【2024年全日本モトクロス選手権 Rd.6 近畿大会 レディースクラス】本田七海が今季初優勝を挙げ、決勝4位の川井麻央を逆転してランキングトップに浮上!

今季の全日本モトクロス選手権レディースクラスは、全7戦のスケジュール。第5戦はレディースクラスの開催がなかったため、3ヵ月以上の非常に長いインターバルを挟み、第6戦近畿大会が開催された。
三重との県境に近い奈良県に位置する名阪スポーツランドのモトクロスコースは、サンド質の路面が大きな特徴。コースは山の斜面に設けられていて、序盤および終盤を上段、中盤を谷側となる下段に配したようなレイアウトとなっている。このため、とくにコース中盤にはアップダウンも多め。今大会では、同じく9月に開催された昨年の第6戦から、ベースとなるレイアウトこそ踏襲されていたが、各セクションの仕様は変更された。幅が狭い区間とRが緩めのコーナーが増えた印象で、ラップタイムはやや短縮傾向。パッシングポイントは限定的だったが、荒れた路面と体力を奪う高温多湿によりミスが発生しやすく、これによる順位変動も多かった。
各クラスの予選が実施された土曜日の天候は晴れで、路面はドライコンディション。しかし夜遅くから日曜日の朝にかけ、断続的な降雨があった。さらに、決勝前の公式練習では、一時的にかなり強めの雨。それでも、サンド質の路面はそこまで状態が悪化しなかった。その後、正午ごろまでは曇り空だったが、レディースクラスの決勝レースが実施された午後は、陽射しに恵まれるほどまで天候が回復。ベストコンディションでのレースとなった。

■決勝レース
ポイントリーダーの#1 川井麻央（Honda,BS）はやや出遅れ、オープニングラップは6番手。川井を3点差で追う#2 本田七海（Yamaha,BS）も、スタート直後こそ集団の中にいたが、こちらはすぐに順位を上げ、1周目を3番手でクリアした。2周目、川井が5番手にポジションアップ。前を走る箕浦未夢（Honda,DL）を追った。本田は、3周目にこの箕浦をやや引き離して、2番手の楠本菜月（Honda,DL）に接近。4周目から僅差の争いとなり、5周目に本田が先行した。
この段階で、本田はトップの川上真花（Yamaha,PI）と約3秒差。その後にじわじわと距離を詰め、7周目には背後まで迫った。9周目に入った直後の左ターンで、本田が川上のインを突いたが、ここで両者が接触してコースアウト。川上がエンストし、本田が単独トップでレースに復帰した。同じ周、川井は僅差で追い続けていた箕浦の攻略に成功。レースは翌周にチェッカーとなり、本田が今季初優勝、川井が4位となった。今大会の結果、本田がランキングトップに浮上。9点差で川井が追って、残り2戦を迎える。

●本田七海（決勝レース／優勝）
「決勝のスタートは、混戦に埋まって最初こそ出遅れましたが、イン側を選択していたことで、うまく前に出ることができました。2番手に浮上した後、トップの川上真花選手とは少し距離があったので不安も感じましたが、周回ごとに縮まっていることを確認できたことで、冷静に追い上げることができました。完全に追いついてからは、自分としては早くトップに立ちたく、その焦りから強引な勝負になってしまいました。とはいえ勝てたので、その点は満足しています。
じつは日曜日朝の公式練習で、ハイサイドの激しいクラッシュをしてしまい、これでかなりカラダにダメージを負ってしまいました。でも、今回は地元大会ということで、多くの方々が応援に駆けつけてくれており、絶対にリタイアはしたくないと思い、決勝の15分間は気合いで乗り切ることに。最後まで走り切って優勝もでき、本当に安心しました。
タイヤは、フロントに軟質路面用のBATTLECROSS X20、リアにサンド用のBATTLECROSS X10をチョイス。私は2スト85ccマシンなので、スタートではどうしても4スト150ccに先行されやすく、しかもレディースクラスはレース時間が短いことから序盤で上位にいることがとても重要なので、タイヤの力で前に進んでもらうことを優先しました。コースには部分的にカタい路面もありましたが、そういう状況も想定して、普段の練習で路面がかなりカタいときでもX10で走行しており、その成果も結果につながったと思います」