【2024年全日本モトクロス選手権 Rd.7 TOKIO INKARAMI Super Motocross IA1クラス】大倉由揮は奮闘するも表彰台圏内には一歩届かず、3ヒート総合成績では5位を獲得!

今季は全8戦が設定されている全日本モトクロス選手権シリーズは、いよいよシーズン終盤戦。第7戦TOKIO INKARAMI Super Motocrossが、今シーズン開幕戦の舞台にもなった埼玉県のオフロードヴィレッジで開催された。荒川と入間川に挟まれた河川敷のフラットな土地に設けられたコースは、今大会に向けてフルリニューアル。これまでも、タイトターンとジャンプが多くて幅が狭いレイアウトを特徴としてきたが、急角度で跳び出すビッグジャンプや長いリズムセクション、飛距離が長い連続ジャンプなどを多数配し、コーナーのほとんどをタイトターンとした、よりスーパークロステイストが強いレイアウトに生まれ変わった。
今大会は、全日本格式となるカテゴリーのうち、IBオープンクラスの予選以外をすべて日曜日に実施するワンデースケジュールを導入。最高峰のIA1は、公式練習を兼ねた20分間のタイムアタック予選と、15分＋1周の決勝3ヒートが行なわれた。
早朝に雨が降ったことや、天候を考慮しつつコース整備が加えられたことなどから、日曜日朝のコースはベストコンディション。乾くとかなりハードパックになる土質だが、前日と比べるとソフト傾向となった。公式練習中には小雨が舞ったが、その後は曇天で、IA1のレースは3ヒートともドライコンディションとなった。最高気温は23℃。2週間前の第6戦は30℃超えで湿度もかなり高かったが、それと比べるとかなり快適な環境となった。

■決勝ヒート1
#6 大塚豪太（Honda,BS）がスタート直後に3番手。ジェイ・ウィルソン（Yamaha,DL）の先行を許したものの、大塚は4番手で1周目をクリアし、これに#4 内田篤基（Kawasaki,BS）が続いた。小方誠（Honda,DL）を挟み、#5 大城魁之輔（Yamaha,BS）が7番手、#2 大倉由揮（Honda,BS）が8番手からのレースに。2周目に小方がリタイアし、大塚を抜いた後で内田もミスして12番手まで順位を下げ、大城が5番手に浮上した。大倉にもミスがあり、上位勢の脱落があったものの、この周は8番手のままだった。3周目、リズムセクションで大城が激しくクラッシュしてリタイア。4番手の大塚はトップ3から5秒ほど遅れ、背後に2台が迫った。大倉は7番手にポジションアップ。大塚は能塚智寛（Kawasaki,DL）を抑え続けていたが、6周目に逆転されると、翌週にはさらにビクトル・アロンソ（Gasgas,BS）にも抜かれて6番手となった。レース終盤、大塚に少しずつ大倉が接近。さらに大塚も、一度は抜かれた能塚に迫った。そして最終ラップとなった13周目に、大倉が大塚をパス。大倉が6位、大塚が7位となった。

■決勝ヒート2
#4 内田篤基（Kawasaki,BS）がスタート直後に2番手。しかし混戦の中で順位を下げ、#2 大倉由揮（Honda,BS）らが先行した。1周目は大倉が4番手、#6 大塚豪太（Honda,BS）が6番手、内田が7番手でクリア。2周目、大倉は前を走るジェイ・ウィルソン（Yamaha,DL）に迫り、内田はビクトル・アロンソ（Gasgas,DL）にパスされた。3周目、大倉はウィルソンに3秒ほど離されて4番手キープ。大塚はアロンソの先行を許した。レース中盤、大倉は3番手に後退した横山遥希（Honda,DL）を約4秒差で追ったが、微妙にギャップが拡大。一方、横山は9周目に入るところでウィルソンを抜いたが、11周目に転倒して3番手に再び順位を下げ、大倉が2～3秒差に近づいた。しかしレースは、13周でチェッカー。最後は横山に逃げられ、大倉は4位でフィニッシュした。大塚は前に離されて7位。内田は2周目から順位を守って8位となった。

■決勝ヒート3
#4 内田篤基（Kawasaki,BS）がオープニングラップを4番手でクリア。#6 大塚豪太（Honda,BS）が7番手、#2 大倉由揮（Honda,BS）は再び出遅れて9番手からのレースとなった。2周目以降、内田はトップ3に離されながらも後続のビクトル・アロンソ（Gasgas,DL）と能塚智寛（Kawasaki,DL）を抑えて周回。しかし4周目に、アロンソの逆転を許した。3周目に渡辺祐介（Yamaha,DL）を抜いた大倉は、4周目に大塚の背後まで迫った。5周目、内田は能塚に抜かれて6番手に後退。さらにエンストのミスもあり、能塚から4秒ほど遅れた。同じ周、大塚がミスで後退し、大倉が7番手にポジションアップ。しかしこの段階で、前を走る内田とは6秒ほどのギャップがあった。レース終盤、内田と大倉ともに単独走行となったが、10周目に能塚が転倒し、これで内田が5番手。レースは13周でチェッカーとなり、内田が5位、大倉が7位でフィニッシュした。

●大倉由揮（決勝ヒート1／6位、ヒート2／4位、ヒート3／7位）
「正直なところ、この大会は非常に苦戦しました。ヒート1は完全にスタートで出遅れ、それでも1周目にリズムよく順位を上げられ、さあこれからというときにミス。3台くらいに先行されました。レース後半にリズムを掴めたものの、その段階でレースが終了してしまいました。レース2はスタートもそれなりに決まり、表彰台圏内は逃したとはいえ、前に大きく離されることもなく、しっかり走れたと思います。ところがヒート3は、再びスタートで大きく出遅れ、先行するライダーをようやく抜いた段階で、単独走行になってしまいました。アメリカで戦う下田丈選手がスポット参戦したこともあるとはいえ、トップ3との実力差は明らか。とても悔しいですが、このままでは終われないと思っているので、その差を少しずつ埋めていきたいです。今大会の翌週には、国別対抗戦のモトクロス・オブ・ネイションズに日本代表のひとりとして出場します。ここでも世界の走りをしっかり学び、全日本の最終戦ではなんとしても挽回したいです。
雨や散水作業もあり、けっこう滑りやすい状況。多少はカタい路面のセクションもあったとはいえ、今回はX20の一択だったと思います」