【2024年全日本モトクロス選手権 Rd.5 北海道大会 IA2クラス】 横澤拓夢がヒート1を制して5連勝達成。ヒート2では2位獲得でランキング首位をキープ！

全日本モトクロス選手権シリーズ第5戦北海道大会が、千歳市の新千歳モーターランドで開催された。今大会は全道モトクロス選手権第2戦と併催され、日曜日のみのワンデースケジュールで実施。全日本格式のクラスはIA1とIA2のみで、レディースクラスとIBオープンクラスは未開催となった。
昨年、10年ぶりの復活を遂げた北海道大会。今年もその舞台となった新千歳モーターランドのダート・モトクロスコースは、新千歳空港の至近距離に位置し、北海道らしい広大な土地にレイアウトされている。アップダウンは少なめで、ハイスピードセクションを多く備えたダイナミックな構成。路面は、軽石や火山灰といった噴火の堆積物に由来するサンドに近い土質で、走行によりギャップやウネリやワダチが発生しやすく、とくに午後のレースはこの攻略も大きなカギとなる。

日曜日の本州以南は全国的に天候が崩れたが、北海道は曇りのエリアが多く、千歳も朝から曇天。昼ごろには一時的に薄日が差し、路面はドライコンディションが保たれた。最高気温は23℃で、過ごしやすい陽気となった。
若手と中堅のライダーが中心となるIA2クラスの決勝は、IA1と同じく30分＋1周の2ヒート制で実施。#2 横澤拓夢（Honda,BS）が33点リードのポイントランキングトップで、シーズン後半戦最初となるこの北海道大会に臨んだ。

■決勝ヒート1
ホールショットの中島漱也（Yamaha,DL）を、#2 横澤拓夢（Honda,BS）が追って1周目をクリア。2周目には#6 柳瀬大河（Honda,BS）が、横澤と約6秒離れた3番手に順位を上げた。レース序盤、横澤と中島のトップ2は、2秒前後でギャップを増減させながら周回。柳瀬はこの2台からやや離されながらも、4番手以下に対してはリードを拡大して3番手をキープした。7周目あたりから横澤が再び中島との距離を詰め、完全な接近戦に。しかし9周目、横澤はコースアウトを喫した。
横澤はすぐに復帰したが、この間に中島は約5秒先行。また、3番手の柳瀬が横澤の約4秒後方に近づいた。しかし翌周以降、横澤は柳瀬を引き離しながら再び中島とのギャップを削り、14周目にはその背後に。そしてラスト2周となった17周目、横澤が逆転に成功した。最終ラップには中島が横澤に喰らいついたが、横澤が逆転のチャンスを与えず、第3戦ヒート1から5連勝をマーク。柳瀬はレース終盤にトップ2から大きく離されたが、3位を守って表彰台に登壇した。

■決勝ヒート2
ホールショットの田中淳也（Yamaha,DL）を抜いて、#2 横澤拓夢（Honda,BS）が1周目をトップでクリアした。2周目、西條悠人（Kawasaki,DL）を抜いて森優介（Honda,BS）が4番手に浮上。3周目以降、横澤と田中と中島漱也（Yamaha,DL）が、森を大きく引き離しながらトップグループを形成した。また、森の背後には西條悠人（Kawasaki,DL）と渡辺陵（Yamaha,BS）が接近。レース中盤、横澤は田中の猛追を受けるもトップを死守し、さらに中島もこの2台に僅差で続いた。
森と西條と渡辺も三つ巴の4番手争いを繰り広げていたが、10周目に西條を抜いた直後に渡辺が転倒して8番手に後退し、森が3秒近いリードを確保。一方、トップ争いは依然として3台による接近戦となった。14周目、中島が田中をパスすると、翌周から田中が遅れ、レースは横澤と中島の争いに。横澤は最終ラップとなった18周目に逆転を許し、2位でチェッカーを受けた。森はレース終盤にリードを拡大して4位。5位には1周目11番手から追い上げた吉田琉雲（Honda,BS）が入賞した。

●横澤拓夢（決勝ヒート1／優勝、ヒート2／2位）
「ヒート1は、トップの中島漱也選手を僅差で追う展開でしたが、前を走るほうが辛い状況だと理解していたので、中島選手のラインを観察したり、意識的に呼吸したりしながら、抜けるタイミングをうかがっていました。後半勝負と決めたのですが、ちょうどレースが折り返しを迎えるときに、自分のミスでコースアウト。これでやや離れてしまいましたが、ちょっとプッシュしたらすぐに追いついたので、それならもう勝つしかないと思いました。
逆にヒート2は、自分が先頭を走る立場となり、ヒート1の内容と結果からも辛い状況であることは重々承知していましたが、それでも逃げ切りたいと考えました。ブロックしてもしょうがないし、とにかく少しでも引き離せるよう最後までしぶとく走りましたが、今回は中島選手の強さを認めるしかありません。夏の間はアメリカのレースにスポット参戦するので、さらに成長した姿を次戦で披露したいです。
今大会、タイヤは一貫してフロントに軟質路面用のBATTLECROSS X20、リアにサンド・マッド用のBATTLECROSS X10を選択しました。走行ラインを考えたら、リアは砂を掻いて前に進んでくれるX10以外のチョイスはあり得なかったと思います」