honda,BS)が2番手にポジションアップした。2周目にはトップグループが早くも縦に長くなり、スーと横澤は約3秒差に。スーはさらにハイペースで周回を重ね、4周目の段階ですでに7~8秒のアドバンテージを築いて独走状態となった。
一方、2番手の横澤も鴨田を3~4秒引き離すことに成功したが、8周目にはその鴨田を抜いてビクトル・アロンソ(Yamaha,DL)が3番手に浮上。9周目以降、シリーズタイトルを争う横澤とアロンソが、接近戦を繰り広げた。横澤はしぶとく順位を守ったが、最終ラップとなった11周目の途中で逆転を許して3番手後退。レースはスーが勝利を収め、横澤は3位となった。今大会の結果、ランキングトップのアロンソと2番手につける横澤のポイント差は28点に拡大した。

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●ブライアン・スー(決勝ヒート1/2位、ヒート2/3位、ヒート3/優勝)
「日本のみなさん、初めまして。ずっと日本でレースがしたいと思っていたので、ようやくそのチャンスを得られてうれしく思っています。今回は、山本鯨さんが率いるTeam YAMAMOTOのおかげで参戦でき、初めて乗るバイクとコースに最初は戸惑い、決勝レースはヒート1とヒート2でトラブルもありましたが、最終的に勝つことができました。ブリヂストンのモトクロス用タイヤは、随分前に一度履いたことがあったはずですが、そのときのフィーリングはまるで覚えておらず、実質的には今回初めて使用する状態。とはいえ、ヨーロッパでもモトクロスレースの分野でトップ3に入るタイヤメーカーであることはもちろん知っていたので、クオリティを信頼してレースに挑むことができました。土曜日は、降雨の影響でかなり土が柔らかかったので、リヤはサンドやマディの路面に適したBATTLECROSS X10を選択。日曜日はコンディションが回復したので、前後とも軟質路面用のX20で決勝に臨みました。X20はトラクション性能にも優れ、安定したターンが可能な点も武器だと感じました。決勝のコンディションでは優れたグリップ力も発揮してくれて、それもヒート3の独走優勝につながりました。日本のみなさんはフレンドリーに接してくれて、最高の経験ができました。また機会があれば、ぜひ日本でレースしたいです!」

●横澤拓夢(決勝ヒート1/7位、ヒート2/6位、ヒート3/3位)
「ビクトル・アロンソ選手と18点差のランキング2番手で迎えた大会でしたが、チャンピオン争いのことはほとんど意識しておらず、それよりもすべてのレースで勝ちたいと思って、コンディションを整えてきました。しかしヒート1とヒート2は、サスペンションのセットアップに悩んだままの状態でレースに挑むことになり、思うような走りができませんでした。ヒート3はそれと比べていい状態でしたが、とにかく路面が荒れていて難しく、最終ラップにアロンソ選手の逆転を許すことに……。本当に悔しいです。最終戦は、岩手県ではないとはいえ地元の東北地方となるスポーツランドSUGOが舞台。チャンピオン争いも最後まで何があるかわからないと思っていますが、そのことよりもまずはとにかくレースで勝ち、応援してくれている方々に感謝の気持ちを表彰台の真ん中から伝えたいです」
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レース結果

コース:オフロードヴィレッジ(埼玉)

[ヒート1]

決勝

  • 開催日:2023/10/29
  • 決勝出走:28
  • 完走:27
  • (1.8km x 11laps = 19.8km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 58 V. アロンソ DL Auto Brothers YZ250F ヤマハ 11 1:37.475 18:12.615
2 81 B. スー BS Bridgestone Team YAMAMOTO CRF250R ホンダ 11 1:37.586 18:18.641
3 9 鴨田 翔 DL Kawasaki PLAZA 東大阪 KX250 カワサキ 11 1:38.556 18:19.686
4 13 福村 鎌 BS Bridgestone Team SBE RM-Z250 スズキ 11 1:39.401 18:20.816
5 18 池田 凌 BS Bridgestone Yogibo MOUNTAIN RIDERS KX250 カワサキ 11 1:39.310 18:21.545
6 4 中島 漱也 DL bLU cRU レーシングチーム 鷹 YZ250F ヤマハ 11 1:39.190 18:26.878
7 5 横澤 拓夢 BS Bridgestone TKM motor sports いわて CRF250R ホンダ 11 1:39.577 18:28.509
8 3 柳瀬 大河 BS Bridgestone Bells Racing CRF250R ホンダ 11 1:40.754 18:44.577
9 7 鈴村 英喜 DL TEAM HAMMER CRF250R ホンダ 11 1:41.568 18:45.103
10 69 森 優介 BS Bridgestone Team ITOMO with オフロードピット那須 CRF250R ホンダ 11 1:41.264 18:51.806
11 16 神田橋 瞭 DL Team GANZ KX250 カワサキ 11 1:41.713 18:56.936
12 14 佐々木 麗 BS Bridgestone Y's Racing with 東北トラス YZ250F ヤマハ 11 1:42.300 18:58.678
13 8 西條 悠人 DL ピュアテックレーシング KX250 カワサキ 11 1:41.444 18:59.648
14 20 佐野 雄太 BS Bridgestone ジュニアライダースフリーダムナナ KX250 カワサキ 11 1:41.670 19:01.999
15 17 田中 淳也 DL YSP浜松BOSSRACING YZ250F ヤマハ 11 1:41.441 19:02.970
16 12 渡辺 陵 BS Bridgestone Team PITIN YZ250F ヤマハ 11 1:41.787 19:12.249
17 27 阿部 晴基 BS Bridgestone Team PITIN YZ250F ヤマハ 11 1:43.262 19:12.634
18 30 斉藤 嵩 BS Bridgestone 株式会社TKS & かもんKOIKE YZ250F ヤマハ 11 1:42.893 19:17.423
19 28 大塚 貴斗 BS Bridgestone T.E.SPORT CRF250R ホンダ 11 1:43.608 19:17.677
20 34 山崎 巧也 BS Bridgestone T.E.SPORT CRF250R ホンダ 11 1:42.941 19:27.221

レース結果

コース:オフロードヴィレッジ(埼玉)

[ヒート2]

決勝

  • 開催日:2023/10/29
  • 決勝出走:30
  • 完走:29
  • (1.8km x 10laps = 18km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 7 鈴村 英喜 DL TEAM HAMMER CRF250R ホンダ 10 1:39.511 16:47.764
2 9 鴨田 翔 DL Kawasaki PLAZA 東大阪 KX250 カワサキ 10 1:39.247 16:48.827
3 81 B. スー BS Bridgestone Team YAMAMOTO CRF250R ホンダ 10 1:38.734 16:49.851
4 4 中島 漱也 DL bLU cRU レーシングチーム 鷹 YZ250F ヤマハ 10 1:39.433 16:52.657
5 18 池田 凌 BS Bridgestone Yogibo MOUNTAIN RIDERS KX250 カワサキ 10 1:39.627 16:53.523
6 5 横澤 拓夢 BS Bridgestone TKM motor sports いわて CRF250R ホンダ 10 1:39.803 16:58.312
7 13 福村 鎌 BS Bridgestone Team SBE RM-Z250 スズキ 10 1:40.216 17:00.755
8 8 西條 悠人 DL ピュアテックレーシング KX250 カワサキ 10 1:41.178 17:08.271
9 12 渡辺 陵 BS Bridgestone Team PITIN YZ250F ヤマハ 10 1:41.930 17:19.697
10 3 柳瀬 大河 BS Bridgestone Bells Racing CRF250R ホンダ 10 1:41.955 17:25.538
11 19 小笠原 大貴 K2QUICK YZ250F ヤマハ 10 1:43.002 17:29.242
12 69 森 優介 BS Bridgestone Team ITOMO with オフロードピット那須 CRF250R ホンダ 10 1:41.484 17:29.374
13 16 神田橋 瞭 DL Team GANZ KX250 カワサキ 10 1:43.277 17:30.709
14 27 阿部 晴基 BS Bridgestone Team PITIN YZ250F ヤマハ 10 1:44.262 17:31.924
15 25 土屋 元希 IRC 京都ボブキャット KX250 カワサキ 10 1:43.477 17:36.498
16 30 斉藤 嵩 BS Bridgestone 株式会社TKS & かもんKOIKE YZ250F ヤマハ 10 1:43.952 17:41.658
17 35 堀越 秀鷹 BS Bridgestone YZ250F ヤマハ 10 1:44.721 17:47.129
18 28 大塚 貴斗 BS Bridgestone T.E.SPORT CRF250R ホンダ 10 1:45.250 17:47.938
19 20 佐野 雄太 BS Bridgestone ジュニアライダースフリーダムナナ KX250 カワサキ 10 1:43.521 17:48.751
20 06 齋藤 銀汰 DL bLU cRU 野田ジュニアRC YZ250F ヤマハ 10 1:44.322 17:57.808

レース結果

コース:オフロードヴィレッジ(埼玉)

[ヒート3]

決勝

  • 開催日:2023/10/29
  • 決勝出走:30
  • 完走:28
  • (1.8km x 11laps = 19.8km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 81 B. スー BS Bridgestone Team YAMAMOTO CRF250R ホンダ 11 1:38.288 18:10.515
2 58 V. アロンソ DL Auto Brothers YZ250F ヤマハ 11 1:38.272 18:20.883
3 5 横澤 拓夢 BS Bridgestone TKM motor sports いわて CRF250R ホンダ 11 1:39.300 18:21.098
4 9 鴨田 翔 DL Kawasaki PLAZA 東大阪 KX250 カワサキ 11 1:39.833 18:34.032
5 3 柳瀬 大河 BS Bridgestone Bells Racing CRF250R ホンダ 11 1:40.063 18:40.719
6 18 池田 凌 BS Bridgestone Yogibo MOUNTAIN RIDERS KX250 カワサキ 11 1:41.187 18:42.881
7 4 中島 漱也 DL bLU cRU レーシングチーム 鷹 YZ250F ヤマハ 11 1:41.198 18:52.969
8 16 神田橋 瞭 DL Team GANZ KX250 カワサキ 11 1:42.251 18:55.923
9 8 西條 悠人 DL ピュアテックレーシング KX250 カワサキ 11 1:41.546 18:56.684
10 7 鈴村 英喜 DL TEAM HAMMER CRF250R ホンダ 11 1:42.320 18:58.566
11 14 佐々木 麗 BS Bridgestone Y's Racing with 東北トラス YZ250F ヤマハ 11 1:42.445 19:06.037
12 19 小笠原 大貴 K2QUICK YZ250F ヤマハ 11 1:43.479 19:12.046
13 12 渡辺 陵 BS Bridgestone Team PITIN YZ250F ヤマハ 11 1:42.089 19:12.866
14 17 田中 淳也 DL YSP浜松BOSSRACING YZ250F ヤマハ 11 1:43.834 19:21.920
15 30 斉藤 嵩 BS Bridgestone 株式会社TKS & かもんKOIKE YZ250F ヤマハ 11 1:43.766 19:28.427
16 27 阿部 晴基 BS Bridgestone Team PITIN YZ250F ヤマハ 11 1:43.416 19:30.034
17 35 堀越 秀鷹 BS Bridgestone YZ250F ヤマハ 11 1:45.300 19:32.390
18 03 平塚 豪 DL 城北ライダース KX250 カワサキ 11 1:44.753 19:34.303
19 06 齋藤 銀汰 DL bLU cRU 野田ジュニアRC YZ250F ヤマハ 11 1:45.488 19:37.705
20 13 福村 鎌 BS Bridgestone Team SBE RM-Z250 スズキ 11 1:40.560 19:43.237